水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

夜想曲集(37)

2021-03-25 09:58:01 | 夜想曲集
You have got to admit, that woman and Hag Fraser really deserve one another. It was just too good an opportunity to miss.
あの女ならフレーザーばあさんの好敵手だ。姉さんもそう思うだろ?二人をかちあわせる機会をみのがす手はないよ。

男女二人連れの客のうち、女性と芳しくない状況になったとき、外気を吸いに外に出た男性がもどってきて、近場の宿やを聞いてきた。
それに対し、あろうことか、評判の良くないフレーザーばあさんの宿を推薦してしまった。
女性二人のやりとりが面白いにちがいない、と思ったからだ。

この部分も訳がすばらしい。プロ訳者dと思う。


いよいよ、聖火リレーが始まる。強引につきすすむのでしょうなあ。どうなることやら。

夜想曲集(36)

2021-03-18 10:03:33 | 夜想曲集
I now realized this woman was livid with anger. Not the sort that suddenly hits you, then drains away. No, this woman, I could tell, had been in a kind of white heat for some time. It's the sort of anger that arrives and stays put, at a constant level, like a bad headache, never quite peaking and refusing to find a proper outlet.
僕は、女が怒りで青ざめていることに気づいた。突然湧いて、さっと消えていく怒りではない。違う。ぼくにはわかる。この女の心の中では、しばらく前から怒りがたぎっていた。これは居つく怒り、ひどい頭痛のように一定レベルでいつまでもたぎり続ける怒りだ。爆発というはけ口がなく、だから収まることもない。

ふたりずれの、男性が外に出たあと、女性の怒りがただごとではないことに、気づいたところ。
食事の内容ではなく、サラダとパンが出てくるまでに35分間も待たせるとは何事だ、と怒っているのだ。
その怒りを真正面から受けようとしたところで、そとに出ていた男性がもどってきて、話がそれた。


考えてみると、怒りでグチャグチャになっちゃう、なんてことをしばらく味わっていませんなあ。年取った証左でしょうか。
本文も訳文も、なかなか含蓄がある、と感心しました。さすがプロ。

夜想曲集(35)

2021-03-11 09:59:45 | 夜想曲集
'Of course, our country has many beautiful features. But here, in this spot, you have a special charm. We have wanted to visit this part of England for so long. We always talked of t, and finally we are here!' He gave a hearty laugh. 'So happy to be here!'
もちろん、スイスにも美しいところがたくさんあります。でも、ここには、この場所に特別な魅力があります。以前からイギリスのここを訪ねたいと思って、二人でいつも話あっていました。やっと来られたというわけです。男は嬉しそうに笑った。来て本当によかった。

ドイツ訛りの客は、スイス人であった。しかも、ここ、モールバンヒルズに、長いことあこがれていたらしい。

モールバンヒルズは。あのコッツヲルズの北に位置する地方らしい。両者が似ているとすれば、私も昔レンタカーで行ったことがある。
緑豊かな、静かで、魅力的な田舎町であった。確かに、のんびり長逗留したくなる雰囲気を持っている。

話は、この人たちとのからみにつながる。

夜想曲集(34)

2021-03-04 08:06:28 | 夜想曲集
I'd clocked them in my mind as 'the Krauts' the moment. I heard their accents. I wasn't being racist.
訛りのある声が聞こえた途端、ぼくは心の中で”クラウト“ と思った。(もちろん、ザウアークラウトから来るドイツ人の蔑称だが、)ぼくは別に人種差別主義者ではない。

「Kraut」という言葉をイギリス人が外人に対して使うときは、たぶん、「キャベツ野郎」的な使い方であると思う。
それにしても、訳文の()にくくった部分は、本文にはない。著者の了解を得て、訳者が注釈的につけくわえたのであろう。
それがいいのか悪いのか。注記するほうがいいように思うのだが。