水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

日の名残り(76)

2019-06-27 09:53:06 | 日の名残り
At these sort of levels, Miss Kenton, the profession is not for everybody. It is easy enough to have lofty ambition, but without certain qualities, a butler will simply not progress beyond a certain point.

この辺のレベルになりますと、誰にでも執事が務まるというものではありません。高い望みをもつことは結構ですが、ある特別な条件を持ち合わせた執事でないと、一定レベルより上には行けないものです。


ミスケントンが、休日に外で会っている人が昔執事をやっていたことのある人で、立派な執事になろうと野心を持っていたけれどもやめざるをえなかった、と説明し、加えて、スティーブンス氏のやりかたとは大違いである、と言った。

それに対しての返答が上。仕事にプライドを持っている、というか、ちょっとおだてると、すぐ舞い上がってしまう、というか、微妙なニュアンスだ。

ミスケントンは、たぶん、鼻もちならぬ、と感じたのではないか。


日の名残り(75)

2019-06-20 09:49:33 | 日の名残り
And will you be going off again on Thursday, Miss Kenton? On your day off, I mean.

木曜日にはまた出かけられますか、ミスケントン? あなたのお休みの日ですが?


友人に指摘されて、ミスケントンがやめるかもしれない、との思いに至った、スティーブンス氏は思い切って聞いてみたときの問い。

いままでなかった、手紙が定期的にくるようになったし、気分のよしあしがはげしいし、疑えばいろいろ思い当たるフシがでてきた。


結果。ミスケントンは、旧知の執事の仕事をしていた人と旧交をあたためているだけだ、と明かした。


忖度、忖度。そんな雰囲気の一節だ。

日の名残り(74)

2019-06-13 09:38:21 | 日の名残り
'Miss Kenton,' I assured him, 'is a devoted professional, I happen to know for a fact that she has no wish for a family.'

そんな~~~。ミスケントンは正真正銘、本物の女中頭ですよ。いまさら家族をもちたいなんて、そんなことを考えるわけがありません。



ミスケントンの最近の様子を、同業者に話したところ、恋人でもできて、結婚を考え始めた兆候ではないか、と言われた。
動揺して、スティブンス氏が反論したところ。


意訳の度合いが大きいのかなあ。訳すのが難しい文章だ。





日の名残り(73)

2019-06-06 09:58:11 | 日の名残り
But then, as I say, the pattern changed. She began suddenly to take full advantage of her contracted time off, disappearing regularly from the house from early in the morning, leaving no information other than the hours she might be expected back that night.

が、ミスケントン の休暇の取り方が、このころ、がらりと変わったのです。 なぜか、契約の定める休暇をすべてとるようになり、そして休みの日には、夜何時にもどるかを書き残すだけで、朝早くからどこへともなく姿を消してしまうようになりました。


スティーブンス氏が読んでいる本のタイトルを知ることに執心したミスケントン。本の表紙をみせることさえ頑なに拒否したスティーブンス氏。このことが原因であろうか、二人の間に微妙な隙間が できてしまった。

それまでミスケントンの休暇のとりかたは、叔母の家いくか、屋敷内にとどまって静かにしているかであった。

スティーブンス氏は、この彼女の変化が、自分に起因するのか、なにか別の原因があるのか、ミスケントンと話し合って決着つけねばならぬ、と心を決めた。