水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

古今集(304)

2017-09-07 10:26:36 | 古今和歌集
1049 唐土の吉野の山にこもるとも おくれんと思ふわれならなくに
題しらず
左のおほいまうちぎみ

あなたが吉野に隠棲してしまうとの話ですが、たとえその吉野が唐にあるものであっても、わたくしは、「しまった、遅れた」などと言ってあきらめてしまうことは決してありません。


政治の中枢にいた、左大臣・藤原時平の歌です。
当時の中央政界の平和ぶりをあらわしているのでしょうか、古今集は、恋歌が圧倒的に多いのです。この歌なんか、その代表でしょう。


古今東西、人間社会に恋愛はつきものですが、どうしてこう、もしかしたらリーダーに躍り出るかも、と思わせる人が、スキャンダルネタの餌食になるのでしょうか?
これで、大笑いしている人たちは、どういう人たちなのでしょうか?

政治の中枢がおかしい。マスコミはもっとおかしい。

古今集(302)

2017-08-31 10:54:04 | 古今和歌集
260 しら露も時雨もいたくもる山は 下葉のこらずいろづきにけり
もる山の辺にてよめる
つらゆき

ここモルヤマは、いつも雨っぽくてジメジメしていますが、もうすっかり秋で、木々の下葉がいろづいてしまっています。


今日の早朝から、気温はぐ~んと下がった。
それまでの、息苦しいような蒸し暑さはなんだったのか、と思うほどであった。

明日から九月。秋の気配が確実に忍び寄ってきている。

古今集(301)

2017-08-28 10:51:33 | 古今和歌集
952 いかならんいはほの中に住まばかは 世の憂きことのきこえこざらむ
題しらず
読み人しらず

岩窟の中に住んだとしたらどうなるでありましょうか。世の中の面倒くさいことは聞こえてこないでしょうか。(いえいえ、どんな対策をとっても、俗世間との縁はきれませんよね~)


若人にとって、近年の情報過多の世の中は厳しいに違いない。

フィルターのかかった国内情報に加え、求めさえすれば諸外国の現況など、簡単に知ることができる。

ただしかし、情報を得れば得るほど、自らのよりどころを見失いがちになり、烏合の衆の一員になりさがる。

むやみに情報を追わず、少ない情報をもとに「じっくり考える」ことの重要性を肝に銘じねばならぬ時代だ。





古今集(300)

2017-08-24 10:30:00 | 古今和歌集
231 秋ならであふことかたき女郎花 天のかはらに生ひぬものゆえ
朱雀院のをみなへしあはせによみてたてまつりける
藤原定方朝臣

天の川の河原に咲くわけでもないのに、どうしてオミナエシを見ることができるのは秋なのでしょうか


歌会の題になるほど、オミナエシが一般的であったのですね~。

そういえば、子供のころも、この時期よく見ましたっけか。

最近は、とんと里山歩きをしなくなりました。健康維持のためにも、よくないですな~。


オミナエシ、「女郎花」という感じをあてたのは、いつ頃のことだったのでしょうか?万葉集時代にはもうこうなっていたのでしょうか?

古今集(299)

2017-08-21 11:09:22 | 古今和歌集
175 天の河もみぢを橋にわたせばや たなばたつめの秋をしもまつ
題しらず
よみひとしらず

天の川にもみじが橋のようにかかっているわい。あ、そうか、これを見て織女は秋をまてるのだ。


七夕(もちろん、旧暦)は、来週の月曜日だ。

その時期に、天の川を見上げたら、ちょうどその手前にもみじの枝が、天の川を交差するようにのびていた。
まるで、ふたりのために掛けられた橋のようだ、と感じた。

そのような感想を詠ったのでしょうか。

もみじの時期、というのにはちょっと早すぎるのではないでしょうか。

来週の月曜日の夜、よりも、新月前後の今夜あたり、天の川を見上げ、旧暦の時代を偲ぶのもいいかもしれません。


古今集(298)

2017-08-17 09:46:13 | 古今和歌集
185 おほかたの秋くるからに わが身こそ悲しきものと思ひ知りぬれ
題しらず
読み人しらず

みなさんが(楽しく)思う秋がくるのですが、わたくしにとってはなんとも悲しい(特別な)秋なのでございます。


私が悲しく思う秋、とはなんなのか、わかりません。
異性に降られたからでしょうか?現役を退いて引退生活に入ったからなのでしょうか?商売や事業に失敗したのでしょうか?

まあ一般に、初秋は気分いいものですよね~。


がしかし、このところの天候はどうしたことなのでしょうか?
まるで、秋霖ですよね~。このまま秋に突入するのでしょうか?
北の米は大丈夫でしょうか?野菜は高騰するのでしょうか?

我が家のミニトマトがsっかり元気をなくしてしまいました。

暑いのもいやですが、この時期にこうも日がでないのは心配です。


古今集(297)

2017-08-14 10:41:14 | 古今和歌集
988 逢坂のあらしの風は寒けれど ゆくへ知らねばわびつつぞ寝る
題しらず
読み人しらず

(ここ)逢坂は、風が強く寒くって、すみづらいのですが、ほかに行くあてがないので、つらいつらいとこぼしながらも暮らしているのです。


地震や風水害などによって、一瞬に着の身着のままになってしまう不幸が、私たちの日常の影に存在している。

なんとかこのまま、あの世になだれこみたいと願うが、生きているからには、なにが起きても動じない強い心を失わないようにせねばならない。

今日は、ウソのように、気温が低く、ついついダラーッとしてしまいがちだが、ピリッとしましょう、ということです。

古今集(296)

2017-08-10 11:21:14 | 古今和歌集
934 幾世しもあらじ我が身を なぞもかくあまの刈る藻に思い乱るる
題しらず
読み人しらず

何世代にもわたって生きるわけではないのに、なんでこのように、やたら心配ごとが多いのでしょうか。


よく考えてみれば、心配事のない天国で生活すれば、退屈でいたたまれないでしょう。

心配事がある、ということは生きているアカシであるわけですから、日々を落ち着いてやりすごせばいいわけです。


まあこの歌は、老いらくの恋を誇っている、というふうに理解すべきかもしれません。


古今集(295)

2017-08-07 11:22:09 | 古今和歌集
168 夏と秋と行きかふそらの通路は かたへすずしき風やふくらん
みな月のつごもりの日よめる
みつね

天空の道路では、夏と秋とが行きちがっているのでしょうが、たぶんそこでは、片方の側には涼しい風が吹いているにちがいありません。


夏の暑さにいささかうんざりした、と詠った歌、と解釈するのは、わたくしのかって読みでしょうか。


今日は、立秋。旧暦6月中旬で今夜あたり満月か?

台風5号は、ものの見事に、九州から北海道まで縦断しそうだ。
直接被害がかなりでそうだが、海山の行楽地などでの収入減少など間接被害もばかになるまい。

しかし、関東の水不足は回避できるのではないか?


とにかく、この蒸し暑さから、はやくのがれた~い。


古今集(294)

2017-08-03 10:20:31 | 古今和歌集
1047 さかしらに夏はひとまね 笹の葉のさやぐ霜夜をわがひとりねる
題しらず
読み人しらず

生意気にも夏の間、(なにもしない)あの人のようにふるまったのですが、そのおかげで(ふとんにくるまる)秋の終わりになっても、一人寝状態です。


真夏の暑い盛り、恋愛ゲームを怠ったツケが秋口に如実に表れる、と詠った歌でしょうか。
気持ち、よくわかります。


この数日の、25度以下の最低気温は、助かりました。
慢性寝不足が解消されたようです。よく眠れました。

しかし、純粋に天候を見ると、おかしいですね~。不順ですね~。
影響が出てこなければいいのですが。

そして、地震。地震大国に生まれた身ゆえ、どうにもなりませんが、不安は不安です。

古今集(292)

2017-07-27 19:59:30 | 古今和歌集
741 ふるさとにあらぬものから 我がために人の心の荒れてみゆらむ
題しらず
伊勢

私からみると、あの人の心は、まるで昔の都のように、荒んでみえます。


この歌から話が離れますが、2020の五輪後、東京は、日本はどうなるのでしょうか?

1964を境に、東京は激変しました。

たぶん、今度もものすごい変わり方をするのでしょうが、人心は著しく異なっているように感じます。

あのころは、ずっと、正直だったように思います。

2020まで、なんとか生きのびて、どんな変わり方をするのか見てみたい。

古今集(291)

2017-07-24 11:09:46 | 古今和歌集
754 花がたみ めならぶ人のあまたあれば 忘られぬらん かずならぬ身は
題しらず
読み人しらず

花籠のなかに入れられたたくさんの花のなかのひとさしであるわたくしは、花籠を受け取った方からみれば、数の内に入っているわけがありませんよね~。


「花がたみ」は確か、謡曲にあって、天皇になる人に恋い焦がれていた女性が、都にまで天皇を追い求めていく話であったような~~~~。
世阿弥作であったか?

なんて、ひょんなことを思い出すと、世阿弥が日本書紀や古今和歌集などの古典を熟読していたに違いない、と気づくのです。

このように、大昔の天才も古典を読んでいたに違いないと気づくと、私の今のやっていることも、人間として必ずしも無駄ではなく、アリかなと勇気づけられるのでした。

古今集(290)

2017-07-20 11:19:59 | 古今和歌集
727 あまのすむ里のしるべにあらなくに うらみんとのみ人のいふらん
題しらず
をののこまち

海人が住んでいる兆候もないのに、なぜか「浦がみたい」と人がよってきます。


これが直訳ですが、こうではないのでしょうね~。


私がなんの関心も示さないので、ついにあなたは「恨みます」とおっしゃたのですね。そう聞きました。


こんなふうな訳でいいのでしょうか?


小野小町をよく知るわけではありませんが、この歌から感じるのは、ずいぶんと気位の高い女性ですね~、ということです。

それとも、言葉遊び的に詠んだ歌なのでしょうか?

どうもこの辺の男女間の機微について、センスがないものですから、よく理解できません。



古今集(289)

2017-07-17 10:26:03 | 古今和歌集
587 まこもかる淀のさは水 雨ふればつねよりことにまさるわが恋
題しらず
つらゆき

真菰を刈ることで有名な淀川の沢では 雨が降れば水量が増えます。それと同じことのように思えるのですが、わたくしの恋心も、雨が降ると強くでてくるのです。


雨と恋心とは、この時代、関係あり、であったのですね~。


九州、その他での豪雨とは真逆の、関東での少雨傾向は深刻にならないのでしょうか?

過日、野川が干上がっている、と友人に聞きました。

全国にまんべんなく降ってくれればいいのに、片方では大災害、もうかたほうでは水不足を心配する。

自然をコントロールしようとする、われわれに問題があるのでしょうね~。

古今集(288)

2017-07-13 15:35:13 | 古今和歌集
584 ひとりして物を思へば 秋のよの稲葉のそよといふ人のなき
題しらず
みつね

ひとりウツウツとしているのに、あなたは私のことをぜんぜんわかってくださらないのですね。


この人は、かまってもらいたいのですかね。
相手の人が、 近寄りがたく感じ、遠慮しているかもしれないのに。

和歌、特に古代のそれは、序詞や枕詞の意味合いを解釈するのが難しい。
この歌では、「秋のよの稲葉」は序詞であって、「収穫直前の稲穂が出す、サワサワとした音のように」とでも解釈するのであろうか?
その音と、思い人からのちょっかいとが、どうして関係するのか、理解できないのです。
このへんの微妙なニュアンスがわかると、古代の歌がより深く理解できると思うのですが。