電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2017』を読む

2017年10月26日 06時01分44秒 | 健康
今年の春、老母の健康状態は急激に衰えてきていました。自室からトイレに行くのに、途中で椅子に座り込んで休憩しなければ戻って来れない状態で、動悸息切れ、寝汗、足のむくみなど、正直、いよいよだめかと思いました。

近所のかかりつけのお医者さんで診てもらったら、当初は10年ほど前に手術した胃がんを疑いましたが、どうも違うみたい。検査の結果、先生の専門である心臓の数値が非常に悪く、すぐに入院すべき状況だということで紹介状を書いてもらい、地域の中核病院に入院しました。若い担当は大学病院から派遣されている心臓専門医で、いろいろな検査の結果、大動脈弁閉塞症という診断で大学病院に紹介状を書いてもらい、そこで経カテーテル大動脈弁治療(Transcatheter Aortic Valve Implantation)という方法で治療・改善が可能だと言われました。

ところが、大学病院では手術の順番待ちの状態で、10月から11月まで待たないといけないとのこと。たぶん、そこまで持たないので、仙台市の某専門病院に紹介状を書いてもらって、幸運にも金曜日に入院、月曜日に手術という素早い対応で、ほとんど閉塞していた大動脈弁も人工弁に置き変えることができました(*1)。今は食欲も戻り、外を歩けるまでになって、たまには外食もしてみたいと言うほどに元気になっています。



こうした経験を通じて感じたことは、次のようなものです。

  • 地域のかかりつけ医院の大切さ。特に、様々な治療の経過を知っていることの大切さ。
  • 病院・医師どおしの連携の大切さ。特に、検査結果のデータを送付してすぐに治療の緊急な必要性を判断できることの大切さ。
  • 専門病院の大切さ。執刀可能な複数の専門医が常駐し、1日に3例も手術が行われているというのは、診断が確定している例であれば、大きなメリットがあります。

そういう観点で見た時、本書のような「手術数の多い病院は良い病院だ」という仮説は、当たっている面がある一方で、情報が一人歩きする弊害もあるように思います。

診断が確定しているのであれば、効率的に手術できる病院があるのはよいことでしょう。でも、「何となく不安だ」という段階でランキングの高い特定の病院に患者が殺到するようなことがあれば、むしろ逆効果な面もあるのではなかろうか。

(*1):リアルタイムに見る経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)に感動する~「電網郊外散歩道」2017年7月

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