電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ハイドン「交響曲第96番」を聴く

2012年12月02日 06時05分53秒 | -オーケストラ
ここしばらく通勤の音楽として聴いていたのは、ハイドンの交響曲第96番ニ長調、Hob.I:96 でした。いわゆる「ザロモン・セット」のうちの1曲で、作曲家59歳にあたる1791年に作曲されたものだそうです。演奏は、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団。SONY Musicの2枚組CDからの1枚です。

楽器編成は、Fl(2), Ob(2), Fg(2), Hrn(2), Tp(2), 弦5部。

第1楽章:アダージョ~アレグロ、ニ長調、4分の3拍子。序奏付きのソナタ形式だそうです。ゆったりとした序奏は、途中でニ短調に転調した後に、速いテンポで活発な主題に変わります。
第2楽章:アンダンテ、ト長調、8分の6拍子、三部形式。中間部のト短調に転調したあたりの表情が印象的です。
第3楽章:メヌエット、アレグロ。ニ長調、4分の3拍子、三部形式。メヌエット主題の晴れ晴れとした旋律と、トリオ部におけるオーボエ主題ののどかさが楽しい。
第4楽章:フィナーレ、ヴィヴァーチェ。ニ長調、4分の2拍子。Wikipedia には、ロンド形式に近いソナタ形式とありますが、素人音楽愛好家である当方には「なんだそりゃ?どこが違うんだ?」状態です。でも、軽快な楽想に、思わず心が浮き立つようです。

ハイドンの音楽は、個人的な感情や苦悩をさらけ出すようなタイプではなく、きわめて抑制された、上質なものであると感じます。時折ふっと顔を出す陰りの表情には、悲しみも苦悩も充分に知っている、大人の成熟した感情が感じられます。自分自身が中高年と区分される年代になって、晩年のハイドンの音楽や、ジョージ・セルとクリーヴランド管による、明晰で活気ある演奏の魅力を感じます。

演奏データは、次のとおりです。
■ジョージ・セル指揮クリーヴランド管
添付のリーフレットには、I=6'13" II=6'56" III=5'31" IV=3'33" とありますが、どうも第1楽章のデータがかなり違うみたいです。Ubuntu Linux の RhythmBox のタイム表示で調べると、
I=7'03" II=6'51" III=5'26" IV=3'33"  total=22'53"
となりました。


コメント    この記事についてブログを書く
« 暖房のありがたさ | トップ | 夏川草介『神様のカルテ』を読む »

コメントを投稿

-オーケストラ」カテゴリの最新記事