♪ 奈良マンドリンギター合奏団 スタッフ・ブログ ♪

  合奏団のスタッフが、奈良マンの素顔、音楽に関係あること無いこと、どーでもいいこと、真面目な話、いろいろ語ります。

2020.9.20.練習記録

2020年09月21日 | 練習記録

めっきり涼しくなった今回の練習、しかし相変わらずのコロナ禍、集まりはいつも通りでしたね。幾分涼しくなってやはり練習に集中できましたね、「芸術の秋」とはよく言ったもんです。

今回も初見弾きがテンコ盛りで7曲、皆さんよく頑張っています。

▼Dal氏は「ああ人生に涙あり」。どんなん?と思いきや、水戸黄門のテーマでした。慰問演奏候補曲でした。いきなり箸休め曲でしたが、知っている曲だけに、くつろいぎながら、楽しく弾けましたね。

つづいてマンドリンオーケストラの為の4章のⅣ.アレグロが初登場です。4拍子の流れから突如現われる繰り返しの続く2拍子,3拍子に惑わされ、divでは譜面の見づらい小節もあり、基本的にはローポジなので、慣れればたいしたことはないものの、ちょっと面食らいましたが、軽快に楽しめそうな曲でしたね。

▼トーチャンさんは、チェロの高野さん編曲のシューベルトの弦楽四重奏曲Rosamundeの第1楽章をご準備。初めて聴く曲,弾く曲でした。

調べてみると、シューベルトは、家族や友人の輪の中で演奏することを目的として、15の番号付きの四重奏曲を作曲。この曲は1824年、シューベルトが27歳の時に書かれ、唯一出版された弦楽四重奏曲とか。注目すべき点は、その軽やかでありながらも暗い雰囲気、繊細な雰囲気、質感、そしてシューベルトのどうしようもない特徴である美味しいリリシズム、と評する方もいます。

“Rosamunde”は、1年前に書かれた戯曲「ロザムンデ」から引用されたもので、そのテーマは第2楽章に出てくるようです。

この作曲の背景には、1822年に梅毒による体調不良と、おそらくは不幸な恋愛もあるようです。へぇー!ですね。

ともあれ、シューベルトさんの苦悩もあるようですが、演奏する我々も苦悩に満ちていましたね。3連譜のぎこちなさを無くさないと曲になりませんね、練習せねば・・。

つづく新しい曲は、懐かしいムニエルの「ヴェニスの謝肉祭」。トーチャンさんの高校時代に大好きだったという思い出の曲。あのパガニーニが超絶技巧で演奏して一斉風靡、世界中に広まった名曲です。

マンドリニストでもあるムニエルならではの独奏曲的アンサンブル曲。アンサンブルなのになぜ技巧が必要? と思う箇所があり、メロディーが浮き出るように鮮やかに弾けるといいですが、テンポが速くなると、こそっとDIVしたくなりますね。

▼TG様の新しい曲一つ目は「マティナータ(朝の歌)」。メロディーメーカーアマデイの秀作ですね、自然に身体が揺れていくほどの心地よさでした。つづいて「詩人の夢」。中野先生の初期の邦訳は「詩人の瞑想」ですが、今回配布された楽譜は最終の1993年の曲集で、邦訳は「詩人の夢」。中野先生に心境の変化があったのでしょうか?

トリの新譜は「メリアの平原にて」。TG様、意外に、この名曲はステージでは一度も振ったことがないとか。2016年のスプコン以来で、演奏経験者の多いこの曲、難所もうまく交わしながら、懐かしく弾きましたね。

この「メリアの平原にて」について、以前、岡村光玉さんにお聞きした際のメモがありますので、ご紹介させていただきます。

  1. メリアという地名は、イタリアに数箇所ある。シチリアにもある。いずれもギリシャの植民地。もともとギリシャにはメリアという場所があり、植民地で生活した際に、ふるさとを懐かしんで、その土地をメリアと命名したらしい。北海道の「広島」町のようなもの。
  2. マネンテの居留したメリアは、イタリアの半島の先っぽ(シシリア島の近く)のla pianadirreliaというところ。岡村先生が会われたマネンテの長女が、「パパはここで働いていた」と証言したことが推測の根拠。
  3. メリアの平原には、陸軍の土地があり、囲ってあるらしい。
  4. イル・プレットロ誌の作曲コンクールには、提出期限を過ぎて投稿。MOTTOには「最後の曲」と書いた。送付が遅れてごめんなさいとの意味を込めて、また、きっと自分の曲が最後に提出される曲だろうとの推測で、シャレで書いたようだ(岡村さんの推測)。出版する際の曲名は、自分で「メリアの平原」と書いたらしい。
  5. この「最後の曲」の意味について、日本で、これはどういう意味かと議論になったらしい。菅原明朗氏は、吹奏楽団は通常、軍隊の最後について行進するから、「最後の曲」としたのではないかとの推測。MOTTOが理解されていなかったんですね。

▼今回の練習曲は次の通り(●新登場)

<井上さん>

●ああ人生に涙あり  木下忠司/Dal Green

○Nutcracker Suite Ⅳ.Trepak  P.Tchaikovsky/Joh.B.Kok

○マンドリンオーケストラの為の4章  水野真人

  Ⅰ.行進曲

●マンドリンオーケストラの為の4章  水野真人

  Ⅳ.アレグロ

<土谷さん>

○CARE MEMORIE  Giuseppe Filippa/中野二郎

  (懐かしき追憶)

  VALZER

○Cavalleria rusticana P.Mascani/G.F.Poli

  Preludio e Siciliana

  Serenata Campestre

●Quartet in A minor  Franz Schubert/Chikara TAJABI

 Rosamunde Ⅰ

●Carnevale di Venizia  Carlo Munier/中野二郎

  ヴェニスの謝肉祭

  Fantasia Variata

<田中さん>

●MATTINATA  A.Amadei

  マティナータ(朝の歌)

●Rêverie de Poète   Giuseppe Manente

○SUI NOSTRI MONTI  D.De GIOVANNI/中野二郎

  我が懐かしき山々に

●Sulla piana della Melia  Giuseppe Manente

  Ouverture

※次回10月4日の練習場所は、「なら100年会館小ホール」なのでお間違いなく。

以上

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2020.9.6.練習記録

2020年09月07日 | 練習記録

コロナ体制下、今回の練習は前回よりも6名増え35名の参加でした。気候もよくなり、コロナ禍も多少収まってくると、もう少し増えるでしょうから、制限人数の少ない学園前での練習はむつかしいかな? しばらくは、生駒図書館が続きそうですね。

今回の指揮は、予告通り、トーチャン様とTG様のお二人。時間がたっぷりあるため、お二方とも「濃い曲」を準備していると前日に予告。なんだろ?ドキドキ

トーチャン様は「懐かしき追憶」でした。大学時代大好きだった曲とか、約50年ぶりのようです。257小節目のアクセント、トーチャン様曰く「世の中で一番好きなアクセント」と絶賛、「綺麗な、綺麗な、綺麗なお姉さんが跳ねるように・・・弾いて」との強いご指示でしたね。生涯記憶に残りそう・・・(笑)

中野先生の曲目解説によると、吹奏楽の原曲はG.Filippaの初期の作品で1898年の出版。5つのワルツにそれぞれの美しさがあり旋律が魅惑的と。作者との関連性はわからないが、カロリーナ・プリオーラ嬢に捧げられたワルツのようです。きっと綺麗だったんでしょうね。次回のトーチャン様は、高校時代に大好きだった曲を準備されるようですよ。

TG様は、まずはラッタの「英雄葬送曲」で、確かに濃い!! 過去に演奏経験はあるものの、今回も音符密集地帯は見てるだけでしたが、ほんとに名曲ですね。在伊中の岡村光玉さんが、知人のボッチ氏からコピーをいただいて、日本に初めて持ち込んだという曲で、初演は同志社の1975年名古屋公演。

中野先生によると、この曲は、第二次世界大戦の最中の1941年のイタリア・シエナでの作曲コンクールに2等で入選した作品で、戦時中とあって、楽譜は出版できる状況になく眠っていたようです。リビアのトブルクの陥落に寄せた悲壮な挽歌で、トブルクは独伊軍と英米仏の連合軍の激戦地、トブルクの陥落はイタリア軍の大きな痛手だったようです。

また、石村隆行氏によると、「英雄葬送曲」の楽譜はパート譜だけが本邦に伝わっているが全ては揃っていないようで、第2マンドリンAとマンドロンチェロBは確実に欠落、また、クァルティーノとマンドラコントラルトも欠けている可能性が極めて高いとか。イタリアのラッタご遺族を訪ねて調べることができればねぇ・・・

続いては「蟋蟀の恋」。コオロギの出会い、メスコオロギを誘惑するセレナーデ、そして愛の告白、ハッピーエンドの結婚のガボットという構成。コオロギの気持ちはわかりませんが、久しぶりに恋する気持ちを持ってみたいもの(笑)。

続いては「我が懐かしき山々に」。これもちょっと恋、いやいや濃い作品。TG様が学生時代1966年3月17日の吹雪の中の札幌公演で、タクトを振られたとか。同じ指揮台で1ケ月後にはカラヤンがタクトを振っていたと、カラヤンの先を行くことができご満悦。

IBMの一歩前を行くHALのような心境でしょうか? ともあれ、TG様にとっては思い出のある作品のようです。

編曲者・中野先生によると、原曲にも、主体の吹奏楽にマンドリンとギターが加わっている。これは、作者デ・ジョヴァンニが、マンドリンとギターに愛着を持っていたことと、当時流行っていたことによるものだろうと。マンドリンの独奏の部分は、調は異なっているものの、原曲そのままのようです。

この曲も高齢者にはちょっと手ごわい作品ですね。練習せねば・・

ということで、今回の新登場は4曲でしたね。

今回の練習曲は次の通り(●新登場)

<土谷さん>

○TEMA CON VARIAZIONI  G.Sirlen Milanesi

○Cavalleria rusticana P.Mascani/G.F.Poli

  Preludio e Siciliana

 Serenata Campestre

●CARE MEMORIE  Giuseppe Filippa/中野二郎

  (懐かしき追憶)

  VALZER

<田中さん>

●Epicedio Eroico  Carlo Otello Ratta

●組曲・蟋蟀の恋  Nino Alessio/中野二郎

●SUI NOSTRI MONTI  D.De GIOVANNI/中野二郎

 我が懐かしき山々に

○OUVERTURE DRAMTIQUE  Arrigo Cappeletti

以上

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