さくらんぼ

さくらんぼ

今はさくらんぼが筍な果物。
商店街の激安フルーツ店でも安く出回ってる。

”さくらんぼ”で思いつくのは、EGO -WRAPPIN'の”くちばしにチェリー”。いかしたナンバーだ。

それでは小姓の”さくらんぼ”を。。。

さくらんぼ

あなたを思うとき
ぼくのあたまの中で
さくらんぼが揺れる

時々、空から落ちて
ぼくのくちびるの上で
さくらんぼははねる

ぼくは
そのつややかな皮膚に
歯型をつけ
ゆっくりと咀嚼する

さくらんぼは
甘酸っぱい
希薄な液体を滴らせ
硬いれもんでできた
ぼくの心臓に沁みて
溶けていく

ぼくは
空にうかぶさくらんぼを
水に沈めて
ぼくの呼吸は
一体どれくらい
止まったままでいられるのか
数を数えはじめる

（「屋上の幻想」に収録）

後記
散髪に行った。あまりにも髪が伸びすぎて、髪を洗っている時、まるで茹でたそうめんを水で洗っているように思えたからだ。早く気づけよっ！と自分でツッコミを入れてみる。みたいな。。。

続後記
激安フルーツ店で、びわを購入。味を忘れてしまうぐらい久しく食べてなかった。格別おいしかった訳ではないが、果物を懐かしむとは、何とも風流ではないか。。。