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怒りの残業170時間 episode 4

2011-05-01 02:22:51 | 日記
怒りの残業170時間 episode 4

アメリカの技術者が支援にやってきた。

UCLA大学出身で大学では日本語を習っていて、ほんの少しなら日本語が話せる。とても格好が良く、庶務担の女性の間でうわさになっていた。ベジタリアンで食事は少し難儀したが、宮崎駿のアニメが好きだと言っていた。

しかし、こいつが全然使いものにならなかった。まず出社するやいなやガールブレンドと長電話。障害調査も一向に進まず、夜の10時頃まで働かせるな否や、次の日は午後から出社し、”僕にはこうなるのが分かっていた”と言い訳を言う。泣いたような腫れた目をしながら、仕事をしていた。

上長と相談し、もうほっとけ、という話になった。最初の来日で、さぞかし期待をもっていただろう。申し訳ないと思ったが、ここはアニメの世界ではなく、戦場なのだ。悪いがすぐさま帰国させた。

その後、向うの会社の取り締まり役から電話があった。彼も少し日本語が話せる。私を気遣って”Are you all right?”と言ってくれた。もう半分頭がおかしくなった私は、”I'm OK. I'm safe. Because I'm alive.” と言って自嘲気味に笑いながら、まるで戦場にいるかのような返答をした。彼は日本語でねぎらってくれた。

上長は、徹夜もいとわず、屈強でタフな技術者を依頼したらしい。今度は、その取締役とともに大リーガーのような大男を連れてきた。しかし結局は頼りにはならなかった。

しかし、まあ、さぞかし日本人はcrazyだと思ったことだろう。
コメント
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