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懐かしの映画「風と共に去りぬGone with the wind」1939年アメリカで公開

2023-03-05 09:44:38 | 映画
 1861年から1865年まで続いた南北戦争の真っただ中、ジョージア州のタラで大きなプランテーションの娘スカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)がたどる苦難と希望を描く。

 今どきの映画と違って、オープニングはタイトルやスタッフ、出演者の字幕が流れる。それが終わるころ「貴族社会と綿花栽培に象徴される古き良き南部で、紳士と淑女、主人と奴隷の世界が終ろうとしていた。もはや物語にしか見いだせない遠い夢の世界、その世界は風と共に去りぬ」のテロップ。
 風は南北戦争を意味し、南部の敗戦とともに旧来の制度は無くなったのだ。南北戦争は奴隷解放の戦争でもあった。この時の大統領はエイブラハム・リンカーン、共和党だった。

 主役のスカーレット・オハラは、独善的で自己主張が強く感情をすぐに爆発させる。芯は強いものを持っていて目を見張る美人。男からちやほやされて育った令嬢。戦争は人々の心を荒廃させ苦難のどん底に落とし込む災厄なのだ。それを身をもって体験するスカーレット・オハラ。

 彼女には一途に想う人がいた。それは幼馴染のアシュレー・ウィルクス(レスリー・ハワード)。アシュレーへの想いは。アシュレーの妻メラニー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)の死後まで続く。しかし、別の男レット・バトラー(クラーク・ゲーブル)の存在も気になるものの一つだ。

 レット・バトラーもサウスカロライナ州チャールストンの貴族階級の出自ではあるが、奔放な性格とともに機を見る目を持つ精力的な男なのだ。私はこの映画を最初に見たとき、クラーク・ゲーブルのあのちょび髭のにやけた表情が好きになれなかった。そして後年、東京の地下鉄丸ノ内線車内で色の浅黒いクラーク・ゲーブルそっくりな男を見た。この男にはちょび髭はなかったが、ハンサムな男だなと思った。クラーク・ゲーブルはハンサムなんだ。そんな経緯があって、今回この映画を観ても違和感を覚えなかった。

 むしろ、スカーレットがアシュレーの本当の気持ち、「心から愛しているのは、妻メラニーなんだ」の言葉をようやく受け入れ、レットを愛していることにも目覚める。しかし、時は遅かった。レットは部屋で自分の衣類をカバンに詰めていた。「別れる」という。レットの決断をうながしたのが、スカーレットがいまだにアシュレーの写真を持っていたためだ。スカーレットの「愛している。お願い、留まって!」の言葉も空しく響くだけだった。玄関ドアで「残された私はどこへ行けばいいの?」とスカーレット。レット・バトラーは「俺には関係ない」と冷たく言い放つ。そして霧の中へと去っていく。この場面を観ながら(それでいいんだ。スカーレットの悲嘆にくれる演技や悲しみの演技に付き合う必要もないよ。自分の人生を歩んだ方がいいと快哉した)と思ったものだ。

 しかし、スカーレットはしたたかなのだ。これからの人生を考える。はたと気がついたのは、タラ! 私のふるさと。彼を取り戻す方法はタラに戻ってから考えよう。明日には明日の新しい風が吹くわ。そしてTHE END。

 ヴィヴィアン・リーが随一の美人というけれど、この映画の出演女優はみんな美人だ。この頃は、女優は美人でなくてはならなかったのだろう。今の女優を見ているとハッとするような美人女優は少ない気がする。演技中心の雰囲気か。

 この映画で最も印象に残ったのが、南軍の劣勢の中、アトランタで出産を終えたメラニーと子供、それにスカーレットと下女、レット・バトラーが馬車を操る。アトランタを脱出する燃える大きな家屋が倒壊する前を馬車に乗って通過する場面だ。一幅の絵のような気がした。それにテーマ曲「タラのテーマ」

 この映画には多くのエピソードが見られる。いくつかウィキペディアから拾ってみよう。
(1)日本での公開 1952年9月4日公開され大ヒットした。戦火に焼けただれたタラの農場で力強く立ち上がって行くヒロイン、スカーレットの姿に、戦争に打ちのめされながらも復興に生きた当時の日本人は目の覚めるような感銘を受けたとある。

(2)アメリカで有名なセリフは、ラストシーンでレットが去り際に吐く捨てゼリフである。スカーレットに「あなたが行ってしまったら、私はどこで何をすればいいの?」と聞かれたレットは、「Frankly, my dear, I don't give a damn.(率直に言おう。知ったこっちゃない)」と振り向きざまに言う。英語の「damn」は本来、強い罵倒語であることから製作当時は映画において禁止用語とされ、使うべきではない言葉と考えられていた。セルズニックはアメリカ映画協会に5000ドルの制裁金を払って使用を認められた。2005年、逆にアメリカ映画協会はこれを「アメリカ映画の名セリフベスト100」の第1位に選んでいる。

(3)インフレを調整した歴代の興行収入では、2020年現在でも『風と共に去りぬ』が1位である。

(4)第12回アカデミー賞
作品賞:風と共に去りぬ
監督賞:ヴィクター・フレミング
主演女優賞:ヴィヴィアン・リー
助演女優賞:ハティ・マクダニエル
脚色賞:シドニー・ハワード
撮影賞(カラー):アーネスト・ホーラー、レイ・レナハン
室内装置賞(美術賞):ライル・ウィーラー
編集賞:ハル・C・カーン、ジェームズ・E・ニューカム
特別賞:ウィリアム・キャメロン・メンジース(劇的な色彩の使用に対して)
技術成果賞:R・D・マスグレイヴ(風と共に去りぬの制作における調整された機器の使用の先駆者のために)
ノミネート
主演男優賞:クラーク・ゲイブル
助演女優賞:オリヴィア・デ・ハヴィランド
作曲賞:マックス・スタイナー
特殊効果賞(視覚効果賞):ジャック・コスグローヴ、フレッド・アルビン、アーサー・ジョンズ
音響賞:トーマス・T・モールトン


それではテーマ曲「タラのテーマ」を聴きましょう。
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