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読書「死亡告示TROUBLE IN MIND」ジェフリー・ディーヴァー著 文春文庫2022年刊

2024-04-04 15:45:33 | 読書
 ニューヨーク市警刑事課のジミー・マロイ巡査部長の趣味は読書、ジャンルは問わないが特に好むのはミステリーなのだ。考え抜かれた筋書き、スピードのある展開、ユーモアや気の利いた比喩それに何らかの目新しい発見、例えばスターバックスの名前の由来とかがあれば仕事を忘れ、妻や娘とのいさかい、住宅ローンの返済を忘れさせてくれる。

 ちなみにスターバックスの名前の由来は、メルヴィルの小説「白鯨」に登場するコーヒー好きの航海士「スターバック(Starbuck)」と、シアトルの南西部に位置するレーニア山の鉱石採掘場「スターボ(Starbo)」から名付けられたといわれる。

 さらに「左右非対称の笑顔」という文体に戸惑うことも愛嬌の一つと言って喜ぶ。ところで、この左右非対称はやや病的な意味が含まれるので、非対称の笑顔が想像すらできない。

 この本には短編が6篇編纂されていて、どれも読みごたえのあるものだった。中編とも言うべき「永遠」と名づけられた物語が秀逸だった。、理数系の若手刑事タル・シムズとベテランの刑事グレッグ・ラトゥールの相補うコンビとタルが心を奪われる看護師のクレア・マカフリーとのハッピーエンドも心に残るものだった。

 ニューヨーク州ウェストブルック郡は、大きな台形の中に優雅な郊外とみすぼらしい郊外、たくさんの公園、企業本社、各種小売業者を詰め込んだような都市だ。住民の大半は南へ数キロ下ったマンハッタンに通勤して生活している。その人口90万のウェストブルック郡にも殺人事件、レイプ事件強盗事件等々の発生は見られる。

 そのウェストブルック郡の高級住宅地の一つグリーリーで、9億円から10億円もする邸宅で高齢夫妻の銃による心中事件が発生する。

 ニューヨーク州ハミルトン、ウィエストブルック郡の中でマンハッタンに一番近い高級住宅地で銀行家や弁護士が目立つ。ハミルトンでもとりわけ大きな屋敷が並ぶモントゴメリー・ウェイに退職した夫婦が住んでいた。床面積600平方メートル(181.5坪)の住宅のガレージで一酸化炭素による自殺体で見つかった。この二つの心中事件から、背後にある詐欺事件を突きとめるのは理系刑事タルなのだ。なかなか楽しい読み物だった。

 この物語に適切な音楽は何か? 多分これがいいかも。「You don't know me私のことを知らないくせに」マイケル・ブーブレでどうぞ!
You give your hand to me
Then you say hello
I can hardly speak
My heart is beating so
And anyone can tell
You think you know me well
But you don't know me

No, you don't know the one
Who dreams of you at night
And longs to kiss your lips
And longs to hold you tight
Oh I'm just a friend
That's all I've ever been
'Cause you don't know me

I never knew
The art of making love
Though my heart aches
With love for you
Afraid and shy
I've let my chance to go by
The chance that you might
Love me, too

You give your hand to me
And then you say good-bye
I watch you walk away
Beside the lucky guy
You'll never never know
The one who loves you so
Well, you don't know me



あなたは私に手を差し出す
そしてハローという
私はほとんど話すことができない
心臓がドキドキして
そして誰でもわかる
あなたは私をよく知っていると思っている
でも、あなたは私を知らない

いいえ、あなたは知らない
夜、あなたの夢を見る
あなたの唇にキスしたくて
あなたを強く抱きしめたい
私はただの友達
それが私のすべて
あなたは私を知らない

私は知らなかった
愛し合う術を
胸が痛むけれど

怖くて、恥ずかしくて
チャンスを逃してしまった
あなたが
私を愛してくれるかもしれない

手を差し伸べて
そしてさよならを言う
あなたが立ち去るのを見送る
幸運な男の横で
あなたは決して知ることはない
あなたを愛している人
あなたは私を知らない

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