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懐かしの映画「哀愁Waterloo Bridge」1940年公開のラブロマンス

2023-03-02 11:22:54 | 映画
 アメリカでは1940年に公開されているが、日本では1949年。太平洋戦争が終わったのが1945年、当然それまではアメリカ映画を観ることはできなかった。国民が政治に関心を寄せなくする愚民政策3S(スリー・エス)を戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が行ったことで(行ったと言われている)大量のアメリカ映画が入ってきた。3Sつまり(screen,sport,sex)のもとアメリカ映画やアメリカ音楽が怒涛のように押し寄せてきた。私なんかまだティーンエイジャーだったから、西部劇ばかり観ていた。

 この映画、劇場で観たのか、テレビの再放送で観たのか記憶が定かでない。ウォータールー橋のロバート・テイラーとこの当時、随一の美貌の女優ヴィヴィアン・リーをかすかに思い出す程度だ。ヴィヴィアン・リーは「私は女優ではない。女優とは美貌を売り物にしている者で、私は舞台俳優だ」と言ったとか。それでも気になる映画の一つだ。

 第一次世界大戦下のイギリス陸軍の将校ロバート・テイラーとバレリーナのヴィヴィアン・リーの悲恋物語。ウォータールー橋を渡っているときに空襲警報が鳴り響く。サーチライト群が夜空に数条の光を投げる。バレリーナの一団が声をかけてきた。「どちらに行けばいいの?」ロイ・クローニン大尉(ロバート・テイラー)は、地下へ行こう。一団が動き出したとき、バレリーナのマイラ・レスター(ヴィヴィアン・リー)が手提げ袋を落として中身が飛び出る。拾い集めるロイとマイラ。

 地下では必然的に群衆の中で二人だけになる。べらべらとよく喋るロイ大尉、しかも人でうずまる地下でタバコを吸う。今では考えられない喫煙者。それはともかく、マイラの舞台を観たり、ナイトクラブで蛍の光が流れる中、一本一本ローソクの炎が消されていく。最後の一本が消されたとき、ロイとマイラの熱き口づけ。といっても当時のキスシーンは、子供だましの感あり。バレー団の掟では、恋愛はご法度。マイラの親友キティが強烈な反論をしたため、ともにクビになる。

 戦時下の職探しは難しい。ましてやバレリーナとなれば実利的ではない。貯えも底をつきつつあって、キティに尋ねた。つまり家賃や生活費をどのようにしているのか。キティは口ごもりながら、身を売っていると打ち明ける。

 マイラのショックは大きかった。 が、それ以上に大きかったのは、恋人ロイの母親とレストランで待ち合わせているとき、何気ないく見た新聞の戦死者欄に、ロイ・クローニンという名前があったことだ。生活が苦しい中、生涯の柱であったロイの死亡は、マイラをどん底に突き落とした。ロイをしのんで思い出のウォータールー橋にたたずむ。

 声をかけてきた男に応える。キティと同様、娼婦に身を落とした。商売は鉄道駅だ。肌もあらわな商売用の服装で、終戦のために続々と兵隊たちが帰還してくるのを眺める。その集団の中に、ロイ・クローニン大尉もいた。

 先に気がついたのはロイ大尉だった。嬉しい二人の再会。ロイは性急で「結婚しよう」。結婚式はロイの実家。馬車から見る家屋は、何部屋もある豪壮な邸宅。ロイの父親、母親、何人もの使用人に挨拶。しかし、マイラはこの家庭の重圧を感じ始める。もともと律儀で嘘のいえない性格は、結婚をあきらめる方向へ流れていく。マイラはロイの母親マーガレットに打ち明ける。マーガレットは動じなかった。「明日の朝、もう一度話し合おう。気にしなくてもいい」と温かい言葉も。

 しかし、マイラは手紙を書いた。「この感謝の気持ちは、うまく表現できません。しかし、私たちには未来は存在しません。これ以上書けません――――さよなら、マイラ」をロイ宛に残しロンドンに帰ってしまう。

 どうして未来がないのか、なぜ帰るのか、ロイには見当もつかない。探し出して聞かねばならない。ロイはロンドンのアパートへ行く。勿論マイラはいない。親友のキティもマイラが戻ったのを知らない。キティの協力で心当たりを当ってみる。場末の酒場や、いかがわしいダンスホール、そしてウォータールー駅など、ロイはマイラの身に何が起きていたかをようやく理解し、マイラがもう二度と自分の前に現れないことを悟る。

 傷心のマイラが選んだのは、思い出のウォータールー橋にたたずみ回想を重ねるが心は晴れない。おびただしい軍用車の通過、ヘッドライトが何をささやくのか、マイラは突然身をひるがえして車列に飛び込む。

 1939年9月3日、第二次世界大戦序盤の英独開戦の日。イギリスがドイツへ宣戦布告し、ロイ・クローニン大佐はフランスへ赴くことになる。その途中、ウォータールー橋にたたずみマイラからもらったお守りビリケン人形をそっとなでる。心から愛した女性マイラの忘れえぬ面影をしのぶ。

 白黒映画の追想形式でマーヴィン・ルロイが監督。ロバート・テイラーとヴィヴィアン・リーの美男美女の共演で、またテイラーもリーも自身の出演作の中で一番好きな作品は『哀愁』と答えたという。特に日本では戦後公開され、大ヒットを記録、日本映画界にも大きな影響を与え、『また逢う日まで』や『君の名は』といったメロドラマの傑作を誕生させるきっかけとなった。(ウィキペディア)

ヴィヴィアン・リー(1913年11月5日 – 1967年7月8日)は、イギリスの女優。1939年の映画『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラ役と1951年の映画『欲望という名の電車』のブランチ・デュボワ役でアカデミー主演女優賞を受賞した。

ロバート・テイラー( 1911年8月5日 – 1969年6月8日)はアメリカの俳優。ネブラスカ州フィリー出身。

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