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映画「ザ・タウンThe Town’01」劇場公開2011年2月

2012-12-22 10:03:29 | 映画

                
 ザ・タウンというのは、ボストンのチャールズ・タウンのこと。この街で銀行強盗は職業のように父から子へ受け継がれる――FBI捜査官の言。

 ダグ(ベン・アフレック)もこのタウンで生まれ育った一人だった。今日も仲間と共に地下鉄駅「ハーバード」に近い銀行をどくろの仮面をかぶって襲った。
 若い女性支店長クレア(レベッカ・ホール)を人質に逃走。海岸近くで解放した。クレアには目隠しを、強盗団には仮面。素顔を見られる危険はない。しかし、FBIに事情を聴取されている以上彼女を見張る必要があった。

 その見張り役をジェム(ジェレミー・レナー)が引き受けるというが、この男、直情的なところがあって後先考えずに行動を起こす恐れがある。クレアに不審を抱けばすぐ殺しかねない。殺しだけは避けたいと思うダグは、自身がその見張り役をすると宣言する。

 彼女がコインランドリーに入ったのを見届けてゆっくりと入っていった。彼女から見えるところに座って新聞を読む。
「小銭持ってない? 両替機が故障してるの」顔を上げるとクレアだった。
「生憎持ってないよ」
「そう、じゃあ部屋で干すわ」

 この出会いで二人は親密になっていく。強盗稼業のアクションと普通の男を装う男と女のラブ・ロマンスが並行する。ダグには花屋のあるじが仕切る強盗を請け負わざるを得ないしがらみがあって、なかなかこの稼業から抜け出せないでいる。ダグにはこの街を出て普通の生活を夢見ているふしがある。

 そこへクレアとの出会い。ダグには心底クレアと生涯を共にしたいという思いが募る。そんな時花屋のおやじから強制されたのは、大リーグボストン・レッド・ソックスのホーム球場フェンウェイ・パークの売上金350万ドル強奪だった。

 FBIのSWATチームと壮絶な銃撃戦の末、生き残ったダグはクレアに電話をかける。それもクレアの部屋を双眼鏡で監視しながら。やっぱりFBIが後ろで待機していた。
「これまでのすべてを謝るよ。悪かった。1時間後に行く」と言って電話を切った。ダグは遂に現れなかった。FBIに「くそ食らえ!」というメモを残して。

 クレアは、趣味の園芸畑でボストンバッグを掘り出した。そこには大金とオレンジとメモが入っていた。
“クレア これを受け取ってくれ 君なら有効に使える。これを読む頃、俺は遠くへ……計画とは違ったが、俺は生まれて初めてこの街を出る。これでやっと過去から訣別できる。人生を変えようとも罪は消せない。俺の行く道は長い。でも、いつか会える。ここかあの世で……”
 フロリダの静かな風景を眺めるダグ。クロージングは、ベン・アフレックがいい格好しているようにも見える。

 どちらかというとラブ・ロマンスを重視しているように見えた。ベンの仲間を演じたジェレミー・レナーの存在感は強い印象を残す。むしろベン・アフレックを食っているのではないだろうか。
 それにベン・アフレックの口調が弟のケイシー・アフレックとよく似ているのはボストン訛りだと気づいた。あまり口をあけずに喋る。二人はカリフォルニア生まれ、ボストン育ちだから。
           
           
           
           
           
           

監督
ベン・アフレック1972年8月カリフォルニア州バークレー生まれ。’02「ゴーン・ベイビー・ゴーン(未公開)」以来2作目の監督作品。

キャスト
ベン・アフレック 
レベッカ・ホール1982年5月イギリス、ロンドン生まれ。
ジェレミー・レナー1971年1月カリフォルニア州モデスト生まれ。’09「ハートロッカー」で全米批評家協会主演男優賞に輝き、さらにアカデミー主演男優賞にノミネートされた。
ジョン・ハム 
クリス・クーパー1951年7月ミズーリ州カンザスシティ生まれ。’02「アダプテーション」でアカデミー助演男優賞を受賞。

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