裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

続・重力波の説明です

2017年10月05日 09時20分11秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
質量を持つものの周囲の時空はゆがむ。
つまり、物体があると、その周りの空間はぐにゃっと曲がるのだ。
物体が大きければ大きいほど、空間は大きくねじ曲げられる。
その「幻想の地点」から「本来あるべき地点」への最短距離の加速度・・・が重力の正体ってわけなんだった。
ま、それはざっくりと理解してもらって、要するに、質量の大きなものの周囲は、時空が大きくゆがんでる。
あっちの方でゆがんだ時空は、こっちにまで伝わってきて、今この場所もちょっとだけゆがめられる。
時空はどこまでも、一枚のマットとしてつながってるからね。
ちょうど、対岸で石を落とすと波が立ち、こっち岸まで伝わってくるのと同じだ。
その波=重力波を検出しよう、って試みが、ついに成功したわけなんだった。
検出されたのは、ブラックホールふたつがぐるぐる回ってるという、世にも邪悪な天体が放つ重力波。
ブラックホールは、かつて超巨大な天体だったほどのものすごいものすごい質量を限りなく小さな一点に集めました!って特異点だから、そいつがふたつダンスをしてるとなると、その重力(時空のゆがみ)たるやすさまじいものだ。
そいつが宇宙空間を伝わって伝わって、ついに地球にまでたどり着いたやつを、アメリカのチームが拾ったわけだね。
さて、話は戻るが。
人類は天体望遠鏡をのぞき込んで、どこまでもどこまでも遠い天体を観測したいんだった。
138億年先を見てみる。
前編で説明した通り、宇宙開びゃく後の最初の37万年間は、煮えたぎった鍋状態にあったせいで、いかなる波も独立選別して抽出することができない。
ところが、ここに「重力波」という新しい波の概念が現れた。
みんな、ビッグバンがどんなものか知ってるよね?
現在のこの宇宙に散らかされてる物質を、瞬きする間にいっせいにバラまいた、あの事件だ。
そいつを逆再生すると、ビッグバンというのはすなわち、考えうる限りに最大の質量を一点に凝縮した状態、ってことになる。
空間のゆがみ(重力)もすごいだろう。
そいつを検出できないわけがない。
すでに、その手のものを検出した例もある。
ビッグバンが吐き出したすさまじい光は、現在もこの宇宙空間に一様に「波」としてひろがってるのだ。
その「宇宙マイクロ波背景放射」をつかまえたおかげで、ビッグバンの存在は現実のものと認定されたんだから。
ビッグバンの瞬間の重力波をつかまえたら、この世界の誕生の瞬間がどんなだったか、わかるかもね。
それは本当に、「世界のはじまりを見る」ってことなんだった。

おしまい

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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