裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

村上春樹

2009年02月23日 20時03分02秒 | Weblog
村上春樹さんが、イスラエルの文学賞「エルサレム賞」をもらったときのスピーチが、各方面から賞賛の声をもって迎えられてます。
パレスチナ・ガザ地区の人々(弱者)を「卵」、イスラエルの圧倒的な軍事力を「壁」に例えて、武力による抑圧を非難したものです。
この勇気と行動力は、ぼくも買いたいです。
「賞という栄誉をいただくことにより、イスラエルの側につく人間だと思われたくなかった」「賞を拒絶して沈黙するよりも、むしろ乗り込んで、積極的に発言していこうと思った」という態度もリッパ。
しかしスピーチ自体が、どうもぼくには納得いきません。
まず、両国(国と組織、か?)を卵と壁に例えたレトリックが、あまり効果的でない。
というよりも、例えが的確でない。
かゆいところに手が届いてない。
つまり、何言ってんだかよくわかんない。
ノーベル賞にノミネートされるひとの表現としては、少々浅い。
もう少ししっくりとくる、ひねりとスパイスの利いた、知性的で、聴く者の感性に訴える言葉は見つからなかったものか?
さらにぼくがヘンだと思うのは、その後に続く「私はなにがあろうと卵の側につく。たとえどれほど壁が正しく、卵が間違っていたとしても」という部分です。
そんなわけはないと思うなー・・・
正しい方につくべきでしょう。
メッセージの前半部分を百歩ゆずって理解したとしても、この部分がどうにも納得いかなくて、困惑は深まるばかりです。
もっと素直なレトリックを使ってくれたらいいのに。
彼はすばらしい意見を世界に向けて発信しようとしたのですが、どうもそのメッセージがいまいちメディアに乗り切れてないのは、このへんの「煮詰めすぎ的消化不良」に原因があるんじゃないかと思いますね。
惜しい・・・
いいこと言おうとしたのに、返す返すも惜しい・・・

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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