内と外

中性よりの人間から見える世界から
「境界線」の性質を探ります

ITをスピードと捉える愚かさ

2020-05-09 23:20:01 | ビジネス境界線
コロナのような異例自体になると
色々なところで
道端で広げられる愚痴レベルの
世間の考えをここぞとばかりに
メディアも取り上げ
是正のチャンスだと捲し立てる


日本行政のアナログが時代錯誤である
申請に対しての遅さは
it導入の遅れにある今こそ推進だ

「申請処理の遅さ」
「IT導入の遅れ」
こういう問題自体があることは
間違いない

ただその原因を
謎の「IT化」という言葉に
全て押し付けて考えてしまっている
ことは本質からずれている

批難の対象側も無知であるけども
非難をしている側も無知だということ
適当なことをわーわー言っているだけ


「アナログをデジタルに変えること」
の現場で起こる問題を知らないからだ


行政の処理の遅さの理由は
一言で言えば
「官僚制」
「文書主義」
にある

このメリットは
事実を残せる(自分達にとっての事実)
稟議により精度と納得感が得られる

デメリットは
スピードが遅い
変化への対応力が弱い
職務外を含めた総合的な判断力が皆無


こういう組織にITを導入するのは
デジタルのメリットがなかなか生きず
トータルで考えるとデメリットに
呑み込まれる事はよく起こる


では官僚制も文書主義も
やめちまえと
その日を生きるタイプの
柔らかい世界で生きている人は
そう思うと思うが

一人の人間
一つの組織
の主義主張を
永続的に維持したいときには

こういった仕組みやルールは強い

だから国家や大企業では
採用されているのである



デジタルのメリット得意分野は
一人の人間の
「考える速度」や「処理量」を
単純に置き換えることである

もうひとつは「情報の共有」である


ここに圧倒的な効率化やスピードが
生まれるのであって

官僚制にitを導入したところで
デメリットである処理の遅さの根本の
稟議はなくならないし
紙に印刷して保存
データの時系列保存もなくならない

むしろ
デジタル的な処理と
文書主義的な処理を
同時並行させる必要があるため
現場の人間はどちらの視点ももって
うまく調整する能力や必要となるし
その調整に時間がかかるのも
否定できない事実である


最近よく感じることだが
デジタルのみで育った脳みその人は
アナログ方法のメリット
「記録を残す理由」
「人間の納得感や連帯感(内部統制)」
こういう視点が抜け落ちている意見を
よく目にする

担当者がうっかり一人で個人情報を
間違って行政HPで公開してしまった

なんていう事件はまさに
この視点が抜け落ちている人間が
現場でデジタルの仕事をしている
ということである



いくらスピードを早めるという
共通目標があっても
公の信用や永続維持という使命を
犠牲にすることは
絶対にあってはならない


正しい優先順位の共通理解さえあれば
批判される側も批判する側も
より正しいバランスへ自然に
落ち着くはずである