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モバライダー mobarider

太陽系ができた頃に、すぐ近くで超新星爆発はなかった?

2012年12月25日 | 宇宙 space
シカゴ大学の研究チームが、隕石に含まれる鉄の同位体を精密に測定したところ、その量が考えられていたよりも少ないことが分かりました。

同位体とは、中性子の数の違いにより、質量などが異なる原子のことです。
今回の調査で対象となった“60Fe”は、超新星爆発でしか作られない鉄の放射性同位体なんですねー

この“60Fe”は、これまで隕石に多く含まれるとされていました。
なので、太陽系ができた頃に、すぐ近くで超新星爆発が起こった証拠と考えられていたんですねー





太陽系が生まれた45億年前は
どのような環境だったのか?
赤外線天文衛星“スピッツァー”が
とらえた、へび座の星形成領域



でも、研究チームが不純物を取り除いて、より正確な分析を行ったところ、実は“60Fe”の割合が低いことが分かりました。

また、“60Fe”と同様の分布を示す“58Fe”の分布を調べたところ、多くの隕石サンプルに同程度含まれていました。
このことから、“60Fe”が太陽系に平均に分布していたことも分かったんですねー

“60Fe”の比率が意外に低かったということは、その由来は太陽系形成期の超新星ではなく、そのずっと以前から星間物質として、まばらに漂っていたものということになります。

でも、ここでもう1つ疑問が残るんですねー
やはり、超新星爆発の痕跡とされる“26Al(アルミニウム)”の比率が高いことです。

これについては、太陽の20倍以上の質量の恒星が、そのガスの外層を吹き出した“恒星風”のものであるという説が出ています。
これなら、“60Fe”は恒星内部に留まり、まき散らされることがないので、分析結果とつじつまが合います。

今後、太陽系の起源と形成のシナリオを探るうえで、今回の研究成果が重要になるようですよ。


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