宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

NASAの新宇宙船オリオン、試験機は12月に打ち上げ

2014年09月22日 | スペースシャトル ~ SLS, オリオン
今年12月に実施予定のEFT-1ミッションで使用される、
オリオン宇宙船の試験機が公開されました。
オリオンは現在NASAとロッキード・マーティン社が開発中の宇宙船で、
NASAの宇宙船としては、スペースシャトルの後継機にあたります。

ただ、地球の低軌道までにしか人を運べなかったスペースシャトルとは違い、
オリオンはアポロ宇宙船のように月へ、
そして、さらにその先の火星や小惑星にも人を運ぶことができる宇宙船として開発が進められています。

オリオンの最初のミッションは、探査飛行試験1(EFT-1)と名付けられていて、
大型の人工衛星の打ち上げに使われているデルタIVへビーロケットに、
無人のオリオンを搭載して打ち上げられることになります。

今回完成したオリオン試験機は、
ケネディ宇宙センターのペイロード・ハザーダス・サービシング施設に移され、
燃料の充填が行われた後、上から被せるような形で打ち上げ時の緊急脱出システムが取り付けられます。

それが終われば、いよいよデルタIVヘビーの上に搭載され、打ち上げです。
なお、ロケットはすでに到着していて、こちらも並行して準備作業が進められている段階なんですねー

EFT-1では打ち上げ後に、地球の軌道に乗り、まず地球低軌道を1周します。

その後、デルタIVの第2段エンジンを再点火し軌道の高度を上げることに…
約5800キロに達した後、地球の大気圏に向けて落ちていくことになります。

そして大気圏に再突入後、パラシュートを開いて太平洋上に着水し回収される予定です。


大気圏再突入時の速度は秒速約9キロにもなり、
耐熱シールドが受ける温度は摂氏約2200度に達するんだとか…

この試験により、オリオンの電子機器や耐熱システム、パラシュートなどが、
設計通りに機能するか確認するんですねー

ただ、EFT-1で使用されるオリオン試験機には太陽電池は搭載されず、
内蔵バッテリーでの駆動になるようです。

また、生命維持システムやスラスターなども搭載されず、
サービス・モジュール部は、実質的に形だけのものになっています。
このEFT-1が完了した後、
得られたデータから、さらにオリオンの開発が進められ、
2018年11月に探査ミッションEM-1が実施される予定です。

EM-1でもオリオンは無人なんですが、
打ち上げに使用されるロケットには、現在オリオンと並行して開発が進められている、
新型ロケットのスペース・ローンチ・システムが使われることになります。

EM-1では地球から月まで行き、
月の裏側を回って地球に帰還するルート(自由帰還軌道)での飛行が行われ、
オリオンの全システムと、スペース・ローンチ・システムの能力が試験されます。

そしてEFT-1とEM-1が無事に完了すれば、
いよいよ次はオリオンに宇宙飛行士を乗せた、有人飛行が行われるようですよ。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 超大型ロケット“スペース・ローンチ・システム”の開発が正式決定!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿