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全議案を全会一致で可決 宮代町議会6月定例議会閉会

2011年06月07日 18時50分59秒 | 宮代ニュース

宮代町議会6月定例議会は7日、執行部上程の8議案と、安全優先のエネルギー政策転換を求める意見書案1議案をすべて全会一致で可決および承認し、閉会した。

今回は、東日本大震災の復旧経費の専決の承認や補正可決が主な議題であった。

執行部上程議案の概要は次のとおり(いずれも反対はなく、可決・承認された)。

●議案第22号 専決処分の承認を求めることについて
 東北地方太平洋沖地震により、公共施設等に被害が生じたことから、この復旧に係る経費として平成22年度宮代町一般会計予算に1,175万円を追加し、総額を87億5,360万円とすることについて専決処分したもの。
●議案第23号 専決処分の承認を求めることについて
 東北地方太平洋沖地震により、下水道施設に被害が生じたことから、この復旧に係る経費として平成22年度宮代町公共下水道事業特別会計予算に550万円を追加し、総額を10億5,863万円とすることについて専決処分したもの。
●議案第24号 専決処分の承認を求めることについて
 地方税法の一部を改正する法律が平成23年4月27日に公布されたことに伴い、同日に宮代町税条例の一部を改正する条例を専決処分したもの。
●議案第25号 宮代町都市公園条例の一部を改正する条例について
 宮代町総合運動公園内のテニスコートを人工芝に改修するとともに、新たに夜間照明設備を設置することに伴い、条例の一部を改正するもの。
●議案第26号 財産の取得について
 町立図書館資料用ICタグを取得するため。
●議案第27号 平成23年度宮代町一般会計補正予算(第1号)について
 既定の予算額に、歳入歳出それぞれ4,305万2千円を追加して、予算の総額を90億5,985万2千円とするもの。
●議案第28号 平成23年度宮代町公共下水道事業特別会計補正予算(第1号)について
 既定の予算額に、歳入歳出それぞれ1,546万円を追加して、予算の総額を10億1,671万6千円とするもの。
●議案第29号 平成23年度宮代町介護保険特別会計補正予算(第1号)について
 既定の予算額に、歳入歳出それぞれ5,360万円を追加して、予算の総額を18億5,924万7千円とするもの。

 

【議会を傍聴して】

未曾有の被害をもたらした東日本大震災を受けて開かれた議会、一般質問でも震災関連の安心・安全への取り組みが議題となった。

宮代町は震度6弱という強い揺れにもかかわらず、死傷者ゼロ、火災発生なしということで、目だった被害はインフラや公共施設の一部損壊、民家は半壊認定2軒と多くは屋根瓦の損壊にとどまった。

宮代町では震災後逸早く、自主防災組織の力を借りながら、要援護者の安否確認と損壊家屋や施設の被害状況の調査を行い、インフラや公共施設については早急な修復が必要なものから修復を行なった。

6月議会では、そうした工事に当たって、予算流用で行なったものや専決で行なったもの、あるいは補正を組まざるを得ない案件などの、承認と議決が主な議題となった。

宮代町議会ではいずれも全員一致で承認および可決された。

「どさくさ紛れ」という言葉がある。皆が浮き足立ち、常態でないときこそ、冷静なチェックと検証が議会に課せられた責務である。

質議で「何箇所の工事が行なわれたのか」という質問があった。それに対する答弁は「今、手元に資料がないので正確には答えられない」というものであった。で、質問者は「では、資料をまとめて出してください」というのかと思ったら、そのままスルーした。本会議場以外の場所で説明されているのかも知れないが、・・・・。

一件一件の額は小さいかもしれないが、積みあがると大きくなる。予算内のやりくりでは処理できないから補正予算を組まざるを得ない。一つ一つをチェックし妥当であるかを判断するのが議会の役目のひとつとも思うのだが、大震災=復旧工事=ふくらむ予算という図式にとらわれて、ふくらみ具合にメスを入れない。

通常の予算執行においては、良し悪しは別として前例があるので、そこから大きく逸脱したものを中心にチェックを行なっていれば、という意識は理解できる。しかし、震災など突発時におけるそれは、すべてが一からであるはず。それが、何処までチェックできているのだろうかとの疑問は残った。

「そこは信頼関係だよ」というのであれば、議会の必要性はほとんどといっていいほどなくなる。

さらには、こうした場合、専決でどこまで許されるかの指針あるいは相互の了解ラインといったものの討議が期待されたが、わずかに一議員が質問しただけで終わってしまった。

今、宮代町は東洋大学のPPP研の答申を受けて公共施設の統廃合に向けた論議を進展させている。そうした中で、想定されている茨城県南部地震などによって、不幸にも被害を受けたとき、どの範囲で公共施設の復旧・回復を行なっていくのかの決断の仕方を執行と議会の間で討議あるいは無条件に容認する範囲・指針の論議を期待したが・・・。

震災など自然災害はいつ起こるかわからない。それだけに、今回の東日本大震災で得られた数々の課題を早急に検討し備えを整えることを期待したい。

ところで、今議会のもう一つの課題は福島原発の事故に対する対応問題。

住民はまず「宮代町は安全なのか」という素朴な疑問と少しでも安心を得たいという気持ちから「宮代町(本当は自宅付近)の放射線量を知りたい」として町に測定を求める。

埼玉県をはじめ、近隣市町でも測定や数値の発表が行なわれ、測定は一種の「流行(はやり)」となっている。

「流行」というと非難を受けそうだが、あえて「流行」という。

というのも、「測定」によって、何を得たいのかがはっきりしない中で「測定」を行なうことはほとんど意味を持たないと思う。

宮代町は当初「県が測定し、近隣の市町でも測定している。地理的条件など諸条件、あるいはこれまでの県や近隣の市町の測定結果をみるかぎり、県や近隣の測定結果を使わせてもらえば良い」との態度であった。しかし、「流行」に乗って、測定器の手当てを行い、導入が図られ次第、測定し数値を発表したいと、突然方針を変更した。

測定は、数値を求めることが目的ではない。その、出てきた数値をもとにどう対処するかを判断するために必要である。ところが、今回の数値測定は「対処」とセットになっていない。

県、および市町村レベルでこの対処を打ち出せるところは皆無といっていいだろう。国が早急に対処を打ち出すことが先決である。

今の状況を体温計に例えるとこういうことになる。

体温を測って、37度以上だったら注意して、38度以上だったら安静にして、39度以上だったら病院に行って、40度以上だったら即入院。個人的誤差は前後1度ーーという対処方が決まっていれば測定も意味がある。正確な体温を測るために精緻な体温計を求めるのも分かる。

だが、今の状況は何ミリシーベルトになったら警戒、何ミリシーベルトになったらこんな構造物の中に退避、何ミリシーベルトになったら他地区に避難という対処方が示されていない。測ったとしても対処の仕方が分からないのでは測ってもほとんど意味がない。

ということになれば「あの測定数値は、測り方が悪い」とか、「測定地点がおかしい。安全だということを言うための発表だ」という疑心を生むだけである。そして、この測定の行き着く先は「もっときめ細かく」「こことここも測るべきだ」「自分で測定しなければ納得できない。各人に測定器を配布すべきだ」となるだろう。

測定器の購入や測定に手間隙をかけるなら、その金・時間で「宮代町は、県や近隣の市町の測定で、おおむねこの程度の値にあります。これが○○の値を超えたときは、警戒態勢に入り、宮代町でも精緻な数値の測定に入ります。そして○○を超えたときはこんな対処をとります。それまでは県や近隣市町の数値を参考にしてください」とその対処方の検討とマニュアル化を進める方が良いのではないだろうか。

その方が、町民の安心・安全を守ることになるのでは・・・。


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