「農のある町」を標榜する宮代町だが、野菜などの供給能力はダウンし、生産の足腰が急速に弱まっていることをうかがわせるデータが、1日発表された22年度宮代町一般会計決算の補完資料で示された。
その資料は、宮代町小中学校の給食における宮代町農産物の使用状況。
20年度 | 21年度 | 22年度 | |
使用品目数 | 31 | 29 | 26 |
米の使用量(トン) | 23 | 24 | 25 |
野菜の使用量(トン) | 21 | 17 | 9 |
上の表がそれだが、米の供給量は毎年アップしているのに対して、野菜はダウンし、22年度は21年度比半減に近いという急落ぶり。
宮代町教育委員会では「22年度は異常気象の影響で野菜の出来が悪く、地場産を十分に確保できなかったため」としている。
宮代町は「農ある町」を標榜し、地産地消の食育に力を入れた政策をとっている。
こうした中で、異常気象のためとはいえ、地場の需要に十分に応えられるだけの供給基盤がないという厳しい現実が示されたともいえる。
この原因としては、首都圏に近い地の利を生かして「農」をグリーンツーリズムなど観光産業化していこうという政策が強まり、本来の「農」が育っていないのではないかとの見方も出来る。
ただ、宮代町では新しい村の子会社として若者たちによる野菜生産会社「耕助」を立ち上げ、積極的に野菜作りの農業を育てていこうとしており、現在はその谷間の時期との見方もある。
耕作者の高齢化、若者の農業離れ、6次産業化、農の観光化など「農」を取り巻く環境は大きく変化している中で、どのような政策を展開していくべきか、検討が必要なデータともいえそう。