長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

397. 宮城県ガン類取材・その一 コクガン

2020-01-26 18:27:57 | 野鳥・自然
昨年末の12/12~12/14の24泊3日で宮城県本吉郡南三陸町に『野鳥版画』制作のため、カモ科のコクガンを取材に行ってきた。先月末から年頭にかけ公私ともども忙しく、先月中旬の話題を今頃画像投稿している。どうも最近、時系列が上手く運ばず遅れ気味の投稿になってしまっている。

昨年の春、宮城県在住のある自然保護団体のI氏から連絡を受け「コクガンを含むガン類の木版画を制作してほしい」という依頼があった。宮城県の南三陸町といえば、8年前の『3.11東日本大震災』の時に史上稀な高さ20mを超える津波に襲われ甚大な被害のあった町の1つとして記憶に新しい。そして野鳥の世界では国内で数少ない、まとまった数のコクガンが越冬する地域として知られている。

カモ科のコクガンは漢字では黒雁、英語ではBrent Goose または、Brant という。和名の通り成鳥は黒と白の羽衣のコントラストがはっきりとした美しい雁類である。大きさはカラスより一回り大きい程度。日本では冬鳥として北海道、東北地方の一部(南三陸町を含む)局地的に飛来し、越冬する。1971年に国の天然記念物に指定されている。
僕自身は今までに東京湾の最奥部や青森県の八戸港などで少数の出会いがあるが、今回のような、まとまった数を観察するのは初めてである。

12日、現地でI氏と合流し、この場所でのコクガンに関してのさまざまな情報を教えていただく。次の日からはいつも取材に協力してくれる連れ合いと二人で南三陸の美しい海岸にある小さな漁港を探して回った。現地では宿の女将さんや地元漁港の漁師さんたちがコクガンについての詳しい情報を親切にご教示してくださり、とてもスムーズに撮影取材をすることができた。

今月に入ってからその取材資料を基に大判木版画の下絵の制作に入っている。ここからが本当の意味で僕の仕事。三陸の美しい海の空気や水の美しさ、厳しい寒さを身をもって感じてきてどのように作品に反映させることができるだろうか。制作経過や仕上がった作品はまたブログの回を追ってご報告することにしよう。

今回の取材にあたりいろいろな面でアドバイスいただいたI氏と現地で親切にしていただいた町の方々にこの場をお借りしてお礼申し上げます。


      






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1 コメント

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いつもありがとうございます。 (uccello)
2020-02-01 18:07:12
ブロガーのみなさん、いつも枚ブログの投稿にお立ち寄りいただきありがとうございます。

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