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『ガタカ』

2003年10月02日 | 映画(か行)
『ガタカ』(原題:Gattaca)
監督:アンドリュー・ニコル
出演:イーサン・ホーク,ユマ・サーマン,ジュード・ロウ,ローレン・ディーン他

1997年のアメリカのSF作品。
監督はニュージーランド出身。
主演の2人が後に結婚したこと以外にはたいして話題にもなりませんでしたが、
私にとってはかなり好きな作品で、星のきれいな秋になると観たくなります。

近未来、遺伝子操作が常識となっている世の中で、
普通の出産で生まれた子どもは「神の子」と呼ばれる。
しかし、劣性遺伝子を持つ彼らは、
遺伝子操作で生まれた子どもには何をやってもかなわない。

「神の子」として生まれたヴィンセントは
宇宙飛行士になることを夢見ているが心臓疾患があり、
30歳までしか生きられないと宣告されている。
すべてを遺伝子で判断される世界では彼は「不適正者」。
宇宙開発局「ガタカ」の試験に合格するはずもない。

しかし、夢をあきらめきれないヴィンセントは、
優性遺伝子に恵まれながら事故で下半身不随となったジェロームと会い、
仲介者を通してある契約を交わす。
それは、ジェロームから「適正者」の血や尿、心音など、
ガタカ入社に必要なものを受けつづける代わりに、
ヴィンセントが入社したあかつきには
給与収入の一部をジェロームに渡しつづけるというものだった。

ジェロームになりすましたヴィンセントは無事入社を果たす。
火星へ向かうロケットの乗組員に選ばれたヴィンセント。
そんな折、彼の上司が何者かによって殺害され、
刑事はヴィンセントに疑いの目を向ける。

どちらかといえば退屈な映画かもしれません。
が、妙に心にひっかかるのです。

遺伝子操作を受けていないヴィンセントは
あらゆる面で能力が低いのだと、
両親は彼にできることを常に決めつけていました。
それに対するヴィンセントの思い。

「神の子」ヴィンセントと、遺伝子操作で生まれた優秀な弟アントン。
彼らは幼いころ、近くの海でどちらが遠くまで泳げるかを競っていました。
勝つのはいつもアントン。しかし、ある日、ヴィンセントが勝ちます。
なぜ勝てたのか、どんな思いがヴィンセントを勝たせたのか、
終盤になってそれがようやく語られます。

火星に出発する日、
ヴィンセントと検査師が言葉を交わすシーンがとても好きです。
ラストは非常にせつなく。

「ガタカ」とは、
ヒトがヒトであるために必要な遺伝子からとった名前だそうです。

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