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『宇宙人ポール』

2012年01月03日 | 映画(あ行)
『宇宙人ポール』(原題:Paul)
監督:グレッグ・モットーラ
出演:サイモン・ペッグ,ニック・フロスト,ジェイソン・ベイトマン,クリステン・ウィグ,
   ビル・ヘイダー,ブライス・ダナー,ジョン・キャロル・リンチ他
声の出演:セス・ローゲン

本作も旧年中に書きそびれ、どうしても書いておきたくなった1本。
ドイツ・クリスマスマーケットでにぎわう新梅田シティで観ました。
好評なのか、終映日はいまも未定で公開中。
おもしろい割引キャンペーン中で、その名も「宇宙人割引」。
宇宙人を連れて3人以上で来場すると入場料金が1人 1,000円に。
「自称宇宙人」でかまわないそうです。
窓口でみんなどんな顔をして「宇宙人です」と言うのか見てみたい。

アメリカ、カリフォルニア州で毎年おこなわれる、
コミック業界最大のイベント“コミコン(Comic-Con International)”。
イギリスからはるばる出向いたSFオタクのグレアムとクライブは、目がランラン。
憧れの作家のサインも手に入れ、会場の雰囲気を満喫する。

今回の旅のもうひとつの目的は、アメリカ西部に点在するUFO関連スポットを巡ること。
早速キャンピングカーをレンタルしたふたりは、いそいそと宿を後にする。

ところが、ネバダ州のエリア51(UFOや宇宙人の存在が噂される地区)付近で、
1台の乗用車がキャンピングカーを追い抜いた途端に横転、大破する。
車内の様子を窺うが誰もいない。するとそのとき、背後から声が。

振り向くとそこには本物の宇宙人が立っていた。
クライブはビビってちびり、そのまま失神。
なんとか冷静を保つグレアムに、“ポール”と名乗った宇宙人は助けてくれと言う。

聞けば60年前、ポールの乗った宇宙船が地球に不時着。
それ以来、ポールは政府機関に囚われの身となっていたらしい。
グレアムとクライブは、故郷の星に帰ることを切望するポールのため、一肌脱ぐことを決意。

しかし、道中は多難。
ポールを見て卒倒した敬虔なクリスチャンの娘ルースを拉致せざるを得ず、
ルースの父親が銃を持って追いかけてくるわ、政府の役人に狙われるわ。
ポールは無事故郷へ帰れるのか。

主演コンビは自ら脚本も執筆するサイモン・ペッグとニック・フロスト。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)といい、
『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(2007)といい、
このコンビの作品は本当にいつも痛快。
「宇宙人割引」が功を奏してか満席の場内は笑いの渦で、
「そ、そんなにバカ笑いするほどおもろいか」と心の中でツッコミつつ、
私も声を上げて笑った箇所多数。

なにしろ、ポールの言動はまるでそこいらのオッサン。
流暢な英語にダジャレの嵐。タバコも吸えば、ハッパも吸う。
いけ好かん相手には、フロントガラス越しにケツを見せる。
……そこいらのオッサンと言いましたが、
普通のオッサンはこんなお下劣なことまでしませんよね。(^^;

過去の名作のパロディも観逃せません。
『E.T.』(1982)はポールのアドバイスにより生まれたものだというシーンは傑作。
また、キャストに挙がっているのでネタバレにはならんと思いますが、
ポールを抹殺しようとするボス役はシガニー・ウィーヴァー。
彼女を一躍スターにしたのが“エイリアン”シリーズの宇宙船乗組員役ですから、
これは相当きついジョークで笑えます。

最後には素敵などんでん返しも待っていて、
おかしくて笑いながらしんみりして泣いた作品は久しぶり。
ちなみに、日本語字幕の監修は、『映画秘宝』の創刊者、町山智浩氏。
パロディの元となっている作品もわかりやすい字幕になっているため、マニアじゃなくても楽しめます。

宇宙人を連れて、いかがでしょ。

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