夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ダブリン上等!』

2005年10月06日 | 映画(た行)
『ダブリン上等!』(原題:Intermission)
監督:ジョン・クローリー
出演:コリン・ファレル,キリアン・マーフィ,ケリー・マクドナルド,
   シャーリー・ヘンダーソン,コルム・ミーニイ他

ここ15年、甲子園での最終戦には必ず足を運んでいますが、
昨日はこれまで観た試合でいちばんシビレました。
下柳がベルトを締め直しながら飛び出してきた姿は、
まるでトイレの途中で呼ばれて慌てて出てきたオッサンでしたね。

勝った阪神の男たちとはちがい、
これは負け組の男たちの群像劇とでも言うべき作品。
主演のコリン・ファレルは無愛想で有名で、
ヨレヨレの汚い恰好も似合うところが
下柳と共通していると私は思うんですけれど。
ハイ、私はどちらも大好きです。

アイルランド、ダブリン。
レイフは穏やかな人生を夢見つつ、チンピラな生活。
今日もカフェのウェイトレスが彼に気を許したところを殴りつけ、
レジから金を奪い取って逃げる。

以前からレイフに目をつけているのが
刑事のジェリー。熱血漢かと思いきや、
自分が主演のドキュメンタリー映画で評判を上げたいだけ。
野心に燃える若手のTVプロデューサーがジェリーの話に乗る。

ジョンはスーパーの従業員。
恋人のデイドラの気持ちを試すために別れを切り出したところ、
本当に別れるはめになる。
デイドラは父親の年ほども離れた銀行員サムと同棲することになり、
未練たっぷりのジョンは同僚のオスカーに愚痴をこぼす。

デイドラの妹サリーは酷い失恋を経験し、以来、ムダ毛の処理をしない。
母と乗車したバスが事故に遭い、ほかの客を救出してTV出演を果たすが、
サリーのバート・レイノルズ風の口髭が有名に。

レイフは銀行強盗を計画。
デイドラを誘拐し、サムに勤務先の銀行から金を盗ませるのだ。
彼女と寄りを戻したいジョンが話に加わり……。

誰が主役かわからないほど、負け組ばかりが次々登場。
サムに捨てられた妻、
バス事故の責任を問われて解雇された乗務員、
他人の不幸を見て喜ぶ悪ガキ。
こうした人と人とが繋がって、おもしろく絡み合っていきます。
ただし、いい話とはとても言えません。

いちばん興味を惹かれたのは、
ジョンがコーヒー(紅茶?)にブラウンソースを入れるシーン。
ブラウンソースとはバターで炒めた小麦粉にブイヨンを加えて煮詰めたもの。
居合わせた仲間も「マジかよ?」と驚きますが、
試してみてまた皆びっくり。すっげえウメぇ!そうです。
やってみるべし。

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