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『新しい神様』

2004年05月13日 | 映画(あ行)
『新しい神様』
監督:土屋豊
出演:雨宮処凛,伊藤秀人,土屋豊他

昨日のニュースによれば、
「よど号ハイジャック事件」メンバーの妻がひそかに帰国していたことが判明。
皇室では雅子様の体調がすぐれない様子で、
皇太子の「ビミョー」で「率直」な発言が波紋を呼んでます。

ということで、どっちのネタにも絡んでるといえる、
1999年の衝撃度抜群の邦画を挙げましょう。
これは右翼パンクバンドのボーカリスト、雨宮処凛のドキュメンタリーです。

雨宮処凛は1975年生まれ、北海道出身。
幼いころはイジメに遭い、自殺未遂を繰りかえす日々。
そんな彼女が自分の居場所を見いだしたきっかけは、右翼団体への入会。
この世を変えられるのは右翼の思想だと信じ、
彼女は革命活動をはじめることとなる。

1996年にはパンクバンド「維新赤誠塾」を結成。
「天皇陛下万歳!」と叫ぶミニスカ右翼として名を馳せる。
右翼はもちろんのこと、左翼、オウム、在日、精神病患者とともにイベントを開催したり、
元赤軍派の議長と意気投合、北朝鮮へ旅したり。

監督の土屋豊は天皇制反対の立場をとる左翼的人物ですが、
純粋に雨宮処凛を追い続け、インタビューを重ねていきます。
監督が撮影しない時間は、雨宮自身にビデオカメラを預け、
彼女はカメラに向かって心情を語りかけます。

右翼と連合赤軍なんて、相容れないものだと思っていましたが、
どちらも「アメリカが嫌い」なところがものすごく一緒。
私はどちらかと言えば左寄りですが、
どんな話でも反対の立場の人の話を聞くのって大事やなぁ、おもろいなぁと思いました。
お互いが最初からケンカ腰になってちゃアカンのですね。

雨宮処凛は『自殺のコスト』なんていう本も出してます。
どうやって自殺すれば儲かるのか、損するのかというもの。
この春には『戦場へ行こう!! 雨宮処凛流・地球の歩き方』という本も出版。
イラクや北朝鮮といった戦場を歩いて綴ったエッセイ集。
朝鮮労働党やインドネシア反体制派、フセインやパナウェーブ研究所まで登場します。

赤軍派のメンバーの娘たちがはじめて祖国日本に足を踏み入れたときには、
彼女が空港までお出迎えにいったと雑誌で読みました。
不思議なお嬢や。

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