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『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』

2014年01月02日 | 映画(は行)
『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』(原題:20 Feet from Stardom)
監督:モーガン・ネヴィル
出演:ダーレン・ラヴ,メリー・クレイトン,リサ・フィッシャー,
   タタ・ヴェガ,クラウディア・リニア,ジュディス・ヒル他

前述の『おじいちゃんの里帰り』の後、同じくテアトル梅田にて。
これもこの日が初日でした。

原題は“20 Feet from Stardom”、
つまり、ステージのメイン位置とわずか20フィート(約6メートル)離れた位置に立つ、
バックシンガーに焦点を当てたドキュメンタリーです。

実力的にはメインを張るシンガーにも引けを取らない。
いつか自分自身がステージの中央へ、そう夢見ているのに、
ソロシンガーとしてデビューを果たし、かつ成功するシンガーは稀。

本作に登場するのは、圧倒的な歌声で魅せるシンガーたち。
1960年代から1970年代にかけてヒットメーカーとして名を馳せた、
伝説の音楽プロデューサー、フィル・スペクターの作品群で
ときにはゴーストシンガーの役目も果たしたダーレン・ラヴや、
ザ・ローリング・ストーンズのレコーディングに参加したメリー・クレイトン。
ルーサー・ヴァンドロスに見い出され、スティングとも共演したリサ・フィッシャー、
マイケル・ジャクソンのデュエット・パートナーで注目されたジュディス・ヒルなどなど。

いいオジサンになったブルース・スプリングスティーン、
ミック・ジャガー、スティング、ベット・ミドラーなどのコメントが大盛りで。
ドラマティックすぎる彼女たちの人生が美しくも切ないです。

メインを張ることよりも、誰かと奏でることに至福を感じるシンガーもいます。
父親の職業は牧師で、幼い頃から聖歌隊で歌ってきた黒人シンガーたち。
ある女性牧師は「歌を聴けば、黒人の存在価値が証明できる」とも。

音楽×映画はやっぱり大好き。
ほとんどどんな作品でも涙してしまいますが、本作も例に漏れず。
けれども、台詞ではなく、その歌声だけで泣かされたことはそうそうないはず。
本作では彼女たちの歌を聴いているだけで感極まって。

人間には、人と奏でる才能がある。

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