夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『世界で一番パパが好き』

2005年12月06日 | 映画(さ行)
『世界で一番パパが好き』(原題:Jersey Girl)
監督:ケヴィン・スミス
出演:ベン・アフレック,リヴ・タイラー,ジョージ・カーリン,
   ラクエル・カストロ,ジェニファー・ロペス他

明石家さんまと広末涼子が親子を演じた、
7年前の同名ドラマとは何の関係もなくて、
原題は“Jersey Girl”です。

さて、私の好きな監督を挙げると
ケヴィン・スミスは5本の指に入ります。
しかし、本作は過去の作品と趣を異にし、予告編を観たときは、
こんなお涙頂戴路線に走って大丈夫なのか?と不安に思いました。
その不安や如何に。

ニューヨーク、マンハッタン。
音楽業界のやり手のパブリシスト、オリーは、
美しいガートルードと出会い、恋に落ちる。
ふたりは結婚し、やがてガートルードが妊娠。
仕事に明け暮れるオリーに彼女は不満げだが、
ふたりとも初めて授かる子どものことが楽しみで仕方ない。

ところが、女の子を無事出産したものの、
立ち会ったオリーの目の前で、ガートルードは息を引き取ってしまう。
いきんだせいで動脈瘤が破裂したらしい。

愛するガートルードを失ったショックのあまり、
生まれたばかりの娘ガーティをニュージャージーの父親に預け、
オリーは仕事に没頭しようとするも情緒不安定。
マスコミ相手の大事なパーティーで
人気急上昇中のスターをクソ呼ばわり、即刻会社をクビに。
就職先が見つかるまでとの約束で
道路清掃業の父を手伝いながら実家に居候することに。

それから7年後、あいかわらずオリーとガーティは父親の世話になっていた。
ニューヨークに戻る夢を捨てられないオリーだが、
スターを罵倒した業界伝説の人間をどこも雇おうとはしない。
やっとある会社の面接にこぎつけた日、
折悪くガーティの学校の音楽会と重なって……。

不安的中と言いましょうか、
昨年度のゴールデン・ラズベリー賞(最低映画賞)にノミネートされた本作は
やっぱり半端な笑い泣き映画だったんですけど、
駄作、凡作と言われようが、この監督の撮ったものは憎めません。好きだぁ。

スミス作品常連のマット・デイモンやジェイソン・リー、
ウィル・スミスまでカメオ出演。
彼は実にオイシイ役で泣きのツボを押さえてます。
エンドロールではウィル・スミスの名前を探すのに
3度、巻き戻してやっと発見。
出演者にひと言ずつ贈られた謝辞も楽しいです。

「月まで行って帰って来るぐらい愛してるよ」との謝辞を
私もケヴィン・スミス監督に贈ります。

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