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『藁の楯』

2013年05月05日 | 映画(わ行)
『藁の楯』
監督:三池崇史
出演:大沢たかお,松嶋菜々子,岸谷五朗,伊武雅刀,永山絢斗,
   余貴美子,本田博太郎,藤原竜也,山崎努他

109シネマズ箕面にて。
いつもどおり、端っこの席を確保したら、同じ列の中央に見知ったお顔が。
同日いくつか選択肢があったはずなのですが、
迷った末にあちらもこちらもこれを選んだというところがワラけます。
だって三池崇史監督ですもん。誰が何と言おうと好き、私は外せません。

漫画家のきうちかずひろが本名の木内一裕名義で発表した小説家デビュー作。
原作は未読ですが、講談社文庫(=字が大きめ(^o^))なので
いずれ読んでみようかなと思っています。

元経団連の会長で経済界の大物、蜷川隆興の孫娘が惨殺される。
容疑者は8年前にも少女を暴行したうえで殺害、
釈放されたばかりの清丸国秀で、現在は逃亡中。

警察が清丸の行方を追っていたある日、全国紙に度肝を抜く全面広告が。
それは蜷川による、“清丸を殺した者には10億円をお支払いする”というものだった。
殺人を示唆したとして、警察は蜷川をも捕らえようとするが、
海外経由で清丸サイトを立ち上げた蜷川の潜伏先は不明。

全面広告が掲載されてからというもの、日本中が色めく。
相手が清丸であろうと、殺せば服役は免れないのに、
10億のためならば服役なんて何のその、清丸を殺そうとする人間がどっと現れる。
知人に匿われていた清丸は、その知人に殺されかけて観念、福岡県警に出頭する。

ところが、清丸殺害未遂に終わった男にまで蜷川が1億円を支払うと約束したため、
一般人はもちろんのこと、警察内部や病院にまで殺害をはかる者がうようよ。
福岡県警から警視庁に清丸を移送するさい、
SPである警視庁警護部の銘苅一基をリーダーに、同じくSPの白岩篤子、
警視庁刑事部の奥村武と神箸正樹、福岡県警の関谷賢示が警護につくことに。

送検までの48時間以内に移送を完了させなければならないが、
空、陸、いずれの手段を使おうとしても、
清丸サイトを見ると、なぜか清丸の居所は探知されているようで……。

いつぞやも書きましたが、
三池崇史監督とクエンティン・タランティーノ監督には相通ずるものを感じます。
暴力的なシーンが多いので、不快感を抱く人がいるのも当然ですが、
観客受けのよさそうな題材を選んでばかりの監督も多いなか、
とにかくこの監督は映画を撮ることが大好きで、
まず自分が楽しみ、そして観客を楽しませようという意気を感じます。
そんな監督だから、出演者もみんな楽しんだ結果、熱演が生まれている気がして。

死んだっていいだろうと思えるほどのクズを警護する。
かわいげのかけらもない清丸(藤原竜也)を目の前にして、
警護についた者たちの気持ちが揺れ動きますが、
銘苅(大沢たかお)の行動だけは終始一貫、素晴らしい。
だけどこうすべきだと説教臭くならないところも、私が三池監督を好きな所以。

久々に見た長江健次。
ホームで包丁を振り回す姿を見て、フツオ君だったころを懐かしく思い出しました。
帰宅したら、彼と同じ渋谷高校卒の中村紀洋が日米通算2000本安打達成。
ふたりともがんばれ~。

それにしても、白岩役の松嶋菜々子のことを「おばさん臭いんだもん」だなんて
藤原竜也に言わせてしまう監督、スゴくないですか。(^^;

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