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『アバウト・シュミット』

2004年02月16日 | 映画(あ行)
『アバウト・シュミット』(原題:About Schmidt)
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ジャック・ニコルソン,キャシー・ベイツ,ホープ・デイヴィス,
   ダーモット・マルロニー,ハワード・ヘッセマン,レン・キャリオー他

アメリカ中西部オマハ。
大手保険会社「ウッドメン」の一室で、
この日、定年退職を迎えるウォーレン・シュミットは
時計が17時を示すのをじっと待っていた。

退社後は彼の定年を祝うパーティーが催され、
雛壇に座るウォーレンには贈り物と祝辞の山。
しかし、彼はなぜか孤独を感じている。

長年の友人であるレイは、そうした彼の心を見透かしてか、
「たくさんの贈り物にもうわべだけの賛辞にも意味はない。
年金も社会保険も無意味だ。
本当に意味があるのは、生涯をかけて何かを成し遂げることだ」
とスピーチする。

ウォーレンは会社のために懸命に働き、
娘を立派に育てあげ、妻とも仲睦まじく連れ添い、
生涯をかけて意味あることをしてきたはずだった。

だが。
翌日からの彼の心は空っぽで、起きても何をしていいのかわからない。
そんなとき、恵まれない子どもたちへの援助を募るCMを目にする。

さっそく応募したウォーレンのもとへ、
振込用紙とともに、アフリカのひとりの子どもの写真が届く。
「彼に手紙を書いてやってください」との言葉に、
ウォーレンは筆をとる。

自己紹介のつもりで書き始めた手紙だったが、
そこでウォーレンは日頃の鬱憤を晴らしてしまう。
会社の自分の後任はアホ。
自分の隣で寝ているバアさんは誰なんだ?
これが自分の妻なのか?
妻のすることなすことすべてに腹が立つ。
手紙を書き終え、投函しに出かけるが、
帰宅すると妻は脳硬塞で死亡していた。

慌ただしく葬儀を済ませるウォーレン。
葬儀のために愛するひとり娘ジーニーが帰郷していたが、
彼女はろくでなしのランドールと結婚を控え、
すぐにデンバーへ戻ると言う。

ひとりで荒れた生活を送っていたウォーレンは
娘に会いに行く決意をし、キャンピングカーに乗り込む。
こうしてウォーレンの旅が始まった。

知らず知らずのうちに心を閉ざし、
自分の孤独を意識していなかったオヤジ。
会社を離れた瞬間にそれが浮き彫りになります。
自分を理解しない周囲が悪いと思っていたオヤジが、
徐々に人と心を通わせることを理解していく様子は
見ていて応援したくなります。
ジャック・ニコルソンだと特に。

さて、あなたは、ウォーレンと誰をダブらせて観る?

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