『すべては海になる』
監督:山田あかね
出演:佐藤江梨子,柳楽優弥,要潤,吉高由里子,白井晃他
先週は、特に借りたい新作がなくて、
TSUTAYA DISCASの予約リストに一応載せてはあったものの、
まぁ、来ても来なくてもいいやという程度に思っていました。
そうしたら、意外と良かった作品です。
夏樹は、書店に勤務する27歳。
心が荒んでいた高校時代、絶え間なく男とつきあっていた。
雑誌の悩み相談室に投書したら、「本を読みなさい」との回答。
以来、片っ端から本を読み、無類の本好きに。
書店では「愛のわからないひとへ」というコーナーを任され、
自作のポップ付きでお薦め本を並べている。
ある日、そのコーナーの本を鞄に滑り込ませる女性を目撃。
夏樹は彼女を捕まえるが、鞄を開けると何もなかった。
店長に連れられ、夏樹は女性の家へ謝罪に訪れる。
おどおどした表情の女性は黙り込み、
その夫で、大学で文学を教えているという男性が
暗に慰謝料を求めて怒鳴り散らす。
不登校らしき娘はヒステリックにわめき、
店長と夏樹は居たたまれずに立ち去る。
後日、女性の息子だという高校生が来店する。
彼は光治と名乗り、母親は万引の常習犯だ、僕が家族を立て直す、
だからもう謝罪には来てくれなくていいと言う。
夏樹は光治に携帯の連絡先を教え、
ふたりはメールを交わすようになるのだが……。
暗いだけの話を想像していました。ところが、そうでもない。
原作者本人が監督しているので、あれもこれも盛り込みたかったのか、
詰め込みすぎの印象は否めません。
登場人物もそんなにおらんでも……と思わなくもないのですが、
一人一人がとてもいい味を出しています。
たとえば、書店の同僚たち。
文学にうるさいおばちゃん。恐ろしく漢字を読めない若者。
キャバクラのバイトと掛け持ちの美女。純愛好きの兄ちゃん。
結構頼れる店長役の松重豊も◎。
書店の客で、すごい存在感で笑わせてくれるのが吉高由里子。
また、大手出版社に勤務する営業マンに要潤。
軽くて適当、でも実は……な男がピッタリ。
売れっ子作家役の村上淳、その著書(劇中劇)の主人公に安藤サクラ。
見た目と中身はちがうのよ。人間、奥が深いもの。
ラストは静かに心が洗い流されるかのようです。
学生の頃、ずっと書店でバイトをしていました。
そんな理由もあり、書店の雰囲気が懐かしく、
最初からのみ込まれました。
今でも、本屋で過ごす時間は至福のときです。
監督:山田あかね
出演:佐藤江梨子,柳楽優弥,要潤,吉高由里子,白井晃他
先週は、特に借りたい新作がなくて、
TSUTAYA DISCASの予約リストに一応載せてはあったものの、
まぁ、来ても来なくてもいいやという程度に思っていました。
そうしたら、意外と良かった作品です。
夏樹は、書店に勤務する27歳。
心が荒んでいた高校時代、絶え間なく男とつきあっていた。
雑誌の悩み相談室に投書したら、「本を読みなさい」との回答。
以来、片っ端から本を読み、無類の本好きに。
書店では「愛のわからないひとへ」というコーナーを任され、
自作のポップ付きでお薦め本を並べている。
ある日、そのコーナーの本を鞄に滑り込ませる女性を目撃。
夏樹は彼女を捕まえるが、鞄を開けると何もなかった。
店長に連れられ、夏樹は女性の家へ謝罪に訪れる。
おどおどした表情の女性は黙り込み、
その夫で、大学で文学を教えているという男性が
暗に慰謝料を求めて怒鳴り散らす。
不登校らしき娘はヒステリックにわめき、
店長と夏樹は居たたまれずに立ち去る。
後日、女性の息子だという高校生が来店する。
彼は光治と名乗り、母親は万引の常習犯だ、僕が家族を立て直す、
だからもう謝罪には来てくれなくていいと言う。
夏樹は光治に携帯の連絡先を教え、
ふたりはメールを交わすようになるのだが……。
暗いだけの話を想像していました。ところが、そうでもない。
原作者本人が監督しているので、あれもこれも盛り込みたかったのか、
詰め込みすぎの印象は否めません。
登場人物もそんなにおらんでも……と思わなくもないのですが、
一人一人がとてもいい味を出しています。
たとえば、書店の同僚たち。
文学にうるさいおばちゃん。恐ろしく漢字を読めない若者。
キャバクラのバイトと掛け持ちの美女。純愛好きの兄ちゃん。
結構頼れる店長役の松重豊も◎。
書店の客で、すごい存在感で笑わせてくれるのが吉高由里子。
また、大手出版社に勤務する営業マンに要潤。
軽くて適当、でも実は……な男がピッタリ。
売れっ子作家役の村上淳、その著書(劇中劇)の主人公に安藤サクラ。
見た目と中身はちがうのよ。人間、奥が深いもの。
ラストは静かに心が洗い流されるかのようです。
学生の頃、ずっと書店でバイトをしていました。
そんな理由もあり、書店の雰囲気が懐かしく、
最初からのみ込まれました。
今でも、本屋で過ごす時間は至福のときです。