夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『Songcatcher 歌追い人』

2004年11月22日 | 映画(さ行)
『Songcatcher 歌追い人』(原題:Songcathcer)
監督:マギー・グリーンウォルド
出演:ジャネット・マクティア,エミー・ロッサム,エイダン・クイン,パット・キャロル他

1900年代初めのアメリカ。
ニューヨークの大学で音楽学を教えるリリー。
彼女の研究は成果を挙げ、主任教授に昇進できるはずだった。
しかし、男尊女卑の根強い時代。彼女の願いは却下される。
唯一頼りにしていた同僚で、不倫相手の教授ウォレスも
まったく当てにならないと気づき、リリーは大学を後にする。

リリーの向かった先は、ノースカロライナ州の山岳地帯アパラチア。
そこではリリーの妹エレノアが教師をしていた。
起伏の激しい山を馬車で越え、やっとのことで妹の家に辿り着くリリー。

エレノアは同僚のハリエット、
孤児のディレイディスとともに暮らす。
リリーを歓迎するためにディレイディスが口ずさんだ歌を聴いて、
リリーは目を輝かせる。
なんとその歌は、学会ではとっくに失われたとされている、
200年以上も前の伝統歌(=バラッド)だったのだ。

どうやらこの地では数々のバラッドが歌い継がれているらしい。
リリーは早速ニューヨークから録音機を取り寄せ、
現地の人々の歌を集めて採譜しようと決意する。

森に囲まれ、岩肌はむき出し、川も流れるこの地では、
大きな録音機を抱えて移動するのは至難の業。
しかも、珍しいよそ者を警戒して、人々は非協力的。
だが、ディレイディスを助手に、リリーはこつこつと歌を追い始める。

この世に実にさまざまな職業があることを映画から知る場合があります。
この作品でも、こんなことを研究してる人がいるんだと興味をひかれました。
本作は実話ではありませんが、1900年初頭の実在の歌追い人、
オリーヴ・キャンベルという女性がモデルとなっています。

無学な野蛮人だと思われていた山岳地帯の人々。
そんな都会人の印象をくつがえす、
素晴らしい音楽に包まれた暮らし。
バンジョーやフィドル、ギターといった楽器が揃いに揃い、
誰しもが何らかの楽器の名手です。
人から人へ伝わる音楽って、こんなにも人の心を打つ。

ディレイディス役のエミー・ロッサムは
今夏のヒット作『デイ・アフター・トゥモロー』
主人公の息子とともに図書館で生きのびる女子高校生役でした。
本作では素晴らしい歌声を披露。
オペラ歌手なんですと、彼女。驚いた。

カントリー・ミュージックが少し好きになりました。

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