『アルゴ』(原題:Argo)
監督:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレック,ブライアン・クランストン,アラン・アーキン,
ジョン・グッドマン,ヴィクター・ガーバー,カイル・チャンドラー他
レディースデーに帰り道のシネコンにて。
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)の仲良し小好し二人なら、
私は断然マット・デイモン派でした。
なんとなくベン・アフレックのほうがアホっぽい印象があり、
幼なじみでありながらホンマにインテリのマット・デイモンと比べると、
その後の出演作品選びにも差が出そうな感じでした。
ところが、ベン自ら脚本を書き、監督に乗り出した作品がどれもおもしろい。
『ゴーン・ベイビー・ゴーン』(2007)、『ザ・タウン』(2010)でビックリ。
それでもまだ見た目はイマイチと思っていたのですが、
本作の彼からは優しさと知性が溢れ出ていてたまげました。
アゴが隠れるせいか、ヒゲがめちゃイイし、ぼさぼさ髪も似合ってる。
人命を賭けて壮大なホラを国家でつき通したという、驚くべき実話です。
割引なしの1,800円でも満足したでしょう。
1979年、パーレビ国王の独裁政治に反発する民衆により、
ホメイニーを指導者とするイラン革命が起きる。
やがてパーレビが癌の治療という名目でアメリカへ渡ると、
その入国を認めたアメリカに対して民衆の怒りの矛先が向き、
暴徒と化してテヘランのアメリカ大使館を占拠するに至る。
パーレビの引き渡しを求めて、大使館の職員52人が人質に取られるが、
その直前に裏口から逃走、カナダ大使の私邸に飛び込んだ6人の職員がいた。
しかし、この私邸にイラン側の捜索がおよぶのも時間の問題で、
逃走した職員のことがバレれば、彼らの公開処刑は免れないどころか、
監禁されたままの人質たちの命も危うくなる。
とにかく6人をなんとか救出しようと、
国務省から協力を請われたCIAのトニーは人質奪還のエキスパート。
6人の身分を偽ってイラン国外へ脱出させることになり、
国務省やCIAの面々は、教師や調査員だと偽らせるのが無難だろうと言う。
そのどれをも却下したトニーが出した案は突拍子もないもので……。
カーター大統領の時代にこんな極秘作戦が決行されていたとはつゆ知らず。
しかもクリントン大統領の時代までそれが伏せられていたなんて。
まずトニーがその「ドン引き案」を思いつくきっかけが良し。
幼い息子とが電話中に観ていた『最後の猿の惑星』(1973)。
これにヒントを得て、映画のロケハンという設定でイランに乗り込みます。
架空の映画であっても実在するのだとイラン側に信じ込ませねばならず、
大物プロデューサーや特殊メイクの達人にもホラの片棒担ぎを依頼。
この話に乗るアラン・アーキンやジョン・グッドマン演じる人びとが、
壮大なホラ話に参加することを楽しんでいるようにも見えて、
不謹慎だけど気持ちはわかると、笑ってしまいました。
業界の一流人でありながら口もかたい、なんて素敵なオジサマたち。
トニーの上司役のブライアン・クランストンも○。
お偉方の勝手に振り回されるけれど、部下のことを見捨てない。かなりジワーン。
ちょっとだけ顔を見せる国務長官やCIA長官役のベテラン俳優陣も見逃せません。
まったくもって映画顔負けの話を映画にしたお話です。
ベン・アフレック様、お見それしました。
監督:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレック,ブライアン・クランストン,アラン・アーキン,
ジョン・グッドマン,ヴィクター・ガーバー,カイル・チャンドラー他
レディースデーに帰り道のシネコンにて。
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)の仲良し小好し二人なら、
私は断然マット・デイモン派でした。
なんとなくベン・アフレックのほうがアホっぽい印象があり、
幼なじみでありながらホンマにインテリのマット・デイモンと比べると、
その後の出演作品選びにも差が出そうな感じでした。
ところが、ベン自ら脚本を書き、監督に乗り出した作品がどれもおもしろい。
『ゴーン・ベイビー・ゴーン』(2007)、『ザ・タウン』(2010)でビックリ。
それでもまだ見た目はイマイチと思っていたのですが、
本作の彼からは優しさと知性が溢れ出ていてたまげました。
アゴが隠れるせいか、ヒゲがめちゃイイし、ぼさぼさ髪も似合ってる。
人命を賭けて壮大なホラを国家でつき通したという、驚くべき実話です。
割引なしの1,800円でも満足したでしょう。
1979年、パーレビ国王の独裁政治に反発する民衆により、
ホメイニーを指導者とするイラン革命が起きる。
やがてパーレビが癌の治療という名目でアメリカへ渡ると、
その入国を認めたアメリカに対して民衆の怒りの矛先が向き、
暴徒と化してテヘランのアメリカ大使館を占拠するに至る。
パーレビの引き渡しを求めて、大使館の職員52人が人質に取られるが、
その直前に裏口から逃走、カナダ大使の私邸に飛び込んだ6人の職員がいた。
しかし、この私邸にイラン側の捜索がおよぶのも時間の問題で、
逃走した職員のことがバレれば、彼らの公開処刑は免れないどころか、
監禁されたままの人質たちの命も危うくなる。
とにかく6人をなんとか救出しようと、
国務省から協力を請われたCIAのトニーは人質奪還のエキスパート。
6人の身分を偽ってイラン国外へ脱出させることになり、
国務省やCIAの面々は、教師や調査員だと偽らせるのが無難だろうと言う。
そのどれをも却下したトニーが出した案は突拍子もないもので……。
カーター大統領の時代にこんな極秘作戦が決行されていたとはつゆ知らず。
しかもクリントン大統領の時代までそれが伏せられていたなんて。
まずトニーがその「ドン引き案」を思いつくきっかけが良し。
幼い息子とが電話中に観ていた『最後の猿の惑星』(1973)。
これにヒントを得て、映画のロケハンという設定でイランに乗り込みます。
架空の映画であっても実在するのだとイラン側に信じ込ませねばならず、
大物プロデューサーや特殊メイクの達人にもホラの片棒担ぎを依頼。
この話に乗るアラン・アーキンやジョン・グッドマン演じる人びとが、
壮大なホラ話に参加することを楽しんでいるようにも見えて、
不謹慎だけど気持ちはわかると、笑ってしまいました。
業界の一流人でありながら口もかたい、なんて素敵なオジサマたち。
トニーの上司役のブライアン・クランストンも○。
お偉方の勝手に振り回されるけれど、部下のことを見捨てない。かなりジワーン。
ちょっとだけ顔を見せる国務長官やCIA長官役のベテラン俳優陣も見逃せません。
まったくもって映画顔負けの話を映画にしたお話です。
ベン・アフレック様、お見それしました。