夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

神をも畏れぬチャレンジャー

2004年04月23日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
前述の『アマロ神父の罪』のカルロス・カレラ監督以外にも
チャレンジャーはいらっしゃいます。

カトリックの司祭が実は同性愛者で、
男を求めて街をさまよう姿が衝撃的だったイギリスの作品、『司祭』(1990)。
ローマ法王庁から抗議声明まで発表されたこの作品の監督は
アントニア・バードという女性監督。
これは、聖職者の同性愛を描いただけでなく、
告解の秘密厳守という司祭の原則についても問いただす姿勢を見せたため
―女子高生が父親から犯されていると司祭に告白する。
告解の秘密厳守の原則のせいで、司祭は知らぬふりをするしかない。
ある日、母親が現場を目撃、司祭に「なぜ教えてくれなかったのか」と詰め寄る―、
カトリック関係者から激しく非難されました。

『マイ・ネーム・イズ・ジョー』(1998)や『セッション9』(2001)などの主演俳優でもある、
ピーター・ミュランの監督作、『マグダレンの祈り』(2002)は、
実在のアイルランドの修道院が舞台。
堕落した女性を更正させる施設とされる修道院の真実。
虐待におびえる修道女たちを描いて、「事実に反する」としてバチカンから抗議されました。
これはもうじきレンタル開始。

さらには、メル・ギブソン。
彼の主演作だった『サイン』(2002)は、
畑に変な絵文字みたいなものが突然現れて、
オチはなんぞやと思いきや、宇宙人の仕業だったという、
しばし放心してしまう作品でした。
「これは新興宗教の映画か?」とお口あんぐり。

他人が監督した新興宗教映画では飽き足らなかったのか、
メル・ギブソン本人が監督したのが『パッション』(2004)。
キリスト処刑までの最後の12時間の物語です。
反ユダヤ主義ではないかと物議を醸しましたが、
あとで騒ぎになるのを避けるためだったのかどうなのか、
全米では公開前にカトリック関係者を対象に試写がおこなわれたそうです。
ローマ法王も鑑賞して、問題なしとの判断だったとか。
その結果、カトリック関係者が大量の前売り券を購入する現象が起こり、
えらいヒットにつながったようです。
日本ではこのGW公開。

神をも畏れないチャレンジャーたちの作品は、日本以外では皆ヒット。
日本を除けば、宗教ネタは世界で人を集めてます。
おそるべし、神の力。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『アマロ神父の罪』 | トップ | 『ジェイ&サイレント・ボブ ... »

映画(番外編:小ネタいろいろ)」カテゴリの最新記事