minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

歴史的一日・・オーネットが!? (1)

2006年03月29日 | ライブとミュージシャンたち
 まだ興奮してオーネットのサックスの音色が頭から離れない。素晴らしいコンサート、しかも前から8列目のど真ん中(生音に近い音で聴ける席!)で聴く事ができたのはひとえに山下さんのお陰です。感謝、感謝。

 殆ど何の打ち合わせもなくコンサートの前日まで「どうなるの?」状態だったらしいが、山下さんのピアノソロリハーサルが終わると「もう一曲、一緒にやろう。」と結局4曲も参加する事になったそうだ。「オーネットってどんな人ですか?」「実にピュアな人ですね。一緒に演奏しているときににこっとこちらを向いて笑ってくれたときはぞくっとしました。」嬉しそうに語る山下さん。山下さんとオーネットが共演するのを聴けて、私こそぞくぞくしましたヨ!山下さんが感激したオーネットの一言「あなたのピアノはとてもナチュラルだ・・・」

 始めに、山下洋輔氏登場。「こんな日が訪れようとは・・・喜んで前座を務めさせて頂きます。」と言いながら全身全霊を傾けたピアノソロ。何度も山下さんの演奏には触れてきましたが、この日のソロは特に圧巻。一つ一つの音に神経を使って美しい音を探るような山下さんの音楽を聴いていて涙が出そうになりました。やっぱり、オーネットの前座を務められるのはこの人以外にいません。このあとのオーネットの登場がいよいよ待ち遠しく、期待に胸が高まるばかり。ジャズの歴史を変えたミュージシャンと、日本のフリーを支えてきた山下さんが初めて出会うんだから、誰だって興奮します。歴史的な一日に立ち会えた喜び。

 オーネットの今回のメンバーも最高に面白かった。ツインベース。一人は「マサダ」でもお馴染みのグレッグ・コーエン。彼はトム・ウェイツ(vo)のいとこでもある。長身で飄々とランニングをする姿が実に格好いい。対照的にちょっと小太りなのだがアルコ中心(きっと役割分担があったに違いない)に素晴らしいソロをオーネットと絡み合いながらとったベース、トニー・ファランガ。一体何者なのか私はよく知らないがクラシックから来た人かな、と思うくらいアルコが良かった。そしてもちろん、息子のレナード。オーネット音楽にはなくてはならない、あのパルスを支えている、オーネットサウンドの一番の理解者だ。(いいなあ、息子と共演して世界を回るなんて!私の理想の形だわ。)4人で一つのキャンバスにむかってそれぞれの絵の具を使って描いて行く・・・まるで絵画のようでした。あまりに気持ち良いサウンド。いつか私もツインベースでやってみようっと。そしていよいよ楽屋へ・・・掃除婦に変装しなくても、オーネットに会えるんだ・・・?!(つづく) 

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