minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

キューバ音楽旅行記14 激しいSONは禁止??

2017年01月02日 | ライブとミュージシャンたち
レコーディングを終えて、翌日もまたAltecに11時からSONARTEが演奏するので聞きに行った。

Atzel が私たちを見つけるとすぐにウィンク。でもなんだか様子が変だぞ??

演奏が終わって私たちのところにやってきたEmilioとAtzel。申し訳なさそうな顔をして「明日、一緒に演奏しよう、って約束していた仕事だけれど、フィデルの追悼期間(来年3月くらいまで?)は激しめのSONを演奏してはいけないというおふれがでたんだって。だから、申し訳ないけれど明日は野外で一緒に演奏できないんだ。でもコンサートにはくるよね?明日待ち合わせしよう。」

えええ〜、そりゃないよ〜(涙)。せっかく共演できるとはりきっていたのに・・・。確かに、このあとのグループやエミリートたちのSepteto de Trovaの演奏も聴きに行ったがほとんど静かめに演奏。激しい曲はせいぜい1曲くらいだった。



こうなったら、サンティアゴデクーバの残り3日間、いろいろな音楽を楽しむしかない。でも激しくないソンなんて、気の抜けたコーラみたいだった・・・。

Altecの帰り道にCasa De La Trovaがある。ここの一階と2階、両方でライブをやっている。下は通り道なのでまるみえ。かわいい男の子がお父さんのそばでギロを演奏していた。




エミリートの所属する「Septeto de la Trova」@Casa de la Trova2F



その夜、夕飯を食べに近所の店に入ると満員。どうしよう?と思っていたら若い男の子がこの地下はライブハウスだけど、そこでもここの食事ができるよ。来ませんか?というので、誘われるまま地下へ・・・・。一度ここのライブも聞いてみよう、と話をしていたところだったのだ。

薄暗い中で料理の注文をしていると、客引きだと思ったお兄ちゃんが話しかけてきた。
「これからライブなんです。観光ですか?」
「私たちも音楽家なの。」
「え?何の楽器?」
「サックスとベース。」
「えええ?僕もテナーサックスで、これからリハーサルやるんだよ。」

どこかで演奏したくてうずうずしていた私たちは「じゃあ、これから楽器とってくるから、飛び入りさせてくれる?でも大きい音だして大丈夫なの?」

「OK!!ちゃんと扉の閉まるライブハウスでは何の問題もないんだよ。」

そっか〜。エミリオたちは常に解放されたカフェでの演奏だった。こういうライブハウスでの演奏というのもあったのね〜w。

いそいそと楽器をとりに戻ると、ごはんもそこそこに楽器を取り出し、リハーサルに参加。







リーダーはキーボードの黒人だった。さっそくComo FueとSabor a miを演奏するとバンドのみんなが大喜び。パーカッションの黒人も「明日はこのバンドで(ボーカルなし)で夜からギグなんだけど、そこに来ない?」

話はどんどん面白い方向へ広がっていく。あとサンティアゴデクーバも3日になった。(つづく)





キューバ音楽旅行記13 ♪Me La Pagaras!♪

2017年01月02日 | 環境
約束の2時にいそいそと楽器を持ってエミリオの家に。彼らと一緒に演奏してSONという音楽を教えてもらえると思うと本当に楽しみだった。こういうことが一番やりたかったんだよな〜。

楽器を持ってエミリオのいつもの書斎に入ると、大きなマイクがセッティングしてある。どうやら、レコーディングをやることになったようだ(???)

「Flor de Venganza」という曲を知っているか?と聞かれ、ほとんど知らなかった私たちは、まずすでに録音されている音源を聞かせてもらうことに。歌、打楽器、トレスはすでに「 SONARTE」で録音済みなのだ。ここにトシキのベースと私たちのホーンセクションを入れるらしい。

口伝えでイントロのホーンメロディを教わり、それを楽譜に残しつつ演奏。これが結構大変な作業でした(汗)。サビからマンボになるから少し前めにリズムをとって、と言われたり、なかなかクラーベの上で演奏するのが至難の技。

それでも夜までかかってみんなでああだ、こうだ、と真剣に意見を出し合いながら楽しいレコーディングが終了。本当に勉強になったな〜。彼らの音楽に対する情熱は本当に素晴らしいものだった。

極め付けは最後にMe la pagaras (いつか払うよ)という部分のコーラスをRIOにも参加させて「イツカハラ〜ウヨ!」と全員が日本語でコーラスする場面も。

ラストのコロ(コーラス)はエミリオも参加。

10時過ぎに「お腹減ったし、そろそろ帰るね。」というと「明日もこれる?明日はSabor a miを録音しよう。」とエミリオ。もちろんOK!

翌日も同じくらいの時刻に行ってみると「Sabor a mi」は何かアイデアないかな?と聞かれるので、日本でアレンジしたものがあるけど・・・。と3人で演奏してみる。「わ、それいい!じゃそのまま録音だ!」

この曲は全く何も入れていない状態だったようで、すぐに私のアレンジが採用されてしまい、そのまま録音に突入。パコがやってきて、その上にボンゴを入れ、エミリートもマラカス(私の!)とボーカルを入れることに。



またまた夜遅くなってロビンというフジロックにも来たことのある凄い歌手が登場して昨日録音した「Flor de venganza」のモントゥーノの部分のメインボーカルを録音。これは完全にアドリブなので、途中で犬が吠えたら、そのまま歌詞にのっけて歌っていたw。



本当に楽しい楽しいキューバ録音の2日間だった。エミリオたちに感謝。もうすっかり親友のようになっているw。(つづく)