佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

知事とは会えず・・・

2010-04-22 | 石木ダム

早朝からの激しい雨も、なんとか小降りになってきました。

とはいえ、雨に濡れた椅子の上で、おばあちゃんたちはいつまで待たされるのでしょう?

 

一昨日(4月20日)、県側から清流の会に入った連絡は、

「22日朝7時半、知事が現地に行く」というものでした。

 

最近は7時半に集まって座り込みしていましたが、知事が来るならと、今日は7時に集合。

準備万端整えて待っていました。

が、時間を過ぎても一向に気配無し。

窓口役の I さん(清流の会)が電話をしてみると、

なんと、知事は、石木ダム建設事務所でこちらが来るのを待っているというのです。

 

それは違う。話が違う。

私たちは現場に来てほしいと言ったのだ。

座り込みの現場を見てほしい。話し合いはその後。

まず、ここへきて、工事現場を見て、工事に反対する住民の抗議の姿を見て、

感じてほしい、考えてほしい、貴方たちがやろうとしていることの是非を。

 

そのような趣旨のことを I さんは何度も告げましたが、

電話の向こうの河川課職員は理解できないようです。

「なぜ、ここに来れないんだ?」

「そこから車でわずか1,2分だろう」

「そこまで来て、そのまま帰ったら、知事は大恥をかくんだぞ」

「知事を出せ!知事と代われ!」

 

 I さんの抗議も虚しく、最後まで知事は現場に足を運ぶことはなく、

今日の座り込みは終わりました。

仕事を休んで参加した方、体調が悪い中足を運んだ方、

地元の方々の微かな期待も踏みにじられ、帰る後姿がとても疲れて見えました。

 

このままじゃ納得できません。

地元住民の方々に代わって、「清流の会」と「石木川まもり隊」のメンバーで、

ダム事務所へ向かいました。

 

石木ダム建設事務所の新所長さんをはじめ、県の河川課職員5,6名の方々と、

駐車場での立ち話という形で、私たちの思い、疑問を伝えました。

 

Mさんや I さんの発言の後、私はどうしてもわからない素朴な疑問をぶつけました。

ここまで来ていて、知事はどうして、あの現場に来なかったのですか?

あそこは道路のそばで危険だからです。警察からも注意を受けています。

それなら、あの工事現場の入り口を開けて、中の広場で話せばいいでしょう?

工事現場の責任者の許可なく勝手に入れません。何か事故があったら大変ですから。

今日は工事やってないじゃありませんか。危険なことなど何もないでしょう?

それにあそこは県の土地なんでしょう?

いえ、工事をやってなくても、工事期間中は工事を請け負った会社の責任になるのです。

仮に、自分で転んで怪我をしても、工事現場での事故はその工事をやっている会社の責任に

なるのですから、許可されるはずはありません。

 

へぇー! それは全く知らなかった・・と思いつつも、

だから役人という人種は、冷たく見えるんだよなぁ・・

常に規則だの計画だのに縛られて、現実を見ようとしない。

規則が絶対、前例に則っていれば間違いない、と思っているのか、

世の中の変化や民意などからは故意に目を逸らしているように感じてしまう。

 

こちらがそのような規則に疎かったことに気を強くしたのか、

そちらこそ、なぜここで話し合えないのですか?

ここで知事は待っていましたよ。

と反論してきました。

 

反対同盟の方たちは今、話し合いをしようとは思ってないのです。

話し合いをするなら、工事をストップして、専門家も交えて、

ダム建設の必要性があるのかないのか、その基本から話し合いたいのです。

造ることが前提の話し合いに応じるはずがないじゃありませんか。

 

知事は県民の痛みがわかる県政をしたいと言いましたよね?

本当に痛みをわかりたいと思うなら、まず現場に来るべきでしょう?

雨の中座り込んでるお年寄りの姿などをご自身の目で見て、

そこで語られる住民の声をその耳で聞いて、

初めて痛みが伝わってくるのではないんですか?

この事務所に座って、議論ばかりして、それで痛みが伝わりますか?

 

頷いてくれる職員が何人かいましたが、

再び彼らは、

だから、知事は25日に現地を訪ねて皆さんと話がしたいと言ってるじゃありませんか。

と、蒸し返してきました。

 

25日に応じられないのは、県庁でも何度も秘書課や河川課の方に伝えています。

住民の皆さんにもご都合があります。

なぜ、知事の都合に合わせなければいけないのでしょう。

柔和なお顔の庶民派ムードの知事さんですが、

思考回路は、やはり権力者の特別仕様になっているのでしょうか?

 

普通、お願いがあるときは、お願いしたい相手に合わせますよね~。

「ご相談があるのですが、いつがご都合よろしいでしょうか・・」と。

「相談があるので、いついつに行くからその日は空けておきなさい」

なんて言いませんよね?

 

痛みのわかる県政どころか、

まずは、常識のわかる県政を目指して欲しいものです。。

 

今日のことで、また溝が大きくなったのは、とても残念です。 

 

 

コメント (4)
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