今日のお昼ご飯は、これ!
栗がたっぷり入った、美味しい美味しい「おこわ」でした。
I さんちのおばあちゃんが朝早くから作ってくださって、
私たちが帰るときに、2パックを1つの袋に入れて渡されました。
私は大喜びで頂いたのに、
団結小屋に忘れてきてしまいました。
今朝は風が強くて寒かったので、勧められるままに上がりこんで熱いお茶を頂き、
あ~、あったまる~と感激してるうちに、駅まで送って下さるS子さんの車が来て、
急いで「ご馳走さま~」と車に飛び乗り、
おこわの包みは置きっぱなし・・・。
駅に着いて、切符を買って、しばらくして、「アー!」と気づき・・
Yさんに荷物を頼んで、タクシーに飛び乗りました。
川原まで。採石場の少し先までお願いします。
「少し先というと・・・?」
あのー、石木ダムの団結小屋ってわかります?
「わかりますよ」
そこに忘れ物をしたので、すぐ取ってきますので待ってて下さい。
また駅までお願いします。
「いいですよ。なんかよっぽど大事なもんば忘れなったとですな」
実は・・・
と、私は座り込みのことや、それに賛同して佐世保から来ていること、
それを喜んで下さっているおばあちゃんの心のこもった「おこわ」を忘れてきたことを話しました。
「ワッハッハ!
そりゃ、えらい高い「おこわ」につきましたなー」
と、大喜び?して、実は・・・と、自分も本当はダムには反対なのだと話して下さいました。
「ダムはものすごお金がかかるでしょ?
そんなことに使うお金があるなら、もっと福祉や医療に使ってほしかですよ」
「前の選挙でわたしゃ民主党に入れたとばって、なんか期待外れのごたるですなぁ」
「みんな目先のことしか考えとらんですもんなー」
そうこう言ってるうちに団結小屋に着き、忘れ物を無事確保。
(おばあちゃんたちからは呆れられてしまいました・・)
帰りの車中でも、運転手さんとの会話は続きました。
ダムができたら川や海も汚れてしまい、きっと後になって困るはず…と私が言うと、
彼も、水の大切さ、自然を一人占めしようとする人間の我がままを指摘。
その傲慢さの一例として、惨い養鶏の話を教えてくれました。
ただひたすらに卵を産ませ続けると、1,2年で(ちょっと年数は定かではないがとのこと)
産めなくなる。
そのとき餌も水も与えずにおくと、鶏は痩せて毛も抜け落ちて、餓死寸前になる。
そこでまた餌や水を与えると、再び元気になって卵を産み始めるのだという。
しかし、この手法は何回もは使えないので、次に産めなくなったら、
その時は殺して鶏肉にして食べてしまう。
私は初めて聞くその話にビックリしましたが、有り得ない話でもなさそうです。
駅が近づいてきて、このような話が聞けてよかったとお礼を言うと、
「私たちもダムの話はタブーですけんね、普段は話さんとですよ。
おこわの話に感動したけんですね…
負けときますけど、誰にも言わしたらいかんですよ」
と言って、X (エックス)円引いてくれました。
いくらかは内緒。ご想像にお任せします。
こんな嬉しいことがあれば、痛い出費もHAPPY!です。
実は、おこわだけではないのです。
これ全部、今日頂いたもの・・・
超新鮮なレタスとサニーレタスを下さったのは同世代の女性。
私たちが帰る間際に自宅の畑から採ってきて下さいました。
八朔をくださったのは団結小屋の一番元気なおばちゃん。
食べる前に観賞したいほど美しいパセリ。
それぞれ誰が下さったのかわからなくなるほど、
いろんな方が、家族で食べている手作りのものを持ってきて下さいました。
一番奥の黄色いのはタクワン。
右側の大きい袋に入った緑のものは、ブロッコリー。
きれいに洗って、食べやすい房に切り分けて下さっていて、
すぐに茹でたり炒めたりできる状態!
左側のベージュ色のものは、茹でたタケノコ。
この茹で方がまた最高で、えぐみが全くなく、私にも筍の美味しい煮物がすぐにできました。
手前の濃い緑は高菜漬け。
こちらも美味しそうですが、まだ前の頂きものが残っているので食べていません。
真ん中の物は、その高菜漬けの油炒めで、これがなんと絶品なんです!
市販品のような油っぽさ、調味料っぽさはなく、
私が作るもののように、ニンニクやショウガの味が勝ちすぎることもなく、
ちょうどよい控えめな味付けで、高菜の美味しさが引き立っています。
その上、ほそーい千切りで、口当たりが柔らかくとても食べやすいんです。
たかが高菜の油炒めと言うなかれ。
これは本当に感動ものです。
と、ここまで書いてきて、誤解を与えているかも・・と不安になったので一言。
頂いたからといって、お世辞は一言もありません。
さらに頂きたくて褒めているのでもありません。
読者の方を羨ましがらせたいのでもありません。
すべてありのままの感想です。
そして、
野菜や漬物にこめられた川原の人々のお気持ちが伝わるのではないか・・と、
それだけを願って写真まで撮りました。
川原の人々の気持ちとは、
自然を愛し、ふる里を愛し、
この土地を守りたい、
自然の恵みあふれるこの土地を、
子や孫に、次世代に、
そして未来に、手渡したい、
そういう思いです。
そういう思いに共感する私たちへの感謝の気持ちです。
もう充分に伝わったと思うので、頂きもののご披露は、もうこれくらいにします。
今後は控えます。
でないと、これから毎日食べ物の話になりそうで・・
また、ほんとに催促してるように思われても困るので・・
大西監督の映画「水になった村」を思い出します。
あの映画も食べ物がいっぱいでてきましたね~
田舎暮らしの食生活がどんなに豊かであるか・・
おばあちゃんたちの料理がどんなに美味しいか・・
大西監督の感動が、いま本当によくわかります!