昨日は、座り込みに新メンバーが参加しました。
「うたごえサークルふれんど」の仲間のTさんです。
Tさんは、山歩きが趣味で、野山の草花や鳥のことにとても詳しくて、
特に草や木の実など、山の恵みを料理するのが大好きです。
座り込みが終わって解散した後、
私たち(佐世保からの4人組)は、彼女の提案で少し寄り道することにしました。
石木川に沿った道を川原よりもさらに上り、虚空蔵山の登山口の方へ向かうと、
ハランという植物の群生してるところがあって、今、花が咲いていると思うので、
それを見たいから・・と。。
彼女の目的は、本当はもう一つあって、
石木川岸にあるタラの芽を取りたい(きっとこちらが本命だったと思う)と言ってたのですが、
「これからホタル祭りに向けて、川原の主婦たちはたくさん山菜を採って準備するんだけど、
最近はよそから来た人がごっそり採って行くので、今年は少ないとこぼしてたよ」
と言うと、「ああ、そうかぁ。そんなら採れんよね~」と、了解してくれました。
とても美味しいと大評判の虚空蔵山の水がわき出る水汲み場。
ここを過ぎると、道の傾斜はかなり厳しくなって、
彼女の車は、えっちらおっちら亀の歩みです。
そうしてやっと着いた、ハランの群生地。
青々とした元気な葉っぱがい~っぱい。スギ林の中にありました。
しかし、残念ながら、花は一つも見つかりませんでした。
あとで、ネットで調べてみたら、もう時季は終わっていたようです。
4月初めに見られるようですね。
Tさんが教えてくれたように、茎の根元、葉っぱをかき分け探さないと見つからない、
地面に埋もれるように咲いている小さな花。
でも、写真で見る限り、可愛いという感じではなく、
葉っぱのような凛としたイメージでもなく・・
興味のある方は、どうぞ検索して、ご自分の目で確かめて下さい。
ハランの花には会えなかったけど、代わりに、小さな可憐な野の花が、
そこにはいろいろ咲いていました。
この可愛い紫の花はキランソウというんですって。
Yさんたちは、薬になるから「医者倒し」と呼んでいたそうですが、
Tさんたちは、「地獄の釜の蓋」と言っていたそうで、
地面を覆う蓋のように蔓延るから・・と。
俗名って面白いですね。
この花はご存知の方も多い?
ムラサキケマンと言います。
私にとっては印象深い名前です。
3年前の今ごろ、東京の高尾山で、「ケンジュウの会」に出会いました。
植物の宝庫の高尾山に道路は要らない、
水の山高尾山にトンネルを掘らないで、
と立ちあがった若者たちのグループがあって、
その代表の坂田さんに会ったとき、小さなリーフレットを頂き、
そのリーフレットの写真と言葉に魅せられました。
ブナの大木の独り言と、水滴をいっぱいつけたムラサキケマン・・
以来、その名前は頭の奥深くに焼き付いていました。
実際には見たのは初めてのような、どこかで見たことあるような・・。
こちらは、サツマイナモリというそうです。
これも、いつかどこかで見たような・・・
こちらは、おなじみのゼンマイ。
さてさて、下ばかり向いていては腰も疲れます。
背を伸ばして、木々の間から、今来た道を振り返ると・・・
すごい景色が広がっていました。
カメラを望遠にすると、先ほど通ってきた急な坂道の横に広がっていた茶畑が、
緑の絨毯のような美しい層を成しています。
そして向こうの山の襞々が同じ高さに見えて、
かなり上まで上ったことを実感しました。
これって何かわかりますか?
道路下の崖に生えていて、上からは葉っぱしか見えませんが、
専門家?のTさんは、歩きながら素早く目に止め、
「うわー!ウドがこんなに大きくなってる~!世知原のウドはまだこんなに小さいのに~」
と喜び、何とかゲットしたい様子。
唯一の男性だったKさんは、かっこいいところを見せたかったのか?
崖下に降りて、女性3人に1本ずつ折って渡してくれました。
お店で見るウドは白いから・・
これがウドだなんて、私には全く想定外の姿でした。
Tさんに料理法も教えてもらい、夕食のテーブルには、たったこの1本で、
3品も作れました~!
葉っぱと細い茎の部分はキンピラに・・・私は冷蔵庫に残っていたクジラのスジ肉と炒めました。
中くらいの茎の部分はてんぷらに・・・味は何もつけなくても美味しかった!
太い茎の部分は薄い拍子木に切って水にさらして酢味噌和えに・・・ところが、
いくら水にさらしても苦くて苦くて…さっと茹でてみたらOK!タイラギと合えたらgoodでした。
思いがけない収穫に満足して、帰路に着いた私たちでしたが、
帰り途、タラの木のところで車を止めたTさん。
よほど心残りだったのかな?
これも私には、初めて見た、というより認識できた植物でした。
これまでの人生で、タラの木の1本や2本、どこかできっと出会っているはずですが、
気にも留めずに通り過ぎていたのですね。
やはりお店で見るタラの芽は、本当に芽の部分だけなので、
フキノトウのように、あの芽の部分が地面から出ているのだとばかり思っていました。
つまりタラの芽のタラとは草類だとばかり思い込んでいたのです。
お恥ずかしい・・
下りはスイスイ走ります。
その車窓から見えるのは、この見事な棚田の連続。
山菜もお茶も、お米も野菜も、草花も、
豊かな実りの源は石木川。
虚空蔵山から生まれ出た清水が集まり流れ出て、
流域のあらゆる命を紡いできた石木川。
この川の流れを止めるなんて、やっぱり許せない・・