佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

石木川の恵み

2010-04-15 | 石木ダム

昨日は、座り込みに新メンバーが参加しました。

「うたごえサークルふれんど」の仲間のTさんです。

Tさんは、山歩きが趣味で、野山の草花や鳥のことにとても詳しくて、

特に草や木の実など、山の恵みを料理するのが大好きです。

 

座り込みが終わって解散した後、

私たち(佐世保からの4人組)は、彼女の提案で少し寄り道することにしました。

石木川に沿った道を川原よりもさらに上り、虚空蔵山の登山口の方へ向かうと、

ハランという植物の群生してるところがあって、今、花が咲いていると思うので、

それを見たいから・・と。。

 

彼女の目的は、本当はもう一つあって、

石木川岸にあるタラの芽を取りたい(きっとこちらが本命だったと思う)と言ってたのですが、

「これからホタル祭りに向けて、川原の主婦たちはたくさん山菜を採って準備するんだけど、

最近はよそから来た人がごっそり採って行くので、今年は少ないとこぼしてたよ」

と言うと、「ああ、そうかぁ。そんなら採れんよね~」と、了解してくれました。

 

とても美味しいと大評判の虚空蔵山の水がわき出る水汲み場。

 

ここを過ぎると、道の傾斜はかなり厳しくなって、

彼女の車は、えっちらおっちら亀の歩みです。

 

そうしてやっと着いた、ハランの群生地。 

青々とした元気な葉っぱがい~っぱい。スギ林の中にありました。

しかし、残念ながら、花は一つも見つかりませんでした。

あとで、ネットで調べてみたら、もう時季は終わっていたようです。

4月初めに見られるようですね。

Tさんが教えてくれたように、茎の根元、葉っぱをかき分け探さないと見つからない、

地面に埋もれるように咲いている小さな花。

でも、写真で見る限り、可愛いという感じではなく、

葉っぱのような凛としたイメージでもなく・・

興味のある方は、どうぞ検索して、ご自分の目で確かめて下さい。

 

ハランの花には会えなかったけど、代わりに、小さな可憐な野の花が、

そこにはいろいろ咲いていました。

 

この可愛い紫の花はキランソウというんですって。

Yさんたちは、薬になるから「医者倒し」と呼んでいたそうですが、

Tさんたちは、「地獄の釜の蓋」と言っていたそうで、

地面を覆う蓋のように蔓延るから・・と。

俗名って面白いですね。

この花はご存知の方も多い?

ムラサキケマンと言います。

私にとっては印象深い名前です。

3年前の今ごろ、東京の高尾山で、「ケンジュウの会」に出会いました。

植物の宝庫の高尾山に道路は要らない、

水の山高尾山にトンネルを掘らないで、

と立ちあがった若者たちのグループがあって、

その代表の坂田さんに会ったとき、小さなリーフレットを頂き、

そのリーフレットの写真と言葉に魅せられました。

ブナの大木の独り言と、水滴をいっぱいつけたムラサキケマン・・

以来、その名前は頭の奥深くに焼き付いていました。

実際には見たのは初めてのような、どこかで見たことあるような・・。

 

こちらは、サツマイナモリというそうです。

これも、いつかどこかで見たような・・・

 

こちらは、おなじみのゼンマイ。

 

さてさて、下ばかり向いていては腰も疲れます。

背を伸ばして、木々の間から、今来た道を振り返ると・・・

すごい景色が広がっていました。

カメラを望遠にすると、先ほど通ってきた急な坂道の横に広がっていた茶畑が、

緑の絨毯のような美しい層を成しています。 

そして向こうの山の襞々が同じ高さに見えて、

かなり上まで上ったことを実感しました。

これって何かわかりますか?

道路下の崖に生えていて、上からは葉っぱしか見えませんが、

専門家?のTさんは、歩きながら素早く目に止め、

「うわー!ウドがこんなに大きくなってる~!世知原のウドはまだこんなに小さいのに~」

と喜び、何とかゲットしたい様子。

唯一の男性だったKさんは、かっこいいところを見せたかったのか?

崖下に降りて、女性3人に1本ずつ折って渡してくれました。 

お店で見るウドは白いから・・

これがウドだなんて、私には全く想定外の姿でした。

Tさんに料理法も教えてもらい、夕食のテーブルには、たったこの1本で、

3品も作れました~!

葉っぱと細い茎の部分はキンピラに・・・私は冷蔵庫に残っていたクジラのスジ肉と炒めました。

中くらいの茎の部分はてんぷらに・・・味は何もつけなくても美味しかった!

太い茎の部分は薄い拍子木に切って水にさらして酢味噌和えに・・・ところが、

いくら水にさらしても苦くて苦くて…さっと茹でてみたらOK!タイラギと合えたらgoodでした。

 

思いがけない収穫に満足して、帰路に着いた私たちでしたが、

帰り途、タラの木のところで車を止めたTさん。

よほど心残りだったのかな?

これも私には、初めて見た、というより認識できた植物でした。

これまでの人生で、タラの木の1本や2本、どこかできっと出会っているはずですが、

気にも留めずに通り過ぎていたのですね。

やはりお店で見るタラの芽は、本当に芽の部分だけなので、

フキノトウのように、あの芽の部分が地面から出ているのだとばかり思っていました。

つまりタラの芽のタラとは草類だとばかり思い込んでいたのです。

お恥ずかしい・・

 

下りはスイスイ走ります。

その車窓から見えるのは、この見事な棚田の連続。

 

山菜もお茶も、お米も野菜も、草花も、

豊かな実りの源は石木川。

虚空蔵山から生まれ出た清水が集まり流れ出て、

流域のあらゆる命を紡いできた石木川。

 

この川の流れを止めるなんて、やっぱり許せない・・ 

 

コメント (5)
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