佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

カドミウム土壌汚染 33年ぶり復元

2012-03-29 | さよなら原発

4大公害病の1つ「イタイイタイ病」を引き起こしたカドミウムによる土壌汚染。

それが33年ぶりに復元されたという記事が出ていたのは少し前の3月18日。

私の中では「イタイイタイ病」という病名さえ、遠い過去の思い出。

学生時代の公民で習った知識の1つにしか過ぎませんでした。

 

私のように無関心な人々に忘れられていた間、地元では、汚染された農地を取り戻そうと、

1979年からずっと土を入れ替える作業を続けていたそうです。

東京ドーム185個分の農地を対象に、汚染土を剥ぎ取って埋め戻し、別の土をかぶせたという。

しかし、ただ土を入れ替えただけではなかったのです。

33年という長い年月に及ぶ農家の人々の苦労…

後日、知人から教えてもらった毎日新聞の記事を見て、胸が熱くなりました。

そして、土壌を汚染することがどんなに取り返しのつかないことであるか知りました。

是非読んでみてください。

 

イタイイタイ病:農家のプライド支えに 福島にエール

復元した水田の状態を確認する吉田清さん=富山市で、岩嶋悟撮影
復元した水田の状態を確認する吉田清さん=富山市で、岩嶋悟撮影

 イタイイタイ病の原因物質・カドミウムに汚染された田が復元されるまで、富山市の神通川流域では多くの農家が人の口には入らないコメを作り続けた。同市の兼業農家、吉田清さん(80)も心が折れそうになりながら、「もう一度おいしいコメを作る」という信念で、田を守り続けた。汚染された土壌の復元事業は17日、33年をかけてようやく終わった。今は、東京電力福島第1原発事故で被災した農家を気遣い、励ます。

 復元事業開始当時、玄米中のカドミウム濃度が1ppm(ppmは100万分の1)を超えるコメが収穫された田は作付けが禁じられ、0.4~1ppm未満の田は「準汚染米」として国が買い取って、工業用のりに使われた。

 吉田さんが所有する約1.8ヘクタールは汚染田に指定された。復元工事が着手された93年まで、米袋に黄色い札をつける「準汚染米」を作り続けた。「何のために作っているのか」。折れそうになる心を支えたのは、先祖代々続く農家としての誇りだった。「我慢に我慢を重ねて私まで9代続けてきた。簡単に離れるわけにはいかない」

 復元後の00年、市場への出荷が許された。「ようやく人の口に入るおいしい米を作れるようになった」。安堵(あんど)とともにうれしさがこみあげてきたという。吉田さんは「二度と汚染が起きないように住民も原因企業も努力をしないといけない」と語り、この日の完工式に出席した。

 気がかりなのは、原発事故で飛散した放射性物質に苦しむ福島の農家のことだ。「福島の除染の規模は、ここと比べものにならない」と顔を曇らせる。それでも「個人農家が農業を諦めたという話は聞かない。土を相手にする人は芯がある。だから簡単に諦めんちゃ」と言い切った。【岩嶋悟】

毎日新聞 2012年3月17日 12時16分(最終更新 3月17日 12時49分)

 

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しーちゃんのひとりごと 3

2012-03-29 | 童話

わーっ、まぶしい!

東の山からこぼれ出たオレンジ色の光が、みるみるうちに空や雲を茜色に染め

地上を照らし始めました。

 

わー、ちっちゃなかわいい田んぼがいっぱい!

まるで階段みたい!

 

あれは棚田というんだよ。

この辺は平地が少ないから、

昔から山の斜面の土地を耕して、米を作ってきたんだよ。

 

あ、あれは何?

黄色い帯のようなものが・・・

 

黄色い帯?どれどれ?

ああ、あれは菜の花じゃよ。

ほれ、その横に川が見えるじゃろ?

石木川というんじゃ。

石木川のほとりにはこの時期、菜の花がいっぱい咲いておるからな。

流れに沿ってくねくねと、帯のように見えたんだね。

 

石木川?

ほんとだ!きらきら光ってる!楽しそう・・

しーちゃんもあそこを走ってみたい!

 

あれ?

向こうに見えるのは湖?

 

あれは、大村湾といって、海なんだよ。

石木川の流れも、川棚川という大きな川と出会って、一緒に流れてゆき、

最後は大村湾に辿り着くんだよ。

 

わー、いっぱいお友だちと出会えそう。

早く行きたいなぁ。

ねぇ、スダジイ、

石木川へ行くにはどうすればいいの?

 

そうさな・・

それほど簡単ではないぞ。

川の滴になるには、まずこの山の地下深くを旅するんじゃ。

歩いて歩いて歩きまわるうちに、

しーちゃんの体内に森の恵みが溜まってくる。

そうすると体が自然と川に向かっていくんじゃよ。

 

森の恵み?

 

そうじゃ。

その恵みが、きれいな花を咲かせたり、

美味しい米を作ったり、元気な魚を育てたりするんじゃから。

 

え?そうなの?

海の魚は海の餌を食べて育っているんじゃないの?

 

そのとおり。

じゃが、その餌がたくさん元気に育つには、森の栄養分が必要なんじゃ。

その役目を果たしているのが川の滴の一滴一滴じゃ。

 

そうかぁ・・

わかった!スダジイ。

しーちゃんは、これから虚空蔵山の地下の旅に出かけます。

そしていつか石木川の滴になれるよう頑張ります。

 

そうかい、そうかい。

しーちゃんなら、やれそうだな。がんばるんだよ。

 

ああ、もう完全に夜が明けたようだ。

ほら、鳥たちの鳴き声が聞こえてきただろう?

喉の渇いた小鳥たちに飲み込まれないうちに、そろそろここを降りた方がいい。

 

はい!

スダジイ、いろいろ教えてくれてありがとう。

元気でね。

いつか石木川の滴になれたら、

川を流れていきながらスダジイに手を振るから、

ここから見ていてね。

 

わかった。待っているよ。

 

じゃあ、さようなら~~~~~~~~~~~~~~

 

しーちゃんは、葉っぱから葉っぱへ、

ポロン、ポロン、ポロ、ポロンと歌うように降りていきました。

 

                                                    (つづく)

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原発避難者の願い

2012-03-27 | さよなら原発

3月10日のキャンドルナイトで知り合った若いお母さん。

福島原発事故後、子どもの体調異変(鼻血や原因不明の発熱、発疹、白血球の減少等々)に驚き、

子どもを守るために長崎県に移住してきたMさん。

彼女から届いたメールの一部を紹介します。

 

> なんとか、汚染を免れた九州は、

 東北関東の放射能汚染された地域で移住を検討している人にとって、

 元の生活を取り戻せる憧れの地です。


> やっとの思いですべて投げ出して移住したこの地に

 放射能を含む瓦礫を持ち込まないでほしいと願っています。


> 私は移住して半年、まだ二重生活ではありますが、

 こちらで住居も借り仕事もし意外と落ち着いて生活しています。


> 来月には旦那が仕事を辞めてこちらへ来るので、

 生活は苦しいかもしれませんが、楽しくやっていけると思います。


> 目下の心配は震災瓦礫が大村市受入の不安と、玄海原発の存在。


> どれほど汚染されているのかもわからない震災瓦礫の受け入れ反対に賛同して頂けたら、

  反対の声を上げていただけると嬉しいです^^


> 綺麗な九州を守っていきましょう!

 

Mさん、本当にそうですね。

一緒に声をあげていきましょう。

 

ガレキ受け入れを考えている自治体の首長さんや議員さん、

あなたの市や町や村に移住してこられた避難者の声に、どうか耳を傾けて下さい。

 

 

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しーちゃんのひとりごと 2

2012-03-26 | 童話

ここは虚空蔵山(こくぞうさん)の森の中じゃ。

 

コクゾウサン?

 

虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)が祀られた山という意味じゃ。 

 

コクウゾウボサツってなぁに? 

 

仏教の世界で「覚りを求める人」を「菩薩」というんじゃが、

その中の一人が「虚空蔵菩薩」。

虚空蔵とは、宇宙のように広い無限の智恵と慈悲を持っておるという意味じゃ。 

 

ふーん、よくわかんない。 

 

わからんでもいい。

人間の考えることは、わしにもようわからん。

賢い動物のようで、とてつもなく愚かな生きもののようで…

 

ところで、虚空蔵山は日本中にいくつもあるが、今では名前だけのところがほとんどじゃ。

しかし、ここは違う。

今も山頂に虚空蔵菩薩を大切に祀っておってな、

里に住む人間たちはこの山を「こくんぞう」とか「こくんぞさん」と、親しみを込めて呼ぶんじゃよ。 

 

「こくんぞさん」かぁ、おもしろいね。

わたし、今日から「こくんぞさんちのしーちゃん」になる!

おじいさんは「こくんぞさんちのスダジイ」だね。

嬉しい?

 

そりゃあ、嬉しいよ。

今は、あちこちの山が、人間によってズタズタにされておる。

高速道路やトンネルやダムを造るために、わしらの仲間は簡単に切り倒されてきた。

だが、この山で生まれ、「こくんぞさんちのスダジイ」になったおかげで、

その心配をせずに安心して暮らせるから、それは嬉しいさ。

 

どうして心配しなくてもいいの?

 

この山の麓には本当に賢い人間たちが住んでおるからじゃ。

本当に大切なものは何かを知っておる者たちじゃ。

 

本当に大切なものってなぁに?

その人たちには、どこに行けば会えるの?

 

本当に大切なものが何か・・それは自分で見つけるんじゃよ。

誰かに教えてもらって見つかるものではない。

 

その人間たちは川原(こうばる)という里に住んでおる。

しーちゃんも元気で旅を続けていたら、きっと会える。 

楽しみにしているがいい。

 

そのとき、東の山の尾根の向こうから、オレンジ色の光がこぼれ出しました。

 

                                                  (つづく) 

 

 

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平和市長会議 2020ビジョン

2012-03-25 | 平和

23日の佐世保市議会本会議で、

請願第23号「平和市長会議への加盟を求める請願」は、賛成少数で正式に不採択となった。

賛成したのは、共産党と社民党の議員5名だけ。

その内の一人山下議員は賛成討論の中で、平和市長会議について多くの情報を提供。

たいへん参考になったので、忘れないよう、要点をここにメモしておく。

 

1.世界平和市長会議は2003年に「2020ビジョン」を打ち出した。

  それは、2020年までに核兵器ゼロを達成しようというもの。

 

2.どのようにしてなくしていくか、それは世界中の人々の世論を喚起。

  世界中の各市がNPTなど国連とも連携し、どんなに核兵器が恐ろしいものであるのか、

  人類と核兵器は共存できないという認識を、市民に伝え広めていく。

 

3.核兵器保有国の世界平和市長会議加盟都市は、

  自国政府に向かって自国核兵器の解体を迫る行動をおこそう。

 

4.核兵器を保有してない国の世界平和市長会議加盟都市は、

  自国政府が核兵器の開発に乗り出そうとしたら、それを阻止する行動をおこそう。

 

5.この2020ビジョンは、多くの国々と都市、国連からも強い支持を集めている。

  全米市長会議、日本の全国市長会議、ヨーロッパの地方都市連合もこぞって賛同し、

  パンギムン国連事務総長は「私には、水平線のうえに核兵器のない世界が見える」と発言。

  

6.その結果、近年加盟数が激増。(以下の数は「平和市長会議」のHPより抜粋)

  2004年には600の都市しか加盟していなかったが、

  2005年に1000を突破。

  2008年には2000を突破。

  2009年には3000を突破。

  2010年には4000を突破。

  2011年、ついに5000を突破!

 

7.日本全国787の都市の中で、加盟都市数は662。実に84%に相当する。 

  被爆県の広島県は、100%の自治体が加盟。

  同じく被爆県の長崎県は100%ではない。

  それは、佐世保市が加盟していないから。

 

でも、みんなが加盟しているから加盟すべきというのではない。

私は加盟した方が良いと思うから、加盟してほしいと思っている。

私たちは平和な地球、平和な毎日を望んでいる。 

再び、広島・長崎のような犠牲者になりたくないし、他国の人にもなってほしくない。

だから核兵器は要らないし、無くしたい。

そのために世界中の市民が手を繋げたら、その日はより早く来ると思う。

だから加盟してほしい。

ただ、それだけ。

 

核兵器も原発も、一日も早くなくしたい。。  

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DAYS JAPAN 講演会 3.11から一年 福島原発事故から一年

2012-03-24 | さよなら原発

 

「3.11から一年 福島原発事故から一年」と題されたDAYS JAPAN の講演会。

東京中野のZEROホールで開催されたDAYS JAPAN 講演会。

その貴重な話を九州の最西端の地の我が家で聴くことができるなんて・・・

タイムラグはあるけれど、DAYS JAPAN と ユーチューブと友人に感謝!

 

上杉隆さん(ジャーナリスト)のお話は、かつての大本営発表の時代から本質的に変わっていないのではないか?と思えるような日本の報道の体質を感じてしまいました。

「海洋リークの問題を東電会見で追及していたとき、後ろの記者クラブの記者から"一人よがりの質問してんじゃねぇ"と邪魔されました。このような記者が書いた記事を多くの日本国民が信じているのです」

 

その海洋リークについて、放射能がどれほど漏れだしたのか時系列に記録した地図を示しながら、
作家の広瀬隆さんは、「すさまじい海洋汚染」と表現しました。

「空へもうもう 海へじゃーじゃー」放射能を流出し、地球を汚してしまったのです。

また、これから起きるであろう大地震や大津波の可能性の高さ、今から逃げることを真剣に考えておいてほしいと訴えました。

 

一番心に残ったのは、最初に話して下さった「いわき市民放射能測定室」の鈴木薫さんのお話。

具体的な日常の事例を淡々と紹介しながら、市民がおかれている不安いっぱいの生活の実態がとてもよく伝わってきて、驚きと恐怖が静かに広がるのを感じました。

その「いわき放射能市民測定室」のHPはこちらです。

http://www.iwakisokuteishitu.com/

食品の放射能汚染を測定する食品放射能スクリーニングシステムやベクレルモニター、簡易型ホールボディカウンターなどを、市民自らの手で配備し、市民自ら測定し、市民のいのちと健康を守るために昨年11月13日に開設されたようです。

設立趣意書の一部をご紹介します。

 

 わたしたちは、「いわき放射能市民測定室」を設立します。

原子力発電所の事故による広範な放射能被害の下で、不安な生活を強いられているわたしたち自身が、よりよく、より強く、生きていくために、それを設立するのです。


 不安の払拭はその正体を追い詰め正しく識知することから始まります。

事実を見つめることなく曖昧で不信実なことばで取り繕うことは、目には見えないが確かな焼け野原に立っているわたしたちには、もはや前時代のものでしかありません。

わたしたちは地域住民とともに被曝の事実をひとつひとつ確かめていくということから始めます。

かつてわたしたちがこの地で経験したことのない、もたらされた自然の病態と治癒とを手探りでたどり確かめていくことは、野の人の手作業のように、間違ったらまた戻り、やり直し、積み重ねていくということです。

どうかそこにひとつの良心が立ち上がりますように。

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NIMBYではありません!

2012-03-23 | 雑感

ガレキ処理について、友人知人から、いろんな情報をいただきました。

まだ全部読み終えていませんし、

読んでも私の知識では理解困難なものも有りそうですが、備忘録のつもりでメモしておきます。

 

☆ 徳島県環境整備課の「放射能を帯びた震災がれきについての回答
  http://www.pref.tokushima.jp/governor/opinion/form/652
  (すでにご覧になった方も多いでしょう。賞賛の声があちこちで聞かれました)

☆ 河野太郎議員による現地情報と意見
   http://www.taro.org/2012/03/post-1171.php
   (巷で言われているいろんなことをQ&A形式で開示。受入れ派)

☆ 神戸大学大学院・山内知也教授「がれきの受け入れに反対する理由」
   http://peacechildren.web.fc2.com/dl/yamauti.pdf
   (放射能汚染されたがれきについて書かれています)
  
☆ 「瓦礫広域処理は問題の山 環境総合研・池田副所長に聞く」(東京新聞)
   http://eritokyo.jp/independent/ikeda_tokyonp_20120215.pdf
   (たいへんわかりやすい記事でした)
  
☆ 小出裕章「瓦礫広域処理について」(大阪維新の会主催の勉強会での講演の動画と書き出し)
    http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1526.html
  
☆ 岩手県岩泉町長のコメント(税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこにある?)
   http://mercury7.biz/archives/18279
  
☆ 阪神・淡路大震災におけるガレキの処理・活用に関する調査と考察
  http://www.pari.go.jp/cgi-bin/search-ja/detail.cgi?id=199803089901
  http://www.pari.go.jp/search-pdf/no0899.pdf
  (参考にすべき資料だと思います)

☆ 陸前高田市長提案 専用焼却炉門前払い(東京新聞)
  http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/26bb262a3fff61456bdfbda6b6a5349c
  (なぜ国や県は地元の声に耳を傾けないのでしょうか?)

☆ 災害がれきの広域処理を考えるシンポジウム―法的問題・安全性を問う(環境総合研究所)
  http://www.eforum.jp/ikeda20110311/ikeda-debriswideareatreatmetissue.pdf

 

 知れば知るほど、広域処理の危険性とムダを感じます。

 

でも、私もたいへん尊敬している小出先生は、「福島の子どもを守りたい」、

このままだと福島の子どもたちがどんどん被爆してしまう、

だから、全国の自治体で引き受けるしかないとお考えです。

専用のフィルターをつけて焼却し、焼却灰は東京電力に返す。

今後、福島原発で建設が必要となる石棺や地下遮水壁などのコンクリート材として、

事故の収束作業のために使うのがいいと言われました。

 

しかし、尊敬する小出先生のお言葉ですが、私には納得できません。

福島の子どもを救うには、例えば、ここ佐世保に子どもたちを連れてくれば大丈夫です。

でも、福島の汚染ガレキを佐世保で受け入れて処理して、

フィルターから放射能が漏れたり、そのとき雨が降って大地が汚染されたりしたら、

佐世保の子どもたちも被爆するでしょう。

そうやってガレキ処理を引き受けた全国各地に汚染が広がったら、

福島の子どもたちが安心して逃げる場所さえなくなってしまいます。

守るべき子どもたちは、今だけではありません。

10年後、50年後、100年後、日本に生まれてくる子どもたちが、

安心して住める場所をより多く確保しておくのが私たち大人の役目ではないでしょうか。

低レベルであっても放射能を拡散させるべきではない、

できるだけ1ヶ所に閉じ込め、封じ込めることが大切だと、

誰よりもご存じのはずの小出先生なのに・・・

福島の子どもたちの身を誰よりも案じるあまりなのだということもわかりますが・・

 

20日の長崎新聞「水や空」には、がっかりというか、怒りさえ覚えました。

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/mizusora/2012/03/20102318.shtml

ガレキ受け入れを拒む人たちを、「NIMBY(ニンビー)」呼ばわりしています。

NIMBY=Not in my backyard=私の裏庭には勘弁してね

(ゴミ処分場など必要性を論じる時は賛成するが、どこに造るかの話になると拒否する身勝手な人)

 

「今このときに、ニンビーなる言葉が方々から聞こえてくるのは悲しい」

「被災地の痛みを分かち合うというなら、震災瓦礫も分かち合うのが、人間らしい態度」

「放射線への不安は、国や自治体に万全の対策を実行させて乗り越えるしかない」

と書かれていました。

 

私たちは、自分の市や町はイヤで、他の自治体にお願いしたいと言っているのではありません。

汚染や被害を拡散させないために、現地で処理すべきなのではないかと思っているのです。

「国や自治体に万全な対策を実行させて…」と言いますが、

それがこれまでできてなかったから、こんな大事故が発生したのではありませんか?

国の安全が安全でないのは、もう十分学習したから、

今度は自分たちでしっかり考えて、よりよい方法を皆が模索しているのではありませんか!

 

長崎県に移住してからずっと長崎新聞を取っていますが、

こんなに失望した記事は初めてです。

 

 

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佐世保市議会は何のためにあるの?

2012-03-23 | 平和

 

世界中の平和を求める市長さんたちの会議=平和市長会議に未加盟の佐世保市。

県内で加盟してないのは佐世保市だけ。

是非、佐世保市も加盟してほしいと市議会に請願が出され、

19日、文教厚生委員会で審議し、それを不採択としたという。

 

記者は反対した委員らにその理由を尋ねた。答は、

「市長が決断すべき問題」

「加盟を求める市民の声がもっと増えれば状況は変わるのでは」だった。

 

はぁ?市長が判断すべき???

心の中で大声を出していた。

この委員は、「平和市長会議」だから市長が判断すべきと本気で思っているんだろうか?

では、市長が変わる度に参加したりしなかったりするとでもいうのか?

市長は市民を代表して参加するのであって、その会議に市長を送り出すかどうかは、

私たち市民の意志であるはず。

そして、その市民の意志を代弁するのが市議さん、あなた方の役目ではないのか?

あなた方は、市長の意志をまず重視しようと言うのか?

市長の意に沿って会議するだけの議会なら要らない。

まさに税金の無駄遣い。

 

加盟を求める市民の声がもっと増えれば…?

こう語った委員さん、あなたは市民の声を訊いたのか?

いつ確認したのか?

私は訊かれた覚えはない。

訊かれなかったけど、佐世保市に越してきた翌年(2009年)、

佐世保市も加盟してほしいとの思いを、新聞に投稿したことがある。

その年は、平和市長会議が長崎で開かれる絶好のチャンスだった。

でも、佐世保市長は出席しないと言った。

その記事を読み、どうしても一市民としての思いを伝えたかった。

 

そんな声をあなたは知らないだろう。それとも知らぬふり?

いずれにしても、全市民の声を確認したわけでもないのに、

加盟を求める市民が少ないなんて決めつけないでほしい。

 

私は、1989年、第2回平和市長会議を傍聴した時のことが忘れられない。

深く心に残る感動的な場面がいくつかあったが、その中の一つ。

 

西ドイツのハノーバー市からやってきた市長さんは、政治生命をかけて参加していた。

4年前の第1回会議に参加したことで、バイエルン州政府の裁判にかけられていた。

(東ドイツやソ連など、東側諸国の市長さんもたくさん参加するこの会議は、当時の西ドイツでは危険なものに映っていたのだろう)

再び参加すれば、また裁判にかけられ、今度こそは危険な政治家として、市長の座を追われることになるかもしれないと語っていた。

しかし、私を支持する市民や議員が私を行かせてくれた、私に是非参加してほしいと言った。

彼らは私を無事に飛行場まで送ってくれた。

彼らのおかげで、私は今ここにいる、

帰国したらすぐ身柄を確保されるかもしれないが後悔はしない、と言っていた。

 

その市長さんの安否が気になっていたが、知る術もなく、

いつしか忘れてしまっていたその年の暮れ、ベルリンの壁が壊された。

広島で固く握手していた東ドイツのベルリン市長さんと、

今ごろはきっと、抱き合って喜んでいるかもしれない。

テレビの映像を見ながら、勝手に想像していたっけ。

 

佐世保市議の皆さん、

賛成にしろ、反対にしろ、「平和市長会議」の中身と歴史をしっかり勉強して、

市民の声にしっかり耳を傾けて、

それらを議会で堂々と議論してもらえませんか?

でなければ、あなた方がそこにいる意味が私にはよくわかりません。

 

 

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感動の選手宣誓

2012-03-22 | 雑感

昨日、例年のように、春の選抜高校野球大会が始まった。

特に野球ファンでもない私は、たまたまニュースで見て知ったのだけれど…

思いがけず、開会式の選手宣誓に釘付け!

一言一言、自らも噛みしめるように発する石巻工高の阿部翔人主将の声が、

私の心に響き渡った。

 

これまで選手宣誓を聴いて感動したことなんて、なかった。

この歳にして初体験!

 

今朝の新聞に全文が載っていた。

 

東日本大震災から1年。

日本は復興の真っ最中です。

被災された方々の中で苦しくて心の整理のつかない方、今も当時のことや亡くなられた方を忘れられず悲しみに暮れている方々がたくさんいます。

人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることは苦しくて辛いことです。

しかし日本がひとつになり、この苦難を乗り越えることができれば、その先に大きな幸せが待っていると信じています。

だからこそ、日本中に届けます。

感動、勇気、そして笑顔。

見せましょう、日本の底力、絆を。

われわれ高校球児にできること。

それは全力で戦い抜き、最後まであきらめないことです。

今、野球ができることに感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。

 

新聞によると、チームみんながホワイトボードに書きだした言葉を阿部君が文章化したという。

本当に素晴らしい宣誓文だ。

でも、文字として読むと、あのとき感じたほどの感動は伝わって来ない。

やはり阿部君の気持ちのこもった声が、文章以上のものを私たちに伝えてくれたのだと思う。

 

被災地の皆さんはどんなに嬉しかっただろう。

阿部君の家族、石巻工高の生徒や先生や卒業生、石巻市民、宮城県民だけでなく、

東北被災地全体の人々が強く勇気づけられたに違いない。

 

あらためて思う。

被災地の現実がわかっているのは、やはり被災地の人たちだ。

大人でも子どもでも、そこにいる体験者にしかわかっていないこと、感じられないことがあると思う。

 

被災地の復興のために私たちがやれることは、まず、被災者の声にしっかり耳を傾けること!

これが第1歩であり、全ての土台だと思う。 

 

追記:今日、その石巻工高が鹿児島県の神村学園と対戦。

    敗れたりと言えども、約束通り、全力で戦い抜き、あきらめない気持ちと底力を見せてくれた。

    何より、笑顔が素敵だった。 

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原子力マフィア?

2012-03-21 | さよなら原発

昨日、山梨の友人から、あるTV番組を紹介するメールが届きました。

「転送します。この動画、是非見て下さい。30分弱です」とのコメント付きで。

いつも遠慮がちな彼女が「是非」と言うからには、よほど伝えたいのだと思いました。

でも、その時は忙しかったので、日付が変わってから見始めました。

 

友人の気持ちがわかりました。

私も、あなたに見てほしいです。

このブログに立ち寄って下さったあなたに見てほしいです。

 

日本のテレビではありません。

ドイツの2DF(ツェット・デー・エフ=公共第二放送)が作った報道番組だそうです。

でも大丈夫、日本語の字幕が付いています。


原子力ムラの恐ろしさを、私はまるで知らなかった…と、これを見て思いました。

あなたはご存知でしたか?

福島県の元知事の佐藤栄佐久氏は東電の報告書の改ざんや事故の隠ぺいを指摘し、

その結果、後にどんなことが起きたか…

あなたはご存知でしたか?

県民の命を守らなければならない知事としては当然のことをしただけなのに…

 

この番組を友人に紹介してくれた方は、

「原子力ムラ」と言うよりも「原子力マフィア」という表現の方が適当なのではないか?

とおっしゃっています。

 

同感です。

是非、ココをクリックしてみてください。
     ↓
http://www.dailymotion.com/video/xpisys_yyyzdf-yyyyyyy_news

 

追記:この番組の文字起こしをしたサイトがありました。

http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-1179.html



  



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