記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

昭和2年の吉田初三郎「日本八景雲仙岳」にみる桜景と紅葉の混在景

2020年04月08日 22時16分29秒 | 吉田初三郎

鳥瞰図にみるサクラ景探し第2弾。吉田初三郎「日本八景雲仙岳」は、一枚の作品に四季を巧みに描きこむ彼ならではの遊び心が詰まった、名所図会(大正広重とも呼ばれた)作家・初三郎ならではの真骨頂的な作品。本来ならあり得ない、紅葉とサクラが絵の中で一緒に描かれてます。

ちなみに「日本八景雲仙岳」は1927(昭和2)年の新日本八景当選を記念し、従来の「温泉岳(うんぜんだけ)」表記から改称した頃の作品です^_^。この図は1934(昭和9)年に雲仙が「国立公園」第1号指定を受けるきっかけにもなり、雲仙市が誕生した際の観光パンフレットにも採用。さらに、2014年の雲仙国立公園事務所80周年式典でもパネル展示等で活用いただきました。

雲仙は秋の紅葉がとくに有名なので、この作品にも紅葉が一番目立ちます。しかし、よく観察すると雲仙・古湯や小浜温泉などにサクラ景もたくさん描きこまれ、初三郎の描く「美の国日本」的作品群に欠かせない要素である事も伺えます。

ちなみに、過去このブログでも紹介したことがありますが、この作品を観た小浜温泉の「湯せんぺい本舗」三宅商店が初三郎に頼み込み、ラベルのデザイン化の許可を得たそうです。下のラベル写真は、三宅さんからいただいた昭和からの歴代のラベル。

現在まで小浜土産として鳥瞰図ラベルの「湯せんぺい」、そのまま食べるのも美味しいですが、地元では病院や高齢者施設を含めて、牛乳をかけてフレーク的に食べるとか。私も試してみましたが、美味しくてやみつきになりました。

 

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