ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

外国人に日本語を教える⑤~日本語の特徴・音声編

2010-04-05 | 日本のいろいろ


どんな言語にもその言語に特徴的な音があります。たとえば英語の「r」と「l」の発音の違いを筆頭に、「v」と「b」、「th」や「f」の音も日本人にとっては難しいと言われているもの。これは日本語にない音だから。
 
フランス語の「fromage」もカタカナに直せば「フロマージュ」と日本語になっているけれど、きちんと発音しようとすると「fro」も「ge」も日本語には無い音。
 
つまり自分の母語に無い音は「発音しにくい」もの。発音しにくいものは「聞き分けられない」ものであり、「聞き取りにくい」もの。自分の母語にあるどんな字を当てはめていいか判らないもの。
 
では、日本語の音声の特徴は?私たちが簡単に発する音でも、外国語として日本語を学習する人たちにとっては難しいものもあります。

その1:「清音」「濁音」「半濁音」
「濁音」は「゛」のついている音。何もついていない清音の「か」→「が」、「は」→「が」、これらが発音しにくい人もいます。
「半濁音」は「゜」のついている音。清音の「は」→「ぱ」、「ひ」→「ぴ」、これらを区別して発音するのが難しいと感じる人もいます。

その2:「長音」「促音」「撥音」「拗音」と「拍」
「長音」はのばす音。「おばさん」→「おばあさん」を区別できない人もいるし、「おとうさん」「おかあさん」と発音できずに「おとさん」「おかさん」となってしまう人もいます。

「促音(そくおん)」は小さな「っ」。たとえば「切手(きって)」と言うとき、「き」と「て」の間に音のない瞬間があるのですが、これを聞き取れないこと多し。わたしもルーマニアで教えるとき、「ツ・ミク」(=ルーマニア語で小さな「つ」)を繰り返していました。

「撥音(はつおん)」は「ん」の入った言葉。「ほん」「かばん」「はんこ」など同じ「ん」が書かれているけれど、前に来る音によっておなじ音に聞こえない人もいます。

「拗音(ようおん)」は小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」。「びょういん(病院)」と「びよういん(美容院)」を区別できない人もいます。
 
これらの細かな音が聞こえない人は、言い分けることができないし、言い分けられない人はまた聞き分けにくいのです。

これらに関連する日本語の特徴として「拍」があります。
「おばあさん」は5拍、「おばさん」は4拍。長音を区別できない人は「拍」を言い分けられません。「はんこ」は3拍、「はこ」は2拍。「撥音」が聞こえない人も「拍」を言い分けられません。

さらに「リエゾン」する母語を持っている人は、日本語でもリエゾン。
「ほんをよみます(本を読みます)」(hon o yomimasu)の「n」「o」がリエゾンして「ほのよみます(hono yomimasu)」

その3:高低アクセント
日本語には「1拍めの音と2拍めは必ず高さが異なる」という「リエゾン」の大原則の特徴あり。「来てください」と「着てください」は高低アクセントで区別。但しこれは標準語の場合で、例外は大阪弁にあり。わたしの母語は大阪弁、標準語も心がけているから違いはわかります。

ほかの言語、英語ならば「強弱アクセント」、名詞の「baseball」は最初の「a」にアクセント。中国語ならば「四声アクセント」。それぞれの言語にそれぞれの特徴あるアクセントがあるのです。
 
とにもかくにも、自分の母語にないものは「聞き取りにくい」「聞き分けにくい」「発音しにくい」、けれどここでキチキチしていたのでは前へ進みません。教える側であればそういうものなのだということを理解したうえで、おおらかに接すること。
 
学習者であればここで投げ出さないこと。うまく発音が出来なくても、話す気持ちがあれば、母語話者には通じるものです。

これはわたしもルーマニア学習にも当てはまること。周りの人はみな、わたしのへたくそなルーマニア語を聞き取ろうとしてくれます~。Thanks so much!


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