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軍の「論理」。
在日米兵の暴行事件から10日と経たぬうちに、海自イージス艦「あたご」が漁船と衝突した。漁船の2人は未だ消息が分かっていない。
19日の衝突以来、海上自衛隊の説明は二転三転し、いまだに聞く者を少しも納得させることができないでいる。技術の粋を極めたはずのイージス艦が、なぜ事故を回避できなかったのか。腑に落ちない。
そして、衝突の1分前まで自動操舵だったことが明らかになり、漁船の左舷に「あたご」が衝突したことが判明、いよいよイージス艦の過失は明白となっている。どこまでも隠蔽しようとするように受け取れる海上自衛隊。
なぜ衝突を回避できなかったのか。結局は、衝突を回避することをあらかじめ予測していないか、その可能性は日本の海域においてはきわめて少ないという認識がおそらく海自側にあるのだろう。
つぎのような指摘がある。
「あたご」に予断があったのではと記事はいっている。
ようするに、記事が事実であるとすれば、海自は通常、回避行動をとらないか、とるケースはほとんどないということである。
それは記事中の業者の話でも裏づけられている。「客の安全のためにも、こちらから早めに回避している」というのが慣例となっているということだ。
今回も、仮に衝突しそうな事態である場合、それは漁船側が回避行動をとり、海自戦闘艦側は回避する必要はないとそもそも考えていたものという予測も成り立つ。
さらにこんな疑問も浮かんでくる。事件の起きた東京湾周辺では、年間約28万隻の船舶が入港する(2005五年、国土交通省統計)。世界有数の海上交通量である。
これだけの超過密な水域の上に、「あたご」が向かおうとしていた横須賀には米軍・自衛隊の基地がある。ここには艦船50隻が常駐する。だから、これだけの過密のなかで、なぜ自動操舵なのか、疑問は依然として残る。
ところが、イージス艦と漁船の衝突事故が起き、関心がそこに集中すると、一方で、冒頭の米兵の事件が人びとの心から遠のき、かすんでいくような気がしてならない。
圧倒的な批判にさらされている米軍はこれくらいのことはやらざるをえない。しかし、この「反省の日」自体がすでに2度目である。体面を保つためのものにすぎない。
米兵が横暴、無法のかぎりを尽くすのは、少なくとも本人に司直の手が及ばない今のしくみの存在が大きい。極端なことをいえば何をやろうと日本が逮捕することはきわめて困難なのだから。
だから、事実上の治外法権に守られている在日米軍の立場そのものを否定するのが、それこそが事件根絶のたしかな方法である。
これまで、「本土」に住む人間にとって米軍基地の8割を抱える沖縄の、そこに住む県民がどのような矛盾を抱え込もうと、それは他人事ですますことができた。日米安保条約と日米地位協定があるがゆえの矛盾を、沖縄県民に平たくいえば押し付けて生きていくことができたのであった。ある種の欺瞞でもあった。
しかし、米兵の暴行と、それに加えてイージス艦の、今となっては人命を奪う可能性がきわめて大きい事件が起きた現在の時点にたっていえることは、日本と、日本に住む日本国民を取り巻くしくみと状況が、少しも日本人によりそうのではなく、それとは無関係に動いているということをわれわれに教えている。
それは端的にいえば日米同盟の強化のためということになる。沖縄の米兵は日本の、あるいは沖縄の国民、県民をまもるためのものではけっしてない。ましてや、横須賀の米軍・自衛隊基地、軍用港は日本のためのものではない。
単なる一米兵の起こした事件、あるいは「あたご」の指揮官や乗組員たちの「過失」におし留めようとして、ここにいたっても官僚たちがおしなべて日米安保条約にふれず、地位協定に一切ふれようとしないのは、その事実の裏返しでもある。
明確なのは「軍の論理」である。米軍基地の米兵による沖縄の事件と首都東京に近接する横須賀基地に入港しようとした海自艦船による衝突事故。2つの事件は、時間と空間をむろん隔てているが、しかし、実は一つの糸で結ばれているといえる。
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PS;海上衝突予防法15条は「二隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、当該他の動力船の進路を避けなければならない」と定めています。
19日の衝突以来、海上自衛隊の説明は二転三転し、いまだに聞く者を少しも納得させることができないでいる。技術の粋を極めたはずのイージス艦が、なぜ事故を回避できなかったのか。腑に落ちない。
そして、衝突の1分前まで自動操舵だったことが明らかになり、漁船の左舷に「あたご」が衝突したことが判明、いよいよイージス艦の過失は明白となっている。どこまでも隠蔽しようとするように受け取れる海上自衛隊。
なぜ衝突を回避できなかったのか。結局は、衝突を回避することをあらかじめ予測していないか、その可能性は日本の海域においてはきわめて少ないという認識がおそらく海自側にあるのだろう。
つぎのような指摘がある。
大型船との衝突、小型船の回避が常態化…あたご側に予断か 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、なぜあたごは直前まで回避行動をとらなかったのか。 海上衝突予防法は2隻の船が互いの航路を横切る際、相手を右に見る方が避けることを義務付けている。だが実際には、小回りの利く小型船が大型船をよけるケースが多く、漁師や海事関係者らは「あたごは漁船団がよけてくれるだろうという予断があったのでは」と指摘している。 東京湾の出入り口やその近海は、タンカーや自衛艦などの大型船から漁船などの小型船まで、様々な船舶が頻繁に行き来する。ある遊漁船業者(35)は、小さな釣り船を操縦する際、「自衛艦とわずか数十メートルの距離ですれ違うことが多いが、よけるのはいつも自分の方だ」と話す。全長100メートル以上ある自衛艦は小回りが利かない。釣り船は半径30~40メートルで旋回できるため、自衛艦に回避義務があるケースでも、「客の安全のためにも、こちらから早めに回避している」という。 |
「あたご」に予断があったのではと記事はいっている。
ようするに、記事が事実であるとすれば、海自は通常、回避行動をとらないか、とるケースはほとんどないということである。
それは記事中の業者の話でも裏づけられている。「客の安全のためにも、こちらから早めに回避している」というのが慣例となっているということだ。
今回も、仮に衝突しそうな事態である場合、それは漁船側が回避行動をとり、海自戦闘艦側は回避する必要はないとそもそも考えていたものという予測も成り立つ。
さらにこんな疑問も浮かんでくる。事件の起きた東京湾周辺では、年間約28万隻の船舶が入港する(2005五年、国土交通省統計)。世界有数の海上交通量である。
これだけの超過密な水域の上に、「あたご」が向かおうとしていた横須賀には米軍・自衛隊の基地がある。ここには艦船50隻が常駐する。だから、これだけの過密のなかで、なぜ自動操舵なのか、疑問は依然として残る。
ところが、イージス艦と漁船の衝突事故が起き、関心がそこに集中すると、一方で、冒頭の米兵の事件が人びとの心から遠のき、かすんでいくような気がしてならない。
沖縄県での米海兵隊員による女子中学生暴行事件を受け、在日米軍は22日、「反省の日」として、全国の米軍基地で米兵や軍属ら約4万人を対象に倫理教育の研修を実施した。
「反省の日」の取り組みは、1995年に沖縄本島北部で発生した海兵隊員ら3人による女児暴行事件の際に海兵隊が実施して以来で、陸、海、空を含めた全4軍では初めて。 極東最大の航空基地で戦闘機など約120機が常駐する米空軍嘉手納基地。この日は、計画していた爆破装置を使った模擬訓練を急きょ中止した。研修は部隊ごとに行い、性的暴行の防止に関する指導や日本の文化などについて学んだという。 |
圧倒的な批判にさらされている米軍はこれくらいのことはやらざるをえない。しかし、この「反省の日」自体がすでに2度目である。体面を保つためのものにすぎない。
米兵が横暴、無法のかぎりを尽くすのは、少なくとも本人に司直の手が及ばない今のしくみの存在が大きい。極端なことをいえば何をやろうと日本が逮捕することはきわめて困難なのだから。
だから、事実上の治外法権に守られている在日米軍の立場そのものを否定するのが、それこそが事件根絶のたしかな方法である。
これまで、「本土」に住む人間にとって米軍基地の8割を抱える沖縄の、そこに住む県民がどのような矛盾を抱え込もうと、それは他人事ですますことができた。日米安保条約と日米地位協定があるがゆえの矛盾を、沖縄県民に平たくいえば押し付けて生きていくことができたのであった。ある種の欺瞞でもあった。
しかし、米兵の暴行と、それに加えてイージス艦の、今となっては人命を奪う可能性がきわめて大きい事件が起きた現在の時点にたっていえることは、日本と、日本に住む日本国民を取り巻くしくみと状況が、少しも日本人によりそうのではなく、それとは無関係に動いているということをわれわれに教えている。
それは端的にいえば日米同盟の強化のためということになる。沖縄の米兵は日本の、あるいは沖縄の国民、県民をまもるためのものではけっしてない。ましてや、横須賀の米軍・自衛隊基地、軍用港は日本のためのものではない。
単なる一米兵の起こした事件、あるいは「あたご」の指揮官や乗組員たちの「過失」におし留めようとして、ここにいたっても官僚たちがおしなべて日米安保条約にふれず、地位協定に一切ふれようとしないのは、その事実の裏返しでもある。
明確なのは「軍の論理」である。米軍基地の米兵による沖縄の事件と首都東京に近接する横須賀基地に入港しようとした海自艦船による衝突事故。2つの事件は、時間と空間をむろん隔てているが、しかし、実は一つの糸で結ばれているといえる。
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PS;海上衝突予防法15条は「二隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、当該他の動力船の進路を避けなければならない」と定めています。
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