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山口二郎の消費税増税論-「安ければいい」を捨てよ
山口二郎氏の言説を、その叙述とは逆の方からながめてみたい。末尾で氏はこういっている。
税のあり方を考えることは、社会のあり方を考えることである。 |
どのような日本を造るのか |
然り。私は、これに大いに賛成したい。
しかし、問題は、税のあり方や社会のあり方を考える際の視点だろう。そこに、考える人の立場、別の言葉でいえば視座がみてとれるということだ。この見立てで、山口氏の言説から判断できることは、少なくとも私とは大いに異なる立場なのだということである。彼の物言いをみてほしい。
このような理想や怒りを共有しているはずの左派、市民派の人々と話しをして、いつも感じるのは、税をめぐる認識の食い違いである。増税に反対する左派、市民派にあえて言いたい。税金は安いほうがよいという考えをとる限り、福祉国家はできないし、環境保護もできないし、財務省や経済財政諮問会議の路線を転換することもできない。 |
私は、今すぐ消費税率をあげろといっているのではない。所得税の累進性の回復や相続税の増税など、公平の観点から先にすべき増税が何種類かある。しかし、西ヨーロッパのような福祉国家を日本でも造るためには、国民も負担を避けられないと言いたいのである。 |
山口氏の基本的な立場がここに明確に凝縮されている。
氏がいっているのは、要約すると、
①税金は安いほうがよいという考えは、よしたほうがよい。
②福祉国家を実現するには増税は避けられない。
ということだろう。
だから、私たちがこの際、検証しないといけないのは、(庶民にとって)税金が安いという「格好の状態」ははたして望めないのか、望んではいけないことなのかということ。そして次に、増税ははたして避けられないのか、という2点、これである。これを検証するには、現状から出発する以外にない。
税金が安いか否かということは、すなわち誰からとるのかということに直結する。しかしデータが教えるのは、大企業や大資産家の税負担率が抑制される一方で、消費税の税収の比率がふえ、結果的に、政府がとってきた企業減税分を消費税増税分で補ってきたという関係が成立するという事実である。
その上で、明らかなのは、山口氏が少なくとも今後の税源として、明確に消費税の増税に絞り込んでいるという一点である。山口氏の言葉を借りれば「社会のあり方を考える」基本的な観点をこの点に氏自身が求めているということを吐露しているにほかならない。いうまでもなく消費税は逆進性が強い。たしかに氏は「所得税の累進性の回復や相続税の増税など、公平の観点から先にすべき増税が何種類かある」とはいっているのだが、消費税の導入が逆進性をもたらすことにはまったく頓着していないことは明らかだろう。
つまり、私が懸念するのは、いかにも先決しなければならないといいつつも、むしろ今後の、あえていえば税収奪への露骨な関心を山口二郎氏が示している点で、これを私は大いに疑うのである。
いったい消費税増税を今の時点で誰がさけんでいるのか。思い返してほしい。政府税調の香西会長が語り、自民税調の津島氏、そして経団連が旗を振っているのではないか。こんな事実を国民はつきつけられているのだ。その上に、民主党税制調査会の藤井氏もまた消費税増税の方向をみじんも隠さなかったという事実を私たちはつきつけられている。
こんな文脈で考えると、いまの時期に山口氏が以上のように語る意味を考えたいのだ。いわゆる識者として氏が語る意味は大きい。そして、氏がかつて小選挙区制を唱え、その実現に大いに役割を果たしてきた事実を我々は知っている。
氏の姿勢は、氏のいう左派に求めるものは格別厳しいのだが、一方で、口にはするが、税制をゆがめている現在の実態、つまり大企業や財界優遇の税制への根源的な批判がないばかりか、税金のつかいみちにまったく言及しないのは、氏のよってたつところを自ずと示しているように思えてならない。再び、氏が世論をミスリードする懸念をいだくのは私だけではないと思うのだが。(「世相を拾う」08028)
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PS:「世界の片隅でニュースを読む」;mahounofuefuki さんが以下で山口二郎氏の言説について分析されています。
社会保障の財源が消費税でなければならない理由はあるのか
【関連エントリー】
消費税導入をあおる朝日社説