「治部の礎」 吉川永青 著
中々面白い本でした。
信長に仕え
秀吉に仕えた
頭脳明晰な男
石田三成
治部は
単に忠誠でこれらの大将に仕えたのではなかった。
ひたすら泰平な世を願っていたのです。
一方
秀吉に仕えながらも
常に大将の座を狙っていた
家康との
関ケ原の合戦で
この戦術に長けた治部も
勝利の分がありながらも
戦意を失った味方故に
ついに
夢達せぬまま
命を落とすことになるのです。
が
最後に
堂々と
家康にその心を伝え
三成の意思が通じたか
家康が天下を取って
戦国の世は泰平になり
200年もの長きに渡って
世の中を治めることになるのでした。
この本を読むまでは
三成という人物は
なにか、生意気な暗いイメージを持っていました。
そして
加藤清正や福島正則の様な
強い武将の方に魅力を感じていたのですが
全く180度の転回で
私の抱いていたイメージは変わってしまいました。
三成の戦術は
将棋の様な
正に机上の戦術だったわけで
それを
秀吉は深く理解していて
この武将を可愛がったのでしょう。
自分を悪者にしてでも
自分が犠牲になっても
主君をたてる事に寄って
うまく
その場を作っていったのだと思います。