やっと結果が出たので万を期して公開する新たなキャブレターのネタだよ。
画像多め、説明ザックリで行きます。
(;一_一)また違うビッグキャブかよ・・・
我がYBR号に搭載してる加速ポンプ付PD24はセッティングばっちりで坂道も純正よりもぐんぐん上る
から不満がある訳ではない。
ただ、急加速の状況はめったに無くて俺には加速ポンプの存在意義が薄れてるから、興味本位で加速
ポンプ無しのPD24に手を出してみようかと色々考えてた。
ネットを徘徊してる内に中国製の自称ケーヒンPZ27と言うモデルが目に入った。
このPZ27って表示はちょっとおもしろくて、実際のベンチュリー径は24mm相当だからPD24と同等な
わけだ。
アウトレットホールの径が27mmなのでPZ27と命名されてるみたいで、さすが中華のあやしい表示だ
よw
PZ27で検索すると国内ショップやヤフオク、タオバオで簡単に見つかった。
なおPZ26という型番はベンチュリー径22mmでPD22相当品なので、前期型YBR搭載のミクニVM22
の代替品として物理的にポン付けできる(要ジェット類調整)。
タオバオを見ると実に多くの会社が似たようなPZ27を製造し、出品も多い。
値段も幅広いからどれを選んでいいのやら悩んだ結果、台湾ケーヒンと名乗るTW KEIHIN製の
PZ27が目に止まった。
タオバオID:16640200852 CG150用 [PZ27手动风门] 72元
値段も悪くないし写真を見た限りでは外観の仕上がりもいびつで無いから他の物と一緒に輸入しておいた
のだ。
箱も立派で中に色々入ってる。
中身はこんな構成。
説明書やら燃料フィルター(使わないけど)やらカワイイ合格証まであるw
TAI WANが誇らしい。
単にKEIHINって刻印してTECHNOLOGY FROM JAPAN なんて言い訳がましい追記まである謎品より
も潔くていいじゃないかw
実際、台灣京濱化油器股份有限公司ってケーヒンの現地法人がある。
モンキー系改造界では中国法人・湛江利化油器有限公司のDENIも割りと信頼されて人気があるので
DEKNIと表示されてるPZ27もいいだろう。
細かい搭載方法は加速ポンプ付PD24と同じなので割愛するが、そっくり入れ替えポン付け可能な寸法
だったよ。(当たり前かw)
もちろんインレットマニホールドは社外品のJIANSHE製 B F28刻印の物だ。
コイツの穴径は27mmでバッチリ適合するからPD24系にピッタリ。
タオバオID:7715178686 [欧ニ]25元
台湾ケーヒンPZ27の中を確認すると以下のジェット類だった。
MJ(メインジェット):#98
PJ(パイロットジェット):#38
JNC(ジェットニードルクリップ位置):CENTER(中央・3段)
PS(パイロットスクリュー):CCW・2 TurnOpen(2回転開け)
MJはケーヒン(CVKやPWKなど)の丸大が相当品。
PJもPWK28用など良く見かける物と同じ規格だった。
画像検索したらDENIもこのタイプのようだ。
ヤフオクで売られてる物にはこの様な一体型ではなく、特殊な形のPJやPJホルダーとPJの2部品構成
の物があって、別番数のPJがなかなか見つからない話を見かける。
二分割式PJはこんな感じらしく、ホルダーごと上記の物に変えれば使えるとの事だ。
このタイプはホルダーの中にさらにオルフィスが圧入されていて専用PJのようだ。
キャブと共にPJも同時購入しないと普通の2輪用品店では代替品が入手できない。
スロットルケーブルは試し買いしたCG125用がそのままポン付け無加工で適合した。
長さが100mmほど足りない感じだったから、こんなルートでないとYBRに合わないけどねw
ビッグキャブ用スロットルケーブルの時に書いたように新锋锐SDH125-39か金锋锐SDH125-46用も
使えるけど長さは同じなのでこのルートしかない。
早速暖気して走りだしてみたら吹け上がりは良いけれど、とにかくトルクが純正並みに細い。
MJが加速ポンプ付PD24に比べて細いからなぁ。
手持ちのMJセットに#100があったので早速取り替えてみたらトルクが増して加速が良くなった。
だがしかし上り坂になると以前のキャブよりは劣る感じがするので、やはりYBR125とPD24系では
MJを#102にするのがいいんだろうか。
多摩境のライコランドまでひとっ走りしてCVK用丸大MJ:#102を購入して取替てみたら、いっき
に欲しかった加速と登坂性能が蘇ったよ。
MJの数字の秘密である穴の大きさがケーヒン表記では
#98=0.98mm #100=1.00mm #102=1.02mm のたった0.02mmの差しかない。
これだけ繊細なんだからキャブは怖い世界だと思う。
掃除のつもりで気楽にハリガネでMJの穴を擦ると表示番数から離れた物に変貌して、かえって調子が
悪くなる事も起きる理由が分かる気がする。
一旦落ち着いたセッティングデータは
MJ(メインジェット):#102
PJ(パイロットジェット):#38
JNC(ジェットニードルクリップ位置):CENTER(中央・3段)
PS(パイロットスクリュー):CCW 1・3/8 Turn Open(1と3/8回転開け)
クソ暑い夏を過ごした後、ようやく湿度と温度が下がってキャブ調整に適した秋がやってきた。
MJは#102で構わないけれどアクセル開度1/8~1/2の常用域での再加速でちょっともたつく感じがする。
トルクは十分あるのでパーシャルで若干濃いのかも知れない。
そこでJNCのクリップ段を1段上にあげて薄くしてみたけれど今度は薄すぎ。w
2段と3段の中間がほしいのでクリップの下に0.5mm厚のM3用小丸平ワッシャを入れてみる。
クリップの溝は1mm毎にあるので、こうした微調整方法で解決させる。
う~ん、かなりいい感じなったけど、もうひと声トルクがほしい。
今度はさらに中間を狙う事にする。
臨時でM3スプリングワッシャを2本のペンチでつまんで曲げて平らにし、プレス加工による合口の厚みを修正ため
に100円ダイヤモンドヤスリで軽く研磨してみた。
0.8mmシムの結果、トルクがかなり元に戻った。
このセッティングでしばらく走りこんで楽しんだけれど、ますます欲が出てきて今度はシム厚0.75mmを試して
みたくなった。
前から持ってたラジコン用部品の薄いシムセット。
0.5mm+0.25mmで希望の0.75mmができる。
とりあえず装着。
0.8mmに対してたった0.05mmの変化なんだけど、MJの例で見るように0.0数ミリの違いで変化するキャブレ
ターの恐ろしい世界なのでどう出るか?
結果、すごく(・∀・)イイ!!
完全に俺の好みの吹け上がりとトルクの感じになった。
この状態で海抜50m~1000m、雨天・曇天・晴天・高温・高湿度・低湿度など色々な条件で走り込んでみたら、
どれも実用域に達してたから、臨時のシムから本格的に固定しようと実行した。
ラジコン用のアルミスペーサーセット。
300円でこれだけ種類が入ってるなら安いもんだ。
1.0mmのシムを100均のダイヤモンドヤスリと砥石で0.75mmまで削ってみる。
M3の曲げ直しスプリングワッシャを削る方法もあったけれど、鉄よりアルミの方が削りやすいからスペーサーで
正解だったよ。
後日、穴径3mmで厚さ0.75mmってスペーサーを模型店で見かけて凹んだw
結局PZ27(PD24)のセッティングデータは
MJ(メインジェット):#102(ケーヒン丸大)
PJ(パイロットジェット):#38
JNC(ジェットニードルクリップ位置):2nd fromTop+0.75mmSpacer
(上から2段+0.75mmシム)
PS(パイロットスクリュー):CCW 1・3/8TurnOpen(1と3/8回転開け)
☆追記:その後PS調整をやり直して色々な条件下で微調整した結果、PSは1回点開けの
方が全体的に吹け上がりが良いという結果になる。
平坦な道で時速60㎞若干プラスまで、アクセル約5mm~10mm開け程度で十分加速し5速で速度維持
できる具合。
燃費は元気よく山坂道を徘徊して約41㎞/L、落ち着いて走らせて約43㎞/L、長距離平坦路で約47㎞/L
って具合だけれど、その時の右手のひねり具合で大きく変化するから参考値程度を思ってくだされ。
これでノーマルエアクリーナーとマフラーでのYBR125に合うビッグキャブの完成。
先日の突発オフ会で2013年式YBR125E(ノーマル吸排気・負圧キャブBS25仕様)とお互いに乗り比べた
結果、はっきり違いが出てたから、思い込みによる幸せなプラシーボ効果ではないと確信している。
ただノーマルBS25キャブの具合もなかなか良くて、アクセルをラフに操作しても息継ぎせず反応するので、
使いやすさと燃費の両立で純正の優秀さも感じ取れた。
余談だけどPD24は125ccには大きすぎないか?って思う所もあったが、昔ホンダのCB125JXやXL200
で標準装備だったので、結構この辺の排気量でセッティングは合うものだ。
BBSでもホンダのNX125に搭載し、PJ#38、MJを#100~#105まで試して#102で決定、PSは
1・1/2回転というセッティングに落ち着いた報告も見つけたので、ベンチュリー径2mm拡大程度なら適合
しやすいんだろう。
また近代では中国ホンダCG150等150ccモデルに搭載してる例もあるから、YBRの場合は125cc状態で
換装しておいて、将来抜けの良いマフラーに交換したり150cc程度のボアアップを実行した際にはそのまま
ジェット関係だけを再セッティングすればいいので、案外PZ27(PD24)によるビッグキャブ化は後でも応用が
効くと思うよ。
以上、興味本位で再度キャブいじりした我がYBR号はこれにて完了。
使わなくなった加速ポンプ付PD24は内部部品の補修パーツとしてストックしておこう。
こんな時に同じ系統のキャブは便利だなw
追記 PJの再確認のために#35に変えてみた。
JNも微調整して上から3段で落ち着く。
結果、吹け上がり優先のおもしろい乗り味になったよ。
比較してみると・・・
MJ:102 PJ:#35 PS:1・3/8開 JN:3段目(中間)
・吹け上がり最良
・低回転トルクはPJ#38より若干弱いが純正キャブとよりも良い
・7,000~10,000回転、円滑な吹け上がり
・2速~4速加速よくキビキビ
・上り坂はシフトダウンで回転維持しないと少し加速しにくい
・パワーバンドわかりやすくて回すと楽しい
・ツインエンジンみたい(CB125Tに似てる)
・回して楽しむ人向け
後日さらにJNクリップの下にラジコン用の2.5mm×0.13mmシムを追加した。
これで若干減った1/2開度までのトルクが補正されて上り坂は楽になった。
MJ:102 PJ:#38 PS:1開 JN:上から2段+下に0.75mmシム
・吹けは普通
・極低速・低回転からトルクがもりもり
・8,000回転あたりから少し頭打ち
・2速~4速アクセル小開けでトルクフルに加速
・上り坂は粘ってトコトコ登る
・シングルエンジンらしさがある(CB125JXに似てる)
・タンデム・大荷物・市街地・ジムカーナ向け
なおタオバオではPZ27の他にPZ27Bも有り、サフィックスのBは加速ポンプ付の
意味があるようです。
つまり加速ポンプ付PD24が欲しい時はPZ27Bを買う方法もあるって事。
また「手动风门」はチョーク機構がキャブ本体側で操作する仕様、「拉线风门」は ワイヤー
式リモートチョーク操作の仕様なので、検索や選ぶ際には気をつけると良いでしょう。
追記:2016年6月
タペット調整で発覚! で我がYBR号が納車当時からバルブタイミングが
ズレている事が発覚したので修正し、これに合わせてキャブレターの燃調も
再調整した。
JNのクリップは上から2段でシムは無し。
MJ:102 PJ:38 PS:1・3/8回転開き。
これを基準にして微調整で追い込むと良いだろう。
バルブタイミング修正後は今まで以上に加速と燃費が向上した事が
嬉しい。
バルタイが問題無いYBR系なら、このセッティングをオススメします。
もちろんマフラー変更時は再調整を行ってください。
男の子、って本来機械好きなんですよね、本来は・・・という機械弄りの原点を思い起こさせてくれる内容ですね。
一読して感心しても暫く経てば何にも覚えていない・・・今取り組んでいる国家試験とおんなじです。
費やした時間を視点を変えて過ごしてさえすれば視野も広がったことと思えます。
なんだかんだ言って傾注した情熱、と言いますか熱量みたいなものに他を利する価値が生まれるんだな、なんて思っています。
雷太さんの個性漲る出稿を心待ちにしているコアファンは多いと思います。かく云う私も。
少し前でしたが、子供の少年野球の手伝いに行った経験で思うのですが、無償の行為の中にこそ至上の喜びと言えるようなものが多いように思います。
質量ともに充実を求め、結果を出せばこその充実感。。。でしょうか。
世知辛いビジネス(とか現況とか、世間体とか)環境を基軸にしない自分だけの視点を、私ももち続けようと思っています。
電装系も本気を出せばもっとネタもあるのですが、安易に真似されても文章に隠れてる
大切な決まり事を守らずに炎上とか起こされても困るので、たとえブログとは言え、
どこまで無責任に書き殴れるかの線引が難しいです。
キャブネタに関してはせいぜい失敗しても元に戻せば済むので気楽ですよ。
資格試験、がんばってください。
私も取りたいなぁってヤツはいくつかありますが、基礎からもう一度やり直さないと
ダメなので、重い腰を上げた時に本気出してやろうと思います。
電気工事士は持ってますが仕事に直接使えず、せいぜい我が家のリフォームで
使う程度ですねぇ・・・
今度キャブ交換チャレンジしたいと思ってます。
有料で構いませんので、ご教授いただけますでしょうか。
バイク屋さんにお願いしたほうが結果的に早くて確実だと思います。
ブログ開設当初からのスタンスで講習会や学校のように手取り足取りするつもりはありません。
でも最低限の工具類とネットで得る知識でじゅうぶん交換可能だと思いますよ。
一度純正キャブだけを外して付けてみるだけでも難易度が分かると思いますのでがんばってください。
燃調に影響するんですかねぇ?
AIキャンセルですが私のYBRと年式が違うため、AI引き出しの方法が変わってると思います。
私も昔、試しにキャンセルしてみたのですが元々エンジンのかかりが良い年式なので特に
大きな変化はありませんでした。
AIキャンセルによる燃調の変化は不明で結局のところキャブ変更にて微調整は行うと思うので、
キャンセル状態で合うのを見つければOKだと思います。
予想ではパイロットスクリュー開度が若干変わる程度だと思いますよ。
リモートチョーク機能、うまい具合に作れると良いですね。
自転車のワイヤーででっちあげるのが一番手軽で安価だと思います。
なにせ単に引っ張ったりするだけの機構だし、キャブ側は構造が単純そのもの。
しかもリモートケーブル無しでも手でチョークを引けるのでどうにでもなる点が
純正仕様のリモート機構付きキャブと違う有利な点だと思います。
陰ながら応援してます。
こちらの情報を参考にタオバオで同じキャブを注文してみました「みんカラ」にてパーツレビュー ブログでこちらのサイトへのリンクを張ってしまいましたが問題がございましたらご指摘くださいhttp://minkara.carview.co.jp/userid/1276335/car/2408308/8824420/parts.aspx
補足説明するとキャブとマニホールドの接続箇所に必ずガスケットを1枚入れた方が良いです。
エンジンの熱が全部キャブに伝わるとパーコレーションという沸騰現象が起きてしまうからです。
ガスケットはお持ちのYBRのものを流用しても構わないけれど、たぶん劣化しているので
市販(キタコあたり)の1mm厚ガスケットシートを使い、純正ガスケットをテンプレート
代わりに乗せて切り取り線を描き、開口部の丸穴はPZ27用に手直して作ると良いです。
固定穴で仮組してから内側からけ書いてやるのが簡単ですね。
私は穴あけに彫刻刀の丸刀で何回かに分けて円を描きながら切り出してます。
実はタオバオでも適合するガスケットや断熱用のインシュレーターがあるんですが、
輸入経費を考えると追加輸入するよりは、自作の方が安上がりでしょう。
一番大変なのはスロットルケーブル。
リンク集などで確認して楽な方法を選んでください。
最近やっと使いやすい流用品を見つけています。
社外マフラーとの組み合わせの時の燃調、がんばってください!
中国PZ27は元々150cc用に売られているので、たぶんスロージェットはそのままで行けると
思います。
メインジェットとジェットニードル段数で追い込めるでしょう。
ガスケットの必要性を考えていたところです マニ側にもOリングあるのでガスケットを入れることでOリングの有効性が損なわれるのではないかなとちょうど考えておりました
たしかにパーコレーションなどの問題もありますので離した方がいいんだろうな・・・なんで純正状態にはガスケットがあるのだろう?なんて悩んでいたところです
「YBRの熱中症対策」こちらの記事も参考にさせていただきつつなにかしら挟んでみようと思います
ケーブルは「検索用id=554746040922 検索用語「劲傲125油门线」こちらを丸パクリで仕入れ済みにて楽させていただきましたw
入っている可能性もあります。
熱中症対策で使ったインシュレーターは中国製なので、同じく平面精度が信用できないから
両面に挟み込むようにガスケットを入れてました。
この場合、厚みが増す関係でガスケットは0.5mm厚がよろしいと思います。
また、入手するインシュレーターは取付前にガラス板などに乗せた紙やすりで平面度を出して
から使う事をお勧めします。
些細な事なんですが、こうした準備をしておくと隙間から混入する「二次空気」で燃調が
なかなか合わない不具合を排除できるので、楽しみながらやってください。
便利ケーブルを入手済みなんですね。
お持ちのYBRだと固定板に段差ができるかもしれませんので、一度仮組して隙間になにかシムの
ような物を作っておくと良いでしょう。
Uの字型の平板かワッシャーなどを加工すればよいと思います。
では、成功をお祈りいたします。