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固体の電解質が存在する?新構造の酸化物イオン伝導体を発見!

2014年05月17日 | 化学

 固体の電解質が存在する?

 電解質(electrolyte)とは溶媒中に溶解した際に、陽イオンと陰イオンに電離する物質のことである。これに対し、溶媒中に溶解しても電離しない物質を非電解質という。

 例えば食塩や塩化銅などの物質は、水に溶けてナトリウムイオン、塩化物イオンなどのイオンに電離する。これが電解質だ。一般に水に溶けなければ電解質とはいえない。ところが、世の中には固体なのに電解質になる「固体電解質」というものが存在する。

 この場合、固体の中でイオンが移動するしくみになっている。固体電解質として安定化ジルコニアが古くから使われている。

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/ 

引用元 マイナビニュース:新構造の酸化物イオン伝導体を発見 Wikipedia: 電解質 燃料電池 固体電解質 ジルコニア

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京大、120年来の謎だった水の界面で起こる「フェントン反応」の機構を解明

2014年01月18日 | 化学

 フェントン反応とは何だろう?
 過酸化水素が、細胞中の鉄イオン(Fe2+)や銅イオン(Cu1+)などの触媒作用で、ヒドロキシルラジカル(HO・)に変化する反応である。

 二価鉄を触媒として過酸化水素からヒドロキシルラジカル(・OH)が発生する化学反応である。この反応名は,1894年にイギリスの化学者Fentonが,二価の鉄と過酸化水素の存在下で、酒石酸が酸化されジヒドロキシマレイン酸が生じることを報じた史実にちなんで付けられている。

 反応式は Fe2++H2O2 → Fe3++・OH+OH- である。

 この反応を利用する、フェントン試薬(Fenton's reagent)は、汚染物質や工業廃水の酸化に用いられる。また、トリクロロエチレン(TCE)やテトラクロロエチレン(PCE)などの有機化合物の分解に使うことも可能である。

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/ 

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ドライクリーニングの溶媒、栄養ドリンク・スポーツドリンクの溶質

2013年10月25日 | 化学

 溶媒・溶質・溶液
 溶媒(solvent)とは、固体、液体あるいは気体を溶かす物質の呼称。工業分野では溶剤(ようざい)と呼ばれることも多い。最も一般的に使用される水のほか、アルコールやアセトン、ヘキサンのような有機物も多く用いられ、これらは特に有機溶媒(有機溶剤)と呼ばれる。 

 溶質(solute)は溶液をつくるさいに溶かすべき物質(気体,液体,固体)のこと。たとえば食塩の水溶液についていえば,溶質は食塩であり,溶質に対して溶かす成分である溶媒は水である。溶質が液体(たとえばエチルアルコール)の場合に溶質が溶媒(たとえば水)に無制限に溶けることがある。このような場合は溶質と溶媒の区別はしにくいが、存在している量または割合の小さいほう(50%以下)を溶質ということが多い。 

 溶液(solution)とは、2つ以上の物質から構成される液体状態の混合物である。一般的には主要な液体成分の溶媒(solvent)と、その他の気体、液体、固体の成分である溶質(solute)とから構成される。

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/ 

参考 Wikipedia: 栄養ドリンク スポーツドリンク クリーニングおすすめ.com:ドライクリーニング 教えて!goo:有機溶剤

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カロリー“0”奇跡の糖が人類を救う!

2013年06月29日 | 化学

 奇跡の糖
 希少糖とは自然界にわずかしかない糖。ガムで使われているキシリトールも希少糖のなかまである。その一つ「プシコース」は血糖値の上昇を抑え、脂肪の蓄積も防ぐ効果がある。1g数万円の価値がある。

 「プシコース」は一見すると砂糖のようにも見えるが、砂糖の約7割くらいの甘さでさわやかな甘さがする。カロリーはゼロだ。

 「プシコース」は今、「奇跡の糖」として、世界中の研究者から大注目を集めている。実はこのプシコース、40億年以上も前に地球で糖が誕生して以来、まったく日の目を見ることのなかった、いわば「落ちこぼれの糖」! 様々な自然の偶然と、研究者の努力によって、私たちの前に現れたのである。

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/

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地下鉄丸ノ内線のアルミ缶破裂事故、強アルカリと両性元素(Al)の反応が原因か?

2012年10月23日 | 化学

 地下鉄丸ノ内線で14人けが 洗剤破裂か
 まるで中学校・理科「酸・アルカリ」の実験に出てくるような事故が起きた。地下鉄で、アルミ缶にアルカリ洗剤(パイプ洗浄剤?)を入れて振ってしまい爆発したらしい。以下はNHKニュースの引用である。

 東京・文京区にある東京メトロ・丸ノ内線の駅に停車中の電車内で、乗客が持っていたアルミ缶が突然、破裂し、乗客14人がけがをした。 東京消防庁によると、缶の中に入っていた液体洗剤が容器と化学反応を起こして破裂した可能性があるということで、警視庁が詳しい原因を調べている。

  10月20日午前0時すぎ、東京・文京区にある東京メトロ・丸ノ内線の本郷三丁目駅で「電車内で缶が爆発してけが人が出ている」と110番通報があった。 警視庁によると、前から5両目にいた男性3人、女性11人のあわせて14人の乗客が顔などにやけどのけがをして手当てを受けたが、いずれも意識はありけがの程度は軽いという。 電車内では20代の乗客の女性が液体を入れた缶を持っていて、この缶がいきなり破裂したとのこと。

 この女性は警視庁に対して「自宅を掃除するために、勤めている飲食店から油汚れを落とす強力な液体る洗剤を分けてもらい、500ccのコーヒーのアルミ缶に入れて持っていた」と説明しているという。 東京消防庁によると、缶の中の液体洗剤はアルカリ性とみられ、この液体が容器のアルミ缶と化学反応を起こして破裂した可能性があるという。 警視庁が当時の状況や詳しい原因を調べている。(NHKnews 2012年10月20日)

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/ 

参考HP たのしい化学:洗剤入りアルミ缶爆発事故 鬼勉:両性元素

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日本初!113番目の新元素「ジャポニウム(Jp)」誕生か?崩壊過程で新経路確認

2012年10月04日 | 化学

 理研発見の新元素113番「証明確実」
 理化学研究所は、平成16年に発見した113番目の元素の3回目の合成に成功したと発表した。新たな崩壊過程を確認したことで発見を確実に証明でき、新元素として国際的に認定される可能性が高まったという。日本物理学会の英文誌(電子版)に9月27日、論文が掲載される。

 113番元素の寿命は、500分の1秒。よく確認できたものだ。国際機関が新元素と認定すれば研究チームに命名権が与えられ、日本人が発見した元素の名前が初めて周期表に記されることになる。元素名は「ジャポニウム」が有力視される。

 理研の森田浩介准主任研究員らは16年と17年の計2回、当時最も重い原子番号113の元素を加速器で合成。国際機関に申請したが、データ不足などを理由に認められなかった。

 今年8月、3回目の合成に成功し、直後に壊れてドブニウムなどの元素に変わっていく様子を調べた。ドブニウムの崩壊パターンは2種類あるが、今回は過去2回とは違うタイプを観測。両方の現象を確認できたことで「113番の元素合成を百パーセント示せた」(森田氏)としている。

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/ 

参考HP 理化学研究所:3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認 アイラブサイエンス:新元素認定!次はジャポニウム(Jp)?

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「ナノポーラス金属」の触媒機構を原子レベルで解明!不活性原因「ファセット化」とは?

2012年08月15日 | 化学

 ナノポーラス金属とは何か?
 ナノポーラスとは何だろう?ナノは10億分の1、ポーラスとは多孔質のこと。ようするに非常に小さい穴のあいた物質のこと。イメージとしては、とても細かいスポンジみたいな感じだろうか?

 ナノポーラス金属の性質としては、表面積が非常に大きくなるので、吸着材、イオン交換材、触媒などとして広く利用される。現在、化学工業分野では、さまざまなナノメートル(nm:10億分の1m)サイズの粒子を用いた不均一系(固体)触媒が主流。しかし、使用過程でナノ粒子同士が合体してしまい、5nm以上のサイズになると触媒活性がほとんどなくなるという問題があった。

 そこで今回、東北大の藤田武志准教授らの研究グループが、ナノポーラス金属(スポンジ状にナノサイズの多孔が空いた金属)の触媒が、従来のナノ粒子触媒と同等の機能を持ち、細孔のサイズが30nm程度でも優れた触媒活性を保つことに着目し、触媒活性の起源の解明に挑んだ。

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/ 

参考HP 科学技術振興機構・東北大学:ナノサイズの孔を持つ金属の触媒活性機構を原子レベルで解明

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「酒で煮ると超伝導」謎解明!クエン酸が化合物から余分な“鉄”除去!

2012年07月19日 | 化学

 「酒で煮ると超伝導」に酸化鉄系化合物
 2年前の、2010年7月、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)の研究チームが、鉄を含むある化合物を赤ワイン、ビールなどの酒で煮込んでから、極低温に冷やすと、電気抵抗がゼロになる超伝導状態になることを、突き止めた。しかし、この原因が何なのか当時はわからなかった。

 今回、この不思議な現象の謎が解明された。物質・材料研究機構(茨城県つくば市)と慶応大先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)が7月16日発表した。

 詳細な分析で、酒に含まれるクエン酸やリンゴ酸などが化合物に作用し、余分な鉄イオンが酒の中に溶け出すことで、超伝導物質になることが分かった。この発見は鉄系の物質が超伝導になる仕組みを解明する手掛かりとなり、超伝導になるマイナス約220度以下の温度を引き上げて電磁石などにした場合の冷却コストを安くするのに役立つと期待される。(時事通信 7月16日)

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/

参考HP Wikipedia:超伝導 マイナビニュース:酒で煮れば超伝導ができる? アイラブサイエンス:なぜ?赤ワインにつけると超伝導化 

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青魚食べると肝がんリスク低下!DHA・EPAなど不飽和脂肪酸の効果!

2012年06月11日 | 化学

 青魚の健康成分と効果
 青魚やウナギの健康成分はなんだろう?有名なのはDHAやEPAだ。DHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸という不飽和脂肪酸のなかまである。効能・効果としては、血液中の中性脂肪値やコレステロール値を低下させる働きがあることから、血液の流れを良くし、血栓の予防や解消に役立つといったことがあげられる。

 この血液をサラサラにし血流を良好にするということは、高血圧や動脈硬化などの予防・改善になり、それが心筋梗塞や脳卒中などの危険な生活習慣病の予防に繋がることになる。 また、DHAは脳の機能にとっても重要な役割りを果たしており、記憶力の低下や認知症の原因にも関係しているし、眼の機能にも大きく影響を与えている。

 脂肪酸には、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3つがあり、これらをバランス良く摂ることが大切である。飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3の割合で摂ることが最適だと厚生労働省も推進している。

 

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/

参考HP Wikipedia:DHA EPA ω3脂肪酸

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第31回 ノーベル化学賞 ボッシュ・ベルギウス「高圧下における化学研究」

2011年12月25日 | 化学

科学大好き!Yes,We Love Science!最近気になる科学情報を、ピックアップ!わずか1分見るだけで、科学がわかる!


  「坂の上の雲」と科学技術
 今年は太平洋戦争開戦から70周年ということで、さまざまな記念番組がつくられた。司馬遼太郎原作のNHKドラマ「坂の上の雲」もその1つであろう。明治維新からわずか30年で、ロシアと戦うことになった日本。有名な旅順要塞の戦いや、203高地の戦い、奉天会戦、日本海海戦などを舞台に描かれている。

  「まこと小さき国が開化期をむかえようとしている…」で小説は始まっているが、この一文は当時の日本の様子をよく表していると思う。開化は開花ではない。世界に互していくために、外国の優れたものを取り入れて、国を発展させようという時代だ。経済的な豊かさを開花というならば、現代のほうが豊かな時代であろう。しかし、「国を発展させよう」という気概は当時の方が遙かに高かった。

 国の発展と科学技術を考えるならば、戦争の時代には、目を見張るべき発展が見られた。他国より優れた兵器をつくることは戦争には不可欠なことであるし、それは科学技術の発展なくしては不可能なことであるからだ。例えば日露戦争でかろうじて日本が勝利した要因の1つに「下瀬火薬」の発明がある。

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/

参考HP Wikipedia ハーバー・ボッシュ法 ベルギウス法 ・化学初めて物語 アンモニアの合成
アンモニアの合成 フリッツ・ハーバーについて ・明るい夜間戦闘 合成石油

大気を変える錬金術――ハーバー、ボッシュと化学の世紀
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新元素フレロビウム(Fl)とリバモリウム(Lv)認定!次はジャポニウム(Jp)?

2011年12月09日 | 化学

科学大好き!Yes,We Love Science!最近気になる科学情報を、ピックアップ!わずか1分見るだけで、科学がわかる!


 元素2つ仲間入り、計114に 
 新しい元素が二つ増え、114となった。国際機関「国際純正及び応用化学連合(IUPAC)」が原子番号114と116の元素の存在を認め、名前をそれぞれ「フレロビウム(Fl)」と「リバモリウム(Lv)」とする案を発表した。意見募集などを経て半年後に正式に決まる。

 元素の命名権は発見者にあり、IUPACが最終承認する。今回の二つは発見した米・ロの研究機関がある地名や設立にかかわった物理学者の名前から取った。フレロビウムは、発見したロシアの研究所を設立した物理学者の名前から、リバモリウムは、米国の研究所がある地名から取られたという。元素はこれまで、原子番号112のコペルニシウムまでが認定されていた。

 原子番号92のウランより重たい元素は自然界にはほとんど存在せず、粒子を衝突させて人工的につくる。今回の二つ以外にも原子番号113、115、117、118の4種ができており、今後、新元素に認定される可能性がある。未認定の113は理化学研究所が2004年に発見、「日本発」の新元素として注目されている。( asahi.com 2011年12月4日)

 続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/ 

参考HP 理研ニュース 113番目の元素を発見!

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ノーベル賞の田中耕一氏の最新研究は「病原体フィッシィング技術」?

2011年11月12日 | 化学

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 血液1滴から病気を発見?
 2002年ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏が、新しい研究成果を発表した。研究内容は「抗体の抗原と結合する能力を飛躍的に高める基礎技術を開発」である。抗体・抗原といえばタンパク質。田中耕一氏がノーベル賞で受賞したのは「タンパク質の分析法」。タンパク質分析の専門家である田中耕一氏は、今回、新しくつくった抗体で、病原体を効率よく捉え、これをタンパク質分析することで、病気の早期発見につながる方法を開発した。

 島津製作所(京都市中京区)の田中耕一フェローらは11月8日、人の血液中で病気の進行とともに増える目印物質を高い精度で見つける方法の開発に成功したと発表した。血液1滴で、がんなどの病気を発症前に見つけられる診断システムの実用化につながるという。11月11日付の日本学士院の英文学術誌(電子版)に論文が掲載される。

 田中フェローと佐藤孝明グループリーダー(分子腫瘍学)らは、「Y」の字の形をしている「抗体」が、上半分の「V」の部分を腕のようにして病気の目印物質をつかまえる機能を持つことに着目した。抗体は、病気を防ぐ免疫を担う物質として知られる。

 ハムスターの抗体にポリエチレングリコールを混ぜ合わせると、その前に比べ、目印物質の検出能力が約100倍高かった。ノーベル賞の受賞につながった質量分析装置で調べた結果、抗体のVの部分がポリエチレングリコールで関節のように橋渡しされていた。腕の部分を柔軟に動かせるようになり、目印物質をつかまえる能力が高まったとみられる。文部科学省で会見した田中フェローは、ぐるぐると腕を回してこの構造を説明。「能力が100倍の薬ができれば100分の1の値段で検査ができ、患者さんも助かり医療費もかからない」と述べた。(毎日新聞 2011年11月8日)

 点から線、線から面へ
 抗体は、生物を疾病等から防備する免疫反応の中で重要な働きをしているタンパク質としてよく知られているが、タンパク質研究の分野では多種多様な生体物質が含まれる血液や細胞から、ある種の生体物質だけを高純度で選択する「フィッシング」という技術にも応用されている。

 質量分析装置を用いてタンパク質の構造解析を行う際も、抗体による「フィッシング」を組み合わせることで、感度の向上を図っている。しかし、これまで用いられていた抗体は、生体が作り出したものや、マウス・ヒトのキメラ抗体等が大部分で、抗体のモデル構造を表すためによく用いられる、Y字型のくびれ部分(ヒンジ部)に自由度がほとんど無く、抗原を捕捉できる位置が「点」であり、抗原と結合する能力が限られていた。

 本研究グループは今回、抗体のヒンジ部に人工関節のようなバネ状構造を挿入することで、抗原結合部位に大幅な自由度を与える「可変抗体」を、化学合成により作成する方法を確立した。これにより、抗原であるタンパク質やペプチド等に結合する能力が100倍以上向上できることを世界で初めて確認した。

 この技術により、「フィッシング」機能の大幅向上が期待され、「フィッシング」等の前処理法と最先端質量分析装置との組み合わせで、血液1滴から がんや成人病等を早期発見できる画期的診断システムの構築に貢献することが期待される。

 さらには、最近注目されている「抗体そのものを薬として用いる」抗体医薬の原料として使用することで、抗体医薬の能力向上等に役立つことが期待される。

 抗体(antibody)とは何か?
 そもそも抗体とは何だろう? 「抗体」とは私たちの体を病原体から守る「免疫系」のキープレイヤーとして働いているタンパク質の一種である。抗体は、免疫系細胞のうち、リンパ球、B細胞の産生する糖タンパク分子で、特定のタンパク質などの分子(抗原)を認識して結合する働きをもつ。

 抗体は主に血液中や体液中に存在し、例えば、体内に侵入してきた細菌・ウイルスなどの微生物や、微生物に感染した細胞を抗原として認識して結合する。抗体が抗原へ結合すると、その抗原と抗体の複合体を白血球やマクロファージといった食細胞が認識・貪食して体内から除去するように働いたり、リンパ球などの免疫細胞が結合して免疫反応を引き起こしたりする。

 これらの働きを通じて、脊椎動物の感染防御機構において重要な役割を担っている(無脊椎動物は抗体を産生しない)。一種類のB細胞は一種類の抗体しか作れず、また一種類の抗体は一種類の抗原しか認識できないため、ヒト体内では数百万〜数億種類といった単位のB細胞がそれぞれ異なる抗体を作り出し、あらゆる抗原に対処しようとしている。

 「抗体」という名は抗原に結合するという機能を重視した名称で、物質としては免疫グロブリン(immunoglobulin)と呼ばれる。「Ig(アイジー)」と略される。すべての抗体は免疫グロブリンであり、血漿中のγ(ガンマ)グロブリンにあたる。

 抗体は外見が「Y」の字の形をしている。「Y」字の下半分の縦棒部分にあたる場所をFc領域 (Fragment, crystallizable) と呼ぶ。白血球やマクロファージなどの食細胞はこのFc領域と結合できる受容体(Fc受容体)を持っており、このFc受容体を介して抗原と結合した抗体を認識して抗原を貪食する(オプソニン作用)。「Y」字の上半分の 「V」字の部分をFab領域 (Fragment, antigen binding) と呼ぶ。この2つのFab領域の先端の部分で病原体などの「抗原」と結合する。2本の軽鎖と2本の重鎖からなる。重鎖のFab領域とFc領域はヒンジ部でつながっている。

 抗体の自由度を増すβアミロイド
 今回の研究では、抗体のFab領域(Y字型の「V」の部分)に相当するペプチドとして 化学合成したベータアミロイドを用い、動物細胞で作成したFc領域(Y字型の「I」の部分)との間を、人工関節に相当するバネ状構造を持つ非ペプチドをリンカー(ヒンジ部に相当する)として試験管内で結合させた。合成された「ベータアミロイド/非ペプチドリンカー/動物細胞で作成したFc領域」という合成化合物を質量分析装置(MALDI-TCF-MS)で確認した結果、「Fab領域/ヒンジ部/Fc領域」という抗体の化学構造を備えていることが確認できた。

 その後、ベータアミロイドに特異的に結合するモノクローナル抗体(6E10)との結合能力を表面プラズモン共鳴法で調べると、結合能力が飛躍的(100倍以上)に向上していることが判明しました。ヒンジ部の自由度が増すことによって抗原を幅広い「面」で捉えることができ、捕捉効率が飛躍的に高まった結果と考えられる。

 すなわち、「抗体のヒンジ部を非ペプチドに置き換える」ことにより、抗体のFab領域を伸張性も含むフレキシビリティーの高い「可変抗体」(図2)に変換することに世界で初めて成功した。また、その化学構造は質量分析装置(MALDI-TCF-MS)によって評価できることも明らかとなった。

 本研究成果は、将来的には、新たな「可変抗体」を用いた前処理法と最先端質量分析装置との組み合わせで、血液1滴から がんや成人病等を早期発見できる画期的診断システムの構築に貢献できると考えている。さらに、最近注目されている「抗体そのものを薬として用いる」抗体医薬の原料として使用することで、すでに医薬品や診断キットとして用いられている抗体の「抗原に対する結合能力」を飛躍的に向上させることが期待される。(島津製作所・JST)

参考HP Wikipedia 抗体 JSTプレス 質量分析システムを用いた「血液1滴からの疾患早期診断」

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日本はなぜノーベル化学賞につよいのか!?―田中耕一さんに学ぶ勉強法・思考法、日本の化学・科学の過去未来
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超簡単な不斉合成!ぐるぐるかき回すだけで、分子構造左右を作り分け

2011年11月05日 | 化学

科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学の疑問を、やさしく解説!毎日3分読むだけで、みるみる科学がわかる!


 分子構造の左右作り分けで新手法
 東京理科大学の山下俊准教授と奈良先端科学技術大学院大学の藤木道也教授の研究チームは、同じ原子成分を持ちながら、“右手と左手”のように鏡に映った対称的な構造を持つ分子を、簡単に作り分ける手法を開発した。液体を寒天のように固めるゲル化剤を水に入れ80℃にして、時計回りか反時計回りにかき混ぜた。

 分子構造の左右の偏りを調べる手法を使い、溶液内で左手系分子と右手系の分子を作り分けられることを示した。なぜこうなるかについて、岡野久仁彦東京理科大助教は「かき混ぜ方でゲル化剤を構成する分子の塊が、右巻きもしくは左巻きにねじれた構造をとるのでは」と話す。

 医薬品や調味料などの分野への応用が期待できる。長野県テクノ財団が推進する文部科学省補助事業の一環で行われ、成果は独化学会誌電子版に近日、掲載される。(2011年10月27日日刊工業新聞)

 鏡像異性体は化学反応性や物性はほとんど同じであるため分離や作り分けが困難だが、生体への影響などは全く異なる場合があり、工業的にはこれらを選択的に得ることは非常に重要である。

 このような鏡像異性体の作り分けは、これまでにも盛んに研究されてきており、例えば2001年のノーベル化学賞を鏡像異性体の作り分けに関する研究で野依氏らが受賞した。

 それがまさか、固めてかき混ぜながら作るという、単純な方法で作り分けできるとは驚きである。

 鏡像異性体とは何か?
 ある特定の分子構造に対し、鏡像関係にあり、等価でない(重なり合わない)分子について比較表現として用いられる用語。比較表現でない場合は、光学活性化合物(もしくは不斉化合物)と呼ばれる。

 分子内部にねじれの要素がある場合、ある配置の分子とその鏡像関係の配置の分子は重ねあわすことができず、異性体になる。それぞれ平面偏光を逆向きに回転させる性質をもつ。

 ほとんどの鏡像異性体は、光学活性炭素原子上に4つの異なる官能基が置換することによって発現する。ある物質とその鏡像異性体を比較すると、ほとんどの物性や反応性が同じであるが、性質を及ぼす基質が光学活性化合物の場合に限り、反応性に違いが見られる。

 すべての分子とその鏡像体を比較すると、沸点、融点、屈折率、誘電率、紫外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルおよび質量スペクトルなどの物性や分光学的データは完全に同一である。ただし、円偏光(もしくは楕円偏光)に対する吸収スペクトルは、わずかに異なる。

 サリドマイドの鏡像異性体の一方は睡眠薬としての薬効を示すが、もう一方は妊婦が服用すると、生まれた子供の手足が短くなる「奇形児アザラシ肢症」という副作用を引き起こす。体内の蛋白質を構成するアミノ酸は、全て鏡像異性体の片方のL体である。

 鏡像異性体と光学異性体
 「鏡像異性体(エナンチオマー)」とは、「二つの化合物の構造式について、平面に書いた(=3次元立体構造を無視した)構造式は等しいが、立体構造を考えると重なり合わず、丁度鏡に映した物同士の関係(実像と鏡像)になるもの」を指す。例えば右手と左手。L-アミノ酸とD-アミノ酸など。

 鏡像異性体を有する分子構造を「キラル(掌性)」と呼ぶ。一般に炭素原子に異なる四つの置換基が着くとキラルな分子と成り、その四つの異なる置換基がついた炭素原子の事を「不斉炭素」と呼ぶ。

 「光学活性」とは、光の偏光面を回転させる性質のある物質のこと。「光学異性体」とは、「鏡像異性体」の内「光学活性」なものの関係を指す。一般に、全ての光学活性体には光学異性体の関係を満たす分子が存在し、その光学異性体同士は、光の旋光面が丁度正負の関係で反転している。例えば、ある化合物が光学活性でその旋光度が+20°なら、その鏡像異性体は-20°の旋光度を持ち、それらは光学異性体の関係にある。

 全ての「光学活性体」はキラルな構造を有し「鏡像異性体」が存在するが、全てのキラルな分子が「光学活性体」では無い。また、「不斉炭素」を持たない「キラル」化合物があり、「不斉炭素」有していてもキラルでない(=アキラル)、すなわち、光学不活性な分子も存在する。

 例えば、L-酒石酸は光学活性でその光学異性体(かつ鏡像異性体)は、D-酒石酸だが、世の中には光学不活性なメソ酒石酸なる分子も存在する。この三つの分子構造は、平面状に書くと(立体を無視すると)全て同じだ。

 また、キラルで光学不活性(鏡像異性体が存在するのに光学不活性)な分子として、5-エチル-5-プロピルウンデカンという分子が存在する。(Wynberg. H, Hulshof. L. A., Tetrahedron, 1974, 30, 1775)

 これまでの不斉合成
 化学物質は物理化学的な性質がまったく同じでも立体構造が異なることがる。これは光学異性体と呼ばれ、分子構造が右手と左手のように鏡に映した関係にある。しかし、生体が作り出す物質は、アミノ酸が左手型、遺伝子の本体であるDNA(デオキシリボ核酸)が右手型というように異性体の一方しかない。医薬品や農薬、調味料、香料などもどちらか一方の光学異性体しか効力がない

 通常、医薬品などを人工的に合成しようとすると左手型と右手型が一対一の割合でできる為、効率が悪い。このため、どちらか一方の型だけを選択的に合成する製造プロセスに導入されている。現在の不斉合成法は触媒や酵素を使った熱反応が主流(熱不斉合成)。

 触媒を使った熱反応は反応工程が7、8段階必要なうえ、反応温度の制約も受ける。一方、酵素反応は生物が必要とする物質しか合成できず、光学異性体のどちらをつくるかという選択の余地もなくなってしまう。

 野依良治氏は不斉な配位子を持つ金属錯体を触媒として、不斉要素を持たない化合物の鏡像体(エナンチオ)選択的還元反応において有用な方法を開発し、ノーベル化学賞を受賞している。

 今回発見された方法のように、ただ、左右にかき回すだけで鏡像異性体ができるのであれば、非常に簡易で便利な方法である。

参考HP Wikipedia 不斉合成キラリティー光学異性体 キリヤQ&A 異性体 

研究はみずみずしく―ノーベル化学賞の言葉
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実力養成化学スクール〈1〉キラル化学‐不斉合成 (実力養成化学スクール (1))
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ノーベル賞候補者、中村修二氏が語る「エンジニアが評価される公平な社会」

2011年10月29日 | 化学

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  社会貢献する個人と組織
 今回、青色発光ダイオードの中村裁判を調べてみて、ノーベル賞に最も近い日本人といわれる、中村修二氏の強い信念と、これまで沈黙していた、日亜化学のものづくりに対する正当性を感じた。双方とも社会貢献を目指している点では正しいと思った。

 日亜化学の主張は、ほとんど聞いていなかったので、ノーベル賞候補の中村氏の正当性ばかり印象に残ってしまった。だが、判決後、日亜化学の小川英治氏がいっているように、主張しなければ伝わらない面はあるのだなと思った。

 例えば、ノーベル賞は論文の引用数で候補にあがる。確かに中村氏は多くの成果を論文をまとめているが、中村氏が個人で発明した研究は最初の、404特許「2フロー法による、窒化ガリウム(GaN)の結晶成長の成功」ぐらいであり、青色発光ダイオードが完成するには、天野氏・赤崎氏・松岡氏らがすでに発表済みであった窒化ガリウムについての論文や、会社の研究チームで行った、p型・n型両方の半導体の完成が必要であった。決して中村氏一人で完成したものではなかった。

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/ 

参考HP Tech総研 独占!中村修二が語る“エンジニア幸福論”
Tech On! 世界初の無極性半導体レーザー

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負けてたまるか! -青色発光ダイオード発明者の言い分
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20世紀最後の奇跡「青色発光ダイオード」!究極の「青」はどうやって実現された?

2011年10月29日 | 化学

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  青色発光ダイオードとは?
 2009年、液晶テレビのバックライトが白色LEDに変わった。この白色は青色LEDが開発されて可能になった。この青色LEDに黄色の蛍光体を組み合わせたり、あるいは赤と緑のRG蛍光体を組み合わせたりして白色をつくり出している。

 また、ブルーレイディスクの仕組みはどうなっっているのだろう?2002年の2月、大容量光ディスクの新規格ブルーレイディスク(Blu-ray Disc)が発表された。DVDやCDと同じ直径ながら片面で最大27GBと、DVDの5倍近くの容量が可能だ。

 CDやDVD、「Blu-ray Disc」も基本的なストレージ原理はたいして変わらない。大容量にするためには、ディスクにピット(小孔)を書きこんだり読んだりする光が小さいほどよいが、「Blu-ray Disc」でそれを可能にしているのが波長405nmの「青紫色レーザー」だ。

続きはこちら → http://blog.livedoor.jp/liberty7japan/ 

参考HP サイエンスグラフィック ナノエレクトロニクス・青紫色レーザー究極の「青」

発光ダイオードが一番わかる (しくみ図解)
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青色発光ダイオードは誰のものか―世紀の発明がもたらした技術経営問題を検証する (B&Tブックス)
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