夕陽丘

時事問題とロースクールの日常など

◆愛知万博にて その2

2005年04月16日 05時05分51秒 | 日記・書評
 愛知万博では,最初に「夢見る山」に入館したのだが,残念なことにまったく出鼻をくじかれる想いだった。

 とくにテーマシアター「めざめの方舟」は,押井守氏が総合演出したとのことで,事前の期待感はかなりのものだっただけに,落胆も大きかった。

 公式HPによると,「世界初の「床面プラズマ・マルチ・マルチ・ディスプレー・システム」を駆使した床面映像などによる体感型映像空間です。壁や天井にも、大自然や動植物の数百に及ぶシーンが広がり、音響との組み合わせで人間の感覚に直接訴え、地球環境への「めざめ」を誘います。総合演出は、…略…映像の鬼才、押井守監督です。約10分間のプログラムで、クライマックスなどでは、地球環境回復への願いを込めた精霊「汎(ぱん)」と呼ぶ巨大な美術造形が現れます。」という内容なのだが,中途半端さが目立った。問題だなと思った点をいくつか挙げてみる。

 まず,観客が全員入場していないのに,プログラムがスタートしてしまう。アリーナではなくスロープに回った観客は歩いている最中にプログラムが始まってしまうので戸惑ってしまう。

 床面プラズマ・マルチ・マルチ・ディスプレー・システムというのは,30インチくらいのディスプレーが縦横に並んでいるものだが,1つ1つのディスプレーに同じ映像が流されるなどして,大型家電量販店のTVコーナーのような雰囲気で,映像の広がりを体感するものとはなっていない。どうせなら,リアプロジェクション方式にでもして,床面300インチディスプレーにしたほうが映像の広がりは実感できると思う。

 押井氏の意図はなんとなく理解できる。ただ,氏の「天使の卵」のように多少難解な部分があって,もう少しストーリー性を出した方が伝わりやすい気はした。また,映像と場内に配されている偶像と精霊像の関係を明確にしないと,何のために存在しているのは理解が難しい。とくに,アニメ的でもある偶像・精霊像とリアルな自然の映像を1つのプログラムとして一体化させるためには,何らかの説明が必要な気がする。

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