近代日本文人画の巨匠である富岡鉄斎(1836~1924)が後半生を過ごした旧宅が,
京都府議会公舎として残されていて,上京区の誇る近代の史蹟というべきところです。
鉄斎は天保10年に三条衣棚の法衣商の二男として生まれ,国学や絵を学び,
石上神宮・大鳥神社・車折神社の神職を勤め,自らの画料をもって神社の復興に尽力しました。
明治15年3月,47歳の鉄斎は京都に帰り,この地に居宅を構えます。
瓦葺屋根に竹組門扉のついた表門を入ると2階建の母屋があって,
庭園とともに鉄斎の好みを偲ばせてくれます。
敷地の南端にある3階建の洋館は,賜国書楼と名づけられた書庫で,
鉄斎愛蔵の万巻の書物が蔵められていました。
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