空也堂
空也堂極楽院という。天台宗空也派に属する。空也上人ゆかりの寺
寺伝によると、平定盛が空也上人にふかく帰依し、天慶2年(939)に創建したと伝わる。
はじめ中京区三条大宮の西にあって、櫛笥道場または三条道場と称したが、
応仁の乱によって焼亡した。
現在の地に移ったのは寛永年間(1624~1644)といわれる。
ここの寺僧は有髪俗体で妻子を有し、瓢をたたいて和讃をとなえ、
浄土往生の因果をすすめて洛の内外を廻った。
これを「空也堂の鉢叩」といった。
また、空也上人が都下に悪疫が流行したとき、
観音像を車に乗せて市中を引き回し、茶を飲ませ、病人を救ったといわれ、
時の帝もこれを服用されたので、王服茶といった。
この故事に因み、正月三が日に当寺で茶を服用すると、
年中の邪気から逃れられると信じられてきた。
これを王服茶筌という。
町の人は毎年12月の事始めの日から晦日まで、売りに廻る当寺の茶筌を買い求めた。
近年は希望者に頒布されている
一時寺は隆盛だった。諸国に散在する空也堂を統括していた。
江戸末期には六斎念仏講中に免許状を与える権威もあった。
第2次大戦中、強制疎開によって堂宇を取り壊し、今は庫裡をもって本堂としている。
毎年11月の第2日曜日に、空也上人を偲んで法要が営まれる。
王服茶の献茶式の後、
空也僧による歓喜踊躍念仏と重要無形文化財の六斎念仏焼香式が奉修される。
明治18年・・・ 建立
11月8日 記事追加 本日実施でした