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史跡  天皇の杜古墳

2016年02月03日 07時50分32秒 | 史跡・旧跡

 

史跡 天皇の杜古墳

天皇の杜古墳は、京都市内でもきわめて保存状態の良い前方後円墳で、古くから墳丘に生い茂る大樹が「天皇の杜」の名にふさわしい景観を見せています。墳丘の形は前方部か広がらない、いわゆる「柄鏡式」の形態で、古墳時代でも前期(4世紀)に属しています。全長83mを測る市内では最大級の古墳で、その被葬者はこの時期に桂川右岸地域を統括した有力豪族(首長)と推定されています。ここは、古来より交通の要衝であり、稲作の場である平野部も見渡すことができる大切な場所だったのです。保存整備の一環として墳丘部と周濠部の部分的な発掘調査を実施しましたが、その結果、周濠部と理解されてきた平坦部には、周濠としての掘り込みはなく、兆域(墳墓の区域)として他と区別した部分であることがわかりました。墳丘は全体を2段築造し、その平坦部には円筒埴輪が樹立していました。また、斜面には葺石が丁寧に葺かれてしたことなども明らかになりました。主体部(死者を安置した所)の調査は実施されていないため、埋葬施設や副葬品の内容までは明らかになっていませんが、桂川右岸では現存する前期の古墳が少ないだけに、かけがえのない古墳といえます。なお、天皇の杜古墳の名称は、かつてこの古墳が文徳天皇(平安時代の天皇)の御陵であるとされてきたことに由来しています。

京都市文化財保護課

 

 

 

史蹟 天皇の杜   大正13年9月

 

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