ミーハーのクラシック音楽鑑賞

ライブ感を交えながら独断と偏見で綴るブログ

オペラ『オテロ』@新国立劇場

2017-05-01 10:05:24 | オペラ
先日(22日)新国立劇場・オペラ劇場で公演された『オテロ』(千秋楽)を観に行ってきた。音楽はジュゼッペ・ヴェルディ。演出はマリオ・マルトーネ。指揮はパオロ・カリニャーニ。管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団。主な出演者は下記の通り。

オテロ:カルロ・ヴェントレ
デズデーモナ:セレーナ・ファルノッキア
イアーゴ:ウラディーミル・ストヤノフ
ロドヴィーコ:妻屋秀和
カッシオ:与儀 巧
エミーリア:清水華澄
ロデリーゴ:村上敏明
モンターノ:伊藤貴之
伝令:タン・ジュンボ
合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団
《14時00分開演、17時00分終演》休憩1回

ストーリーはオテロがヴェネツィアに凱旋。市民たちは大歓迎する。しかし、オテロの部下である騎手のイアーゴは、副官に抜擢されたカッシオに嫉妬するあまり、オテロに「カッシオとあなたの妻・デズデモーナは不倫している」と囁く。その後もイアーゴは次々と策略を立てていき、オテロとデズデモーナの仲は悲劇的な関係となっていく。

舞台は50トンの水を用いてヴェネツィアの運河を再現。その中央にあるオテロの館の部屋が場面ごとに転回する。それ以外は大掛かりな屋台崩しがあるわけではない。それでも、水を張った舞台というだけでそれなりの緊張感を感じるし、冒頭の松明の火、火玉、落雷などの視覚的効果を狙った演出も舞台を引き締める。

出演者ではやはりタイトルロールを演じたがカルロ・ヴェントレの歌声の抑揚は素晴らしかった。ただ、それに伴う演技が幾分単調気味でオテロがデズデモーナをどう思っているのかがよく解らなかった。一方で、イアーゴ役のウラディミール・ストヤノフは歌声もピカレスク的な表情も素晴らしく影の主役を見事に演じた。ブラボー!。そして、そのイアーゴに翻弄されるカッシオ役の与儀巧も心優しい男を好演。デズデーモナ役のセレーナ・ファルノッキアは美しいソプラノの歌声を聴かせてくれるもののもう少し存在感がほしかった。

パオロ・カリニャーニはオペラ指揮の第一人者ということもあり、東京フィルから熱い演奏を引き出すとともに、出演者たちにとても気分良く歌わせていた。来年の開場20周年記念公演『アイーダ』も彼が振る。これは是非とも観に、そして聴きに行きたい。



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